先週の日経平均はもみ合いながら持ち直す展開
8月相場入りとなった先週の国内株市場ですが、週末7日(金)の日経平均株価終値は6万5,606円で、前週末の終値(6万4,362円)からは1,244円高となりました。
<図1>日経平均の5分足チャート(2026年8月3日~8月7日)
あらためて、先週の日経平均の値動きを5分足チャートで振り返ると、週を通じてもみ合いが続き、前半は売りに押されながらも、後半は持ち直す展開だったことが確認できます。前週と同様に、中東情勢への不安後退と企業決算を手掛かりとした買いが株価水準を押し上げた格好です。
また、日経平均に限らず、東証株価指数(TOPIX)や東証スタンダード指数、東証グロース250指数も持ち直す動きとなっています。
<図2>国内主要株価指数のパフォーマンス比較(2025年末を100)(2026年8月7日時点)
日経平均の物色動向から見える相場のムード改善
続いて、銘柄の物色動向からも先週の相場を振り返ってみます。
<図3>日経平均寄与度ランキングの状況【週間】
■日経平均の週間上昇幅:1,244円(7月31日と8月7日の終値比較)
出所:MARKETSPEEDIIデータおよび日経平均プロフィル公表の係数・除数を基に作成
図3は先週の日経平均の寄与度ランキングの状況ですが、先週の日経平均における寄与度の内訳を見ると、上昇したのが138銘柄で上昇寄与度の合計が1,894円、下落したのが86銘柄で下落寄与度の合計が650円でした(※1銘柄は前週末比で株価が変わらず)。
上昇した銘柄が多いことや、寄与度上位の顔ぶれを見ても、AI・半導体関連以外の銘柄がランクインしていることなど踏まえると、幅広い銘柄が物色されていた様子がうかがえ、相場の地合いは悪くない印象です。
なお、AI・半導体関連銘柄については、ソフトバンクグループ(9984)やフジクラ(5803)、イビデン(4062)が上昇に貢献する一方で、ファナック(6954)や東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、太陽誘電(6976)が下落寄与度にランクインしているなど、明暗が分かれていることや、為替市場での円高基調を受けて、トヨタ自動車(7203)などの輸出関連銘柄も下落寄与度の上位に位置している点は意識しておいた方が良いかもしれません。
日経平均が一段高するための条件は?
そんな中で迎える今週は、株価の戻り基調を続けられるかが焦点になります。
<図4>日経平均(日足)とMACDの動き(2026年8月7日時点)
図4は日経平均の日足チャートと下段にMACDを描いたものです。
先週の日経平均は75日移動平均線を回復し、MACDも上向きに転じてシグナルを上抜けできたものの、25日移動平均線が上値の抵抗となっていたことや、6月22日の高値(7万2,831円)から10%安の水準を超えることができておらず、日足チャートからは、「まだ株価の本格回復に向けてのスタートライン立ったところ」であることが読み取れます。
また、チャートを遡ると、似たような状況が4月上旬にもあったことが確認できます。当時は上昇基調を強める展開となりましたが、5日移動平均が75日と25日移動平均線を上抜けたあたりから上昇の勢いを強めていました。そのため、先週末7日(金)時点で、まだ75日と25日移動平均線よりも下に位置している5日移動平均線が上抜けできるかが焦点になります。
反対に、注意したいのが出来高を伴って株価が大きく下落する「ディストリビューションデー」の出現です。ディストリビューションデーについては8月7日公開のレポートでも紹介していますが、相場の底打ちから上昇に転じるサイン「フォロースルーデー(FTD)」における、いわゆる「ダマシ」を回避するためのサインです。
<図5>日経平均(日足)の動き(2026年8月7日時点)
実際に、図5を見ても、4月あたまにフォロースルーデーのサインが出現し、その後にディストリビューションデーが出現しなかったことで上昇基調を強めていきました。
今週は週末14日(金)が株価指数mini先物およびオプション取引のSQという需給イベントが控えているだけに、値動きが荒くなることも考えられ、出来高を伴って株価が2%以上下落する日の出現には注意する必要があります。
今週のイベント:日米金融政策の思惑と決算による個別物色がカギ
続いて、今週のスケジュールについてもチェックしていきます。
今週の国内株市場は、11日(火)が祝日で4営業日となるほか、お盆休みの時期に差し掛かるタイミングとなりますが、日米の金融政策の織り込みを意識した展開がメインシナリオになりそうです。
具体的には、週初の10日(月)に7月開催分の日本銀行金融政策決定会合の主な意見が公表されるほか、先日の日米の協調為替介入の影響もあって、9月開催の会合での利上げ実施が意識されています。
また、米国でも7月分の消費者物価指数(CPI)が12日(水)、生産者物価指数が翌13日(木)、小売売上高が14日(金)に公表され、これらの経済剤指標の動向をにらみながら金融政策への思惑が働きやすくなると考えられます。
先週末に公表された米7月雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想外のマイナスとなったほか、失業率や平均賃金もあまり伸びなかったことで、「労働市場の過熱感によるインフレ警戒が後退」と受け止められ、7日(金)の米国株市場の初期反応は上昇となりました。
今週公表の米経済指標の結果次第では、米国の早期利上げ観測がさらに後退し、米国株市場にとって追い風になりそうですが、日米の金利差が縮小するという見方によって、為替市場で円高が進む可能性もあり、日本株にとって追い風となれるかは微妙かもしれません。
このほか、日米ともに企業決算も多く、業績を手掛かりとした個別株の物色が相場を支えるかも注目されそうです。
これらを踏まえつつ、先ほども言及した通り、先週の株式市場の復調は、AI・半導体関連銘柄と中東情勢に対する不安後退による買いが中心となっており、これまでにも繰り返されてきた材料でもあります。
基本的には堅調な展開がメインシナリオになりますが、ある程度株価が戻り、高値更新が意識される水準に達すると、急に上値が重たくなることも考えられ、注意しておく必要がありそうです。
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