金相場は下落した。

FOMCでは市場の予想通りに政策金利が引き上げられたが、FRBの姿勢が市場の予想ほどハト派的ではなかったことを受けて、金は売られている。FRBは経済成長の継続と雇用の強さに言及しているが、インフレに対して懐疑的な見方を示している。また、保有資産の縮小を年内に開始すると発表している。

利上げは9月も実施される可能性が高いが、12月から資産縮小が開始される見通しであり、利上げが見送られることでドルの上値は重くなるだろう。また5月の米消費者物価指数が前月から低下し、小売売上高も前月から減少するなど、最近の米国の経済統計が弱いことも金利を抑制し、これがドル高を抑制することになるだろう。

この日の金相場の動きには意外感があったが、下値は限定的である。1,260ドルで目先の底値を付けた可能性があり、今後は反発に向かうものと思われる。

非鉄相場はまちまち。

FOMCの結果発表を控えて軟調に推移していた。中国の鉱工業生産などの指標がまちまちだったことも相場を圧迫した。しかし、低調な米国経済指標を受けて、ドルが下げたことから、これが下値を支える結果となった。アルミは下落したが、1,880ドルでサポートされており、基調は維持されているが、正念場ではある。銅は下落したが、5,600ドルは維持している。一方、ニッケルは反発し、8,890ドルまで上げている。9,015ドルを超えると基調は上向きに変わるため、重要な局面にあるといえる。亜鉛も反発し、鉛も上げている。この水準を維持できるかが、非鉄相場全般の次の方向性を見極めるうえできわめて重要であるといえる。

一方、中国の国家エネルギー局が発表した5月の電力消費量は前年比5.1%増の4,968億キロワット時だった。国際通貨基金(IMF)は17年の中国の経済成長率見通しを6.7%に上方修正した。4月には6.6%に引き上げていた。上方修正の理由に拡張的な信用供与と公共投資を中心とした政策支援を挙げている。18~20年の成長率は平均6.4%と予想。4月には18年の成長率は6.2%としていた。

IMFは成長見通しを引き上げた一方で、中国に対してより持続的な経済成長への移行に向けた改革の加速や緩和的な政策の縮小を呼び掛けている。特に、「金融セクターのリスクに対する最近の取り組みは非常に重要」として、「金融面での緊張や成長鈍化を伴ったとしても継続すべき」との考えを示している。さらに、「柔軟な為替レートへの取り組みを再開すべき」とする一方、人民元相場は「総じてファンダメンタルズと一致している」としている。

中国の第1四半期のGDP伸び率は6.9%で、中国政府が掲げる年間目標の6.5%を上回るペースとなっている。

原油は大幅反落。

7カ月ぶりの安値を付けた。米エネルギー情報局(EIA)が発表したガソリン在庫が市場予想に反して大きく増加したことや、今後1年間で供給が世界的に増加するとの見通しが嫌気された。米国のガソリン在庫は前週比210万バレル増加し、在庫水準は5年平均を10%上回った。需要は過去4週間で前年同期を1.2%下回ったが、過去5年平均を4.2%上回っている。原油在庫は前週比170万バレル減少したが、これは材料視されなかった。一方で、原油生産は日量933万バレルと、前週比1.2万バレル増加しており、リグ稼働数の拡大が反映される格好となっている。この時期にガソリン需要が低迷し、在庫が増加するのは異例である。しかし、ガソリン需要はこれから確実に増加するだろう。これを受けて、ガソリン在庫も減少に向かい、市場はこれを材料視せざるを得なくなろう。

WTI原油が45ドルを割り込む水準というのは、異常値といってよい。AIやアルゴリズム取引など、ファンダメンタルズのバリューを考慮していないと思われる市場参加者がトレンドを重視した価格を取引するという考え方が水準を押し下げているといえる。このような状況が、これからの夏場に続くとは考えにくい。

一方、国際エネルギー機関(IEA)は最新の石油市場月報で、18年は世界の石油需要の増加を上回る供給拡大が見込まれると予想した。OPECとロシアなどによる協調減産により、原油価格が上昇したことを受けて、米国のシェールオイル業者が増産するとみており、減産効果が損なわれる可能性があると指摘した。IEAによる18年の予想は初めて。月報は18年の世界の石油需要は日量143万バレルの増加が見込まれるとした。一方で、OPEC非加盟国の増産量は米国の増産に支えられ、世界の需要増を上回る147万バレルに達すると予想した。年初からの協調減産は順守されるとする一方で、米国の生産は想定を上回るペースで増加する可能性があるとし、産油国が減産を続けるかは慎重に見極める必要があるとしている。

一方、中国政府が発表した同国の5月の原油生産は前年比3.7%減の1,626万トン(日量383万バレル)となり、データの公表を開始した11年以降で最低水準となっている。