1. 日経半導体株指数は急上昇後に足元で急反落している
半導体関連株が急落しています。図表1は日経半導体株指数の推移ですが、直近の1年余りで急騰した後に足元で急反落しています。
同指数は2025年4月の6,161ポイントを底値に2026年6月には3万6,378ポイントまで、わずか1年少々の間に約6倍に大幅に上昇しました。グラフを見ても、過去1年余りの上昇ペースが従来の上昇ペースに比べて著しく速かった様子が分かります。
図に見られるように、これまでの半導体株指数は上昇と反落を繰り返しており、今回の上昇期間は過去と比べてやや短かったものの上昇率が非常に大きかったため、足元で反落局面入りしたのは、ある意味、自然な流れかもしれません。
今回のコラムでは、なぜ直近の上昇率がこれほど大きかったのか、そして、調整局面入りしたと考えた場合、今後の注目点は何なのか?について考えてみました。
[図表1] 日経半導体株指数の推移
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成
2. 半導体メモリー価格が異常な高騰を見せている
2025年半ば以降、半導体業界では過去に見られなかった異常な現象が起こっています。
図表2は、代表的な半導体メモリーであるDRAMのスポット価格の推移です。半導体メモリーなどの幅広い電子部品は、同じ性能であれば徐々に価格が下落するというのが業界の常識です。
その理由は、新製品投入直後は歩留まり率(製造量に対する実際に使える良品の割合)が低く生産コストが高くなるため、高価格で少量の取引が行なわれ、その後、歩留まり率改善に伴う生産コスト低減に合わせ、価格を下げて販売数量を増やしていくためです。半導体などの電子部品産業というのはこのような産業です。
しかし、昨年半ば以降、そうした慣例を打ち破り、半導体メモリーをはじめとした電子部品の価格が、性能が同じであるのに上昇するという珍事が発生しています。
図表2はスポット価格なので、実際に幅広く取引される長期契約価格に比べれば値動きは激しいですが、過去1年余りで5倍から10倍近くに上昇しています。
価格を押し上げた原動力は、米アルファベット社などのハイパースケーラーと呼ばれる大手テック企業による人工知能(AI)サーバーへの巨額投資と考えられており、今後の半導体メモリー相場は、こうした巨額投資の持続性にかかっていると考えられます。
[図表2] 半導体メモリー(DRAM)のスポット価格の推移
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成
3. 半導体メモリー価格の異常な高騰が、関連企業の利益と株価を異常に押し上げた
半導体メモリー価格の異常な高騰は、同関連企業の利益を著しく押し上げています。
図表3は、半導体メモリーの世界大手である米マイクロン・テクノロジー社の業績推移です。2021年以降では、営業利益率は+40%~マイナス60%程度で推移していました。
それが、直近の2026年第3四半期(2026年3-5月期)では、営業利益率は約80%と高水準で、営業利益は前年同期の約15倍に膨らんでいます。一方、総コストは微増で推移していることから販売数量は微増とみられ、マイクロン社の大増益の大半が異常な価格高騰からもたらされていることが分かります。
このように業績は絶好調ですが、直近の同社の株価は大幅に調整しています。その理由は、市場は今のようなメモリー価格高騰は異常であり、長続きしないのではないか?と疑念を抱いているからではないでしょうか。
ハイパースケーラーの財務状況も、フリー・キャッシュフローが赤字になる例が出始めていることから、巨額投資の持続性が警戒されています。この先に投資が減速すれば、半導体メモリー価格の異常な高騰も修正され、同社の企業利益の減少につながるという警戒が広がっていると思われます。
今後のハイパースケーラーの投資動向、そして、半導体メモリー価格の動向には細心の注意が必要と思われます。
[図表3] 米マイクロン・テクノロジー社の業績推移
※2026年第4四半期、2027年第1四半期はBloomberg予想(2026年7月24日時点)
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成
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<関連銘柄>
NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信(証券コード:200A)
NEXT FUNDS S&P500半導体・半導体製造装置35%キャップ指数連動型上場投信(証券コード:346A)
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