図:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

出所:マーケットスピードより楽天証券作成

有事で上がったら売り(2017年4月10日(月)掲載分より)

ひさしぶりのサプライズが金曜日に待っていました。(よりによって僕の休みの日に!そして今日も静かでしょうと書いてレポートを家から送って間もなく!!)シリア政府軍の化学兵器使用の疑いに米国によるシリア軍飛行場へのミサイル爆撃が、金曜日日本時間午前中に行われ、このニュースでゴールドは1,250ドルから1,270ドルへと大きく上昇、「有事の金」に対する買いが入りました。ゴールドはそのレベルをほぼ保ったまま、ニューヨーク時間帯に入りました。金曜日は注目の米雇用統計の日でありました。3月のNon-farm payroll(非農業部門雇用者数)は、前月比9万8,000人増で、市場予想の18万人を大きく下回り、前月の速報値23万5,000人も21万9,000人に下方修正されました。しかし失業率は4.7%から4.5%へと低下。2007年5月以来の低水準となり、判断に難しい数字となりました。発表された瞬間はゴールドは1,264ドルから1,270ドルまでジャンプしましたが、その後、NY連銀のダドリー総裁が、前週、金利の正常化に関して、慎重な態度として報道されたことに関して、「金利正常化の「短い休止」」を強調し、非常に短いという意味とはっきりと発言し、それが引き金となりドル買い、そして買われていたゴールドの売り戻しに一挙に進行、結果的に一週間の終わりとなるニューヨークの引けは、1,250ドル台と、ミサイル攻撃による上昇をすべてはき出し、一週間で見ても、ドル建て、円建てともに月曜日の始まりと同じレベルに戻して一週間が終わりました。

有事の金買いでゴールドが上がれば、そこは「売り」(2017年4月10日(月)掲載分より)

今回もまさにその通りになりました。ただし、米国がシリア爆撃に踏み切ったことは、今後の北朝鮮に対する米国の政策を考えるとその武力行使の可能性が高まったと感じさせ、地政学的な不安はますます大きくなっています。もう一つの注目であった米中首脳会談も、北朝鮮に対する具体的な合意などは発表されておらず、「両首脳がお互いを知る機会」となっただけであったようですね。ただアメリカの空母が朝鮮半島方向に向かっているとのことで、シリアへの「突発的」なミサイル攻撃を考えると、こちらでもいつ何があってもおかしくないと考える方が妥当でしょう。

まだまだゴールドは基本ロングでよさそうです。

CFTC Commitment of Traders Report as of 4 Apr 2017(2017年4月10日(月)掲載分より)

出所:池水氏のレポートより抜粋

右軸:投資家ポジション(トン)

左軸:ドル建てゴールド価格

499トンから551トン、投資家ロングは50トンの増加となりました。価格は1,257ドルで変わらず。

小動き続く(2017年4月7日(金)掲載分より)

昨日もまた非常に静かな一日でした。米中首脳会談からの情報待ちの様子見のマーケットとなりました。その首脳会談はちょうどこれから。今晩、ですかね、雇用統計、そして米中首脳会談のなんらかの情報が出てくるのは。

民間雇用統計で下げ、議事録で上げ、結局変わらず(2017年4月6日(木)掲載分より)

アジアは相変わらずの動きなし。欧米に入ってからは、ADPの雇用統計NFPが市場予想18万人増を大きく上回る26.3万人増となったことから、株が200ドル近く上昇、ドルが強含み、ゴールドには利食いの売りが出て1,257ドルから1,243ドルまで下げ。しかし、FOMC3月の議事録が発表されると今度は逆に株に売りが出て、ドルが売られ、ゴールドは急速に買い戻されました。議事録の内容はよりハト派的であったことが買われすぎの熱を冷ますような効果があったようです。為替、ゴールドともに行って来いで大きく動きましたが、そのために円建てはまた目立った動きなしに終わりました。

材料なく小動き(2017年4月5日(水)掲載分より)

昨日もやはり静かな一日となりました。ゴールドは1,254-1,261ドルのレンジ。特に大きく動く材料もありませんでした。基本ドルをみながらの動きだけでした。中国・香港が清明節でお休みということもあるのでしょう。今日からは、3月のFOMC議事録の発表、トランプ-習会談、そして雇用統計と続きます。

ロジウムの上昇だけは、1,000ドルを超えても止まりません。

Bitcoinとゴールド(2017年4月5日(水)掲載分より)

今朝の日経の一面にはビックカメラがBitcoinに対応という記事が大きく出ていました。投資対象から決済へ、そろそろ真剣に勉強したほうがよいようですね。たとえば海外に行ったときに、もしBitcoinで決済できるなら、とても便利になりますよね。わざわざ現地通貨にぼったくりのレートで変える必要もなくなります。先日ゴールドを超えて注目されましたが、今は比較的落ち着いているようです。といってもそのVolatilityは圧倒的にゴールドよりも大きいですが。

経済指標悪化でドル売りゴールド買い(2017年4月4日(火)掲載分より)

静かな材料のないマーケットでアジアではほとんど動きらしい動きなし。ニューヨークに入ると経済指標が予想より悪かったことから、ゴールドに買いが入り1,244ドルから1,254ドルへほぼ10ドル上昇しました。が、同時にドル安円高で、円建てではほとんど動かず。昨日の日中も全く動きが見られなかったので、Tocomの出来高も非常に少なくなっています。上がっても下がってもいいのでとにかく動かないというのが、マーケットにとってはもっともよくないですね。でも今日も残念ながらそんな感じです。今週は金曜日が雇用統計ですが、木曜日金曜日のトランプ大統領と中国習近平主席との首脳会談も気になるところです。世界政治でも世界経済でも間違いなくもっとも影響力がある二人ですからね。両方共に相当個性が立ってる(まあ当然ですけど)だけに、果たしてろくな会話が成立するのか、見てるほうがどきどきですね。

南アをジャンク級に格下げ。2000年以来初めて(2017年4月4日(火)掲載分より)

BloombergによるとS&Pは南アの格付けを、投機的格付けのジャンク級BB+に格下げ。2000年以来17年ぶり。ズマ大統領が先週行った内閣改造で、大統領辞任を求める声が高まり、政局不安定になったため、とのこと。一時12ランド前半にまで回復していたランドですが、ここ一週間でまた13ランド後半まで、ドルに対して下落してきています。ズマ大統領が変わらない限り、南アは厳しいですねえ。