今週のトピック:トヨタ自動車など日本企業の決算発表集中。米国7月雇用統計
| 日付 | イベント |
|---|---|
| 8月3日(月) | ・三菱UFJ FG(8306)、三菱商事(8058)が決算発表 ・米国で7月ISM製造業景況指数 |
| 8月4日(火) | ・トヨタ自動車(7203)、日本製鉄(5401)、三菱重工業(7011)が決算発表 ・米国でキャタピラー(CAT)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、スペースX(SPCX)が決算発表 |
| 8月5日(水) | ・鹿島(鹿島建設:1812)、日本郵船(9101)が決算発表 ・米国で7月ADP民間雇用統計、7月ISM非製造業景況指数 |
| 8月6日(木) | ・ソフトバンクグループ(9984)、NTT(9432)、レーザーテック(6920)、古河電気工業(5801)など323社が決算発表 |
| 8月7日(金) | ・リクルートHD(6098)、三井金属(5706)、フジクラ(5803)など680社が決算発表 ・米国で7月雇用統計 |
・商社、自動車、鉄鋼、海運など重厚長大企業決算で好業績株が素直に買われる業績相場に移行? AI株の決算発表が集中する6日(木)に向け、AI株の見直し買いが進む可能性も
・AI株上昇で非AI株が下落、AI株が急落すると非AI株に見直し買いが入る「逆相関」の流れがさらに強まる可能性も。日経平均株価の動きはあてにできない?
・7日(金)の7月雇用統計など米国で重要雇用指標が発表。結果が強すぎると早期利上げ懸念の台頭で株価にはネガティブ
8月3日(月)の日経平均
前週末比527円安の6万3,834円で反落スタート。その後一時1,500円超安まで下げ幅を拡大しました。後場になり下げ幅が縮小したものの、前週末比607円安の6万3,754円と3日ぶりの反落で終えました。(8月3日16時現在)。

先週(7月27日~7月31日)の主要株価指数
| 終値 | 前週末比 | 前週末比率 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 6万4,362円 | ▲249円 | ▲0.39% | ||
| TOPIX | 4,003.3pt | ▲8.0pt | ▲0.20% | ||
| ダウ | 5万2,485ドル | +537ドル | +1.04% | ||
| S&P500 | 7,489pt | +77pt | +1.05% | ||
| ナスダック | 2万5,373pt | +398pt | +1.59% | ||
| 注:▲はマイナスを示す | |||||
今週のマーケット:AI株の反転上昇が続くか、決算発表ラッシュで非AI株の見直し買いが優勢になるか?二択の展開!
今週は先週後半、激しくリバウンド上昇したAI株が続騰するかどうかが焦点です。
先週はAIクラウド事業が前年同期比43%増と急成長した米国のマイクロソフト(MSFT)が前週末比21.8%高と急騰。
過剰投資の懸念が高まるAI向け設備投資の金額を増額せず、従来計画通り据え置いたことが好感されました。
同じく、予想を上回るAIクラウド事業の成長が素直に好感されたアマゾン・ドット・コム(AMZN)も17.0%高と急伸。
これを受けて、週初めの日本市場ではAI株のリバウンド上昇が継続しそうです。
ただ、中国企業への乗り換えや価格高騰による投資抑制で、空前の好業績にピークアウト懸念が出ている半導体メモリのマイクロン・テクノロジー(MU)は先週11%安、サンディスク(SNDK)は15%安、韓国半導体メモリ大手のSKハイニックスADR(SKHY)は7.0%安。
中国企業が最先端の深紫外線(DUV)半導体露光装置の量産を開始したニュースもあり、日本でも東京エレクトロン(8035)が11.4%安。
半導体製造装置や半導体メモリメーカーなど「AIツルハシ」と呼ばれる銘柄の下落トレンドは多少弱まるかもしれませんが、力強い上昇トレンドが復活するかどうかは疑問です。
日本では、人気AI株の半導体メモリメーカー、キオクシアホールディングス(285A)が7月31日(金)にストップ高まで買われたものの、週間では前週末比17.0%安と続落。
31日のストップ高直後に発表された2026年7-9月期の最終利益予想は前年同期比31倍とすさまじい伸びですが、市場予想をわずかに下回っています。
ただ総額8,000億円規模の自社株買いや株式3分割を発表しており、同社の株価の行方がAI株全体の方向性を決めそうです。
今週はトヨタ自動車(7203)、日本製鉄(5401)、三菱重工業(7011)、三菱商事(8058)といった日本の大手優良企業が一斉に決算発表を行います。
ここ最近はAI株が急落すると非AI株が見直し買いされる逆相関の値動きが強まっているため、AI株と連動性が高い日経平均株価が下落しても、好業績を発表した多くの非AI株が上昇という展開も考えられます。
先週、30日(木)~31日(金)の為替市場では、日米協調の為替介入が行なわれ、急激な動きで1ドル157円30銭台まで円高が進行。
31日(金)終了の日本銀行の金融政策決定会合後の記者会見で植田和男総裁は「物価の上振れリスクがある」と早期利上げに積極的な姿勢を表明しています。
円高や10月の日銀会合での利上げ観測を追い風に、円高メリットのある内需小売、サービス株や金利上昇が収益拡大につながる銀行株が買われる展開になるかもしれません。
また円高といっても1ドル155円前後が限界との見方もあり、円安で潤う外需株に対する悪影響は軽微でしょう。
一方、米国では8月7日(金)の7月雇用統計まで重要な雇用・景気指標の発表が相次ぎます。
堅調な雇用情勢が確認されると、早期利上げ懸念が台頭しそうです。
先週7月29日(水)に利上げ見送りを決めた米国連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では、ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利上げについて明確な姿勢を示さず、インフレ評価基準の見直しやFOMC開催頻度の削減を打ち出したことで、インフレに対する弱腰な姿勢が浮き彫りになりました。
それを受けて、米国では長期金利の指標となる10年国債の利回りが4.74%台まで上昇。
依然として戦闘が続く中東情勢の泥沼化もあり、今後は金利上昇が米国株の上値を抑える悪材料になるかもしれません。
注目イベント:6日(木)にAI半導体企業の決算集中
今週は8月6日(木)にAI向け巨額投資を行うソフトバンクグループ(9984)をはじめ、半導体検査装置のレーザーテック(6920)、光ファイバーの古河電気工業(5801)、銅部材のJX金属(5016)、半導体ウエハ製造のSUMCO(3436)など多数の人気AI半導体株が決算発表を行います。
これらの企業が少しでも期待を裏切る決算を発表すると、AI株の乱高下が全体相場にも大きな影響を与えそうです。
ただAI株が下がると、同じ6日に決算発表を行う任天堂(7974)などゲーム株、先週、好決算を発表して株価が前週末比11.6%高となったNEC(日本電気:6701)などITソリューション株やソフトウエア株が上昇する逆相関の流れが続くかもしれません。
市場別マーケット動向
日本市場
今週は5日(水)に178社、6日(木)に323社、7日(金)に680社が決算発表するため、AI株以外は底堅い業績相場になりそうです。
特に4日(火)にはトヨタ自動車(7203)、マツダ(7261)、5日(水)にはホンダ(本田技研工業:7267)など、円安の進行が収益向上につながる自動車株が相次ぎ決算発表。
トヨタ自動車株は株価純資産倍率(PBR)1倍割れや3.2%台の高配当利回りが評価されて7月に前月末比12.6%も反転上昇。
先週末の為替介入は心配ですが、同社の今期想定為替レートは1ドル150円でまだ余裕があります。
20%以上の営業減益を予定している今期2027年3月期の業績が第1四半期時点で改善傾向にあることが分かれば、見直し買いがさらに進む可能性もあるでしょう。
米国市場
米国市場では先週、AIクラウド事業の成長を好感してマイクロソフト(MSFT)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が20%前後上昇。
その一方、減益決算のフェイスブックの親会社メタ・プラットフォームズ(META)は6.5%安、中国での売上高が予想を下回ったアップル(AAPL)が7.3%安と明暗を分ける結果になりました。
今週も、マイクロソフトなどハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)も含めたAI株のカテゴリー内で激しい投資資金のポジション移動が起こりそうです。
日本時間5日(水)早朝には宇宙開発企業のスペースX(SPXC)が新規株式上場(IPO)後、初の決算発表を行います。
その2営業日後の6日(木)には株式売却制限(ロックアップ)の一部解除も予定されているだけに、スペースX株の乱高下に注目が集まりそうです。
業種・銘柄の動き
| 銘柄 | 先週の騰落率 | ポイント | |||
|---|---|---|---|---|---|
| ソフトバンクグループ(9984) | ▲4.4% | 8月6日(木)決算発表。7月11.8%安からの下げ止まりに期待 | |||
| 任天堂(7974) | +10.2% | 先週反発。6日決算で続伸? | |||
| マイクロソフト(MSFT) | +21.8% | 先週、急激に反転上昇。今週も見直し買いが続く? | |||
| スペースX(SPCX) | ▲5.8% | 5日(水)早朝に初の決算発表。赤字で続落? | |||
| 注:▲はマイナスを示す | |||||
先週までの振り返り:原油価格の上昇一服でゴム製品、空運業上昇。自動車、鉄鋼も強い!AI株の多い非鉄金属セクターが売られる!
先週は31日(金)にAI株が激しくリバウンド上昇しましたが、週間で見ると光ファイバーや電子回路向け銅製品などAI関連株の多い非鉄金属セクターが業種別下落率ワーストでした。
個別株では同セクターのけん引役だった古河電気工業が前週末比7.2%安、フジクラ(5803)9.2%安、三井金属(5706)3.0%安。
先週7.3%安だった半導体ウエハのSUMCOが属する金属製品、12.4%安だった半導体ガラス基板の日東紡(日東紡績:3110)が属するガラス・土石製品も下落率下位に入りました。
また日銀の利上げ見送りなどもあって銀行業が週間業種別下落率ワースト2位に。
前年同期比43%の経常増益を発表した三井住友フィナンシャルグループ(8316)が4.9%安になるなど利益確定売りに押されました。
一方、週間上昇率上位は原油価格の上昇が止まったことを好感して、ゴム製品や空運業がランクイン。
今週7日(金)に決算発表予定のブリヂストン(5108)が6.7%高、減益決算を発表したもののANAホールディングス(9202)が5.6%高でした。
自動車株や鉄鋼株など外需の割安株にも買いが集まり、サービス業、食料品、小売業など内需セクターも健闘しました。
個別株では市場予想を大幅に上回る好決算を発表した「バイオハザード」のカプコン(9697)が17.8%高、同じく好決算のコナミグループ(9766)が12.7%高となるなど、AI株売りの局面でゲーム株の上昇が目立ちました。
AI株の中では、通期の業績予想を大幅上方修正した半導体検査装置のアドバンテスト(6857)が12.3%高。
他の半導体製造装置メーカーが軒並み2ケタの下落率となる中で独歩高しました。
AI製品の需要拡大で通期業績予想を大幅上方修正し、年間配当を従来計画の600円から実に1,640円まで引き上げたトーメンデバイス(2737)が28.0%高するなど半導体商社株も値上がり。
今週もサプライズな好決算を発表するAI株の登場が、AIバブル崩壊に対する過度な悲観論を和らげるかもしれません。
セクター・業種(上昇・下落)
| 銘柄 | 騰落率 | 備考・要因 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| ゴム製品 | +6.08% | 自動車関連株上昇の流れに乗る | |||
| 空運業 | +5.59% | 原油価格の上昇一服を好感 | |||
| その他製品 | +4.88% | 任天堂(7974)、バンダイナムコHD(7832)などゲーム株がけん引 | |||
| 銀行業 | ▲5.16% | 日銀利上げ見送りで利益確定売り | |||
| 非鉄金属 | ▲5.65% | AIツルハシ株が続落 | |||
| 注:▲はマイナスを示す | |||||
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