宇宙関連株ファンドの選び方~三つのポイント

多様なビジネス領域への広がり

 一口に宇宙関連といっても、ロケット製造など直接的な宇宙開発に携わる企業だけではありません。ドローンなどの大気圏ビジネスや、それらを支える基幹技術を提供する企業、衛星データを活用した通信・情報サービス・ソフトウエア企業など、その裾野は多岐にわたります。ご自身がどのビジネス領域の成長に期待しているかを確認することが第一歩です。

集中投資の傾向と銘柄数

 宇宙関連株式ファンドは総じて組入銘柄数が少なく、指数に連動した運用成績を目指すインデックスファンドでも10~50銘柄程度と極めて集中的な投資になります。むしろアクティブファンドのほうが銘柄が分散されており、多いものだと70銘柄程度に分散投資します。

 少数の銘柄に資金が集中するため、個別銘柄の当たり外れがファンドのパフォーマンスに直結しやすい点に留意が必要です。

業種と地域の特徴

 業種構成としては、産業機械や設備を製造する「資本財セクター」が多く、景気の影響を受けやすい特徴があります。次いで「情報技術セクター」が多く組み入れられています。国別では米国企業が中心ですが、欧州株を積極的に組み入れているファンドもあるため、米国とそれ以外の地域の構成比をチェックすることが大切です。

知っておきたいリスク~金利上昇局面では下落しやすい

 高い成長が期待される分野であるため、運用スタイルは成長株(グロース株)運用となります。高いバリュエーションが付与されている銘柄が多いため、金利上昇局面では株価が下落しやすい点に注意が必要です。

 また、景気の影響を受けやすい資本財セクターの比率が高く、銘柄数も絞り込まれていることから、一般的なインデックスファンドと比べて値動きが大きくなる傾向があります。

 大型株だけでなく流動性の低い中小型株も含まれるため、良くも悪くも個別銘柄の株価変動がダイレクトに影響し、同じ宇宙関連をテーマとするファンド間でも成績の差が激しくなります。さらに、情報技術セクターの銘柄は一般的なハイテク関連ファンドにも含まれることが多いため、すでにお持ちのファンドと投資銘柄が重複していないか確認しておくことをおすすめします。

代表的な宇宙関連株ファンド7選

 楽天証券で取り扱っている代表的な七つの宇宙関連株式ファンドをピックアップし、それぞれの特徴や直近の運用実績、注目銘柄について解説します。

※以下、各ファンドの運用実績は2026年4月末時点の騰落率。各組入銘柄の騰落率は現地通貨ベースでの株価変動率になります。また、各組入銘柄は2026年4月末時点の銘柄であり、直近1年にわたり保有し続けている銘柄とは限りません。

東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)

 実質的な運用をヴォヤ・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシーが担うアクティブファンドです。直近3カ月で+6.77%、直近1年で+72.61%という優れた運用実績を残しています。

 組入銘柄数は70銘柄と宇宙関連株ファンドの中では比較的広く分散されており、国別では米国が78.6%、日本が5.5%、フランスが3.8%となっています。業種は資本財・サービスが41.7%、情報技術が36.8%です。

 直近1年で驚異的な上昇を見せた上位銘柄には、光通信と産業用レーザー製品を手掛けデータ伝送技術への期待が高まったルメンタム・ホールディングスの1,428.32%、衛星画像と地理空間ソリューションを提供する商業・専門サービス業種のプラネット・ラブズが1,023.71%、電子機器製造サービスを提供するセレスティカの379.89%があります。

 銘柄数が多めでありながらも、情報技術セクターの中小型株を積極的に発掘して組み入れており、個別銘柄の爆発力がファンド全体のリターンをけん引している点が大きな魅力です。

グローバル・スペース株式ファンド(1年決算型)

 イノベーション分野の調査に強みを持つアーク・インベストメント・マネジメント・エルエルシー(アーク社)からの実質的な運用助言を活用するアクティブファンドです。運用実績は直近3カ月で0.33%、直近1年で87.91%のプラスとなっており、高いリターンを記録しています。

 組入銘柄数は33銘柄で、米国が85.9%、次いで日本が3.2%となっています。業種別では資本財が49.3%、半導体・半導体製造装置が17.0%、ソフトウエア・サービスが8.1%と続いています。

 1年間の上昇率が高い上位銘柄としては、半導体の自動テスト装置を展開するTERADYNE INCが364.53%、宇宙システムソリューションのROCKET LAB CORPが278.66%、半導体メーカーのADVANCED MICRO DEVICESが264.14%の上昇を記録しました。

 破壊的イノベーションにフォーカスし、大気圏ビジネスや基幹技術など、宇宙にとどまらない幅広い次世代インフラ企業に投資している点が最大の特徴です。

ニッセイ宇宙関連グローバル株式ファンド(資産成長型・為替ヘッジなし)

 TCWインベストメント・マネジメント・カンパニーの実質的な運用助言を活用するアクティブファンドです。運用実績は直近3カ月で1.42%、直近1年で28.36%の上昇となっています。

 組入銘柄数は32銘柄で、地域別では米国が83.8%、次いでフランスが11.0%となっています。業種構成は資本財・サービス(39.0%)と情報技術(37.0%)の二本柱でバランスを取っています。

 直近1年で大きく上昇した上位銘柄としては、データセンター向けなどに強みを持つテクノロジーインフラ企業のブロードコムが118.64%、宇宙船にも採用されるコネクターなどを製造するアンフェノールが92.74%、子会社を通じて低軌道衛星群を展開し、世界中にブロードバンド通信の提供を目指すアマゾン・ドット・コムが43.73%の上昇を見せました。

 他のファンドと比較すると、情報技術セクターの比率が高めで他業種への分散を図られています。ブロードコムやアマゾンのような大型ハイテク株を上位に据えて安定感が期待できる点がユニークです。

SMT MIRAIndex 宇宙

 FactSet Global Space Economy Index(税引後配当込み、円換算ベース)への連動を目指すインデックスファンドです。運用実績は直近3カ月でマイナス2.11%とやや軟調ですが、直近1年では45.43%のプラスを維持しています。

 組入銘柄数は49銘柄で、地域配分は米国が69.96%と低めに抑えられており、英国8.27%、イスラエル6.37%、韓国5.02%などグローバルに分散投資されているのが特徴です。一方で、業種構成は資本財が83.03%と偏っています。

 直近1年で上昇率が高かった上位銘柄は、イスラエルの総合的な防衛システム会社であるELBIT SYSTEMS LTDが112.27%、精密部品設計のCURTISS-WRIGHT CORPが109.18%、民間の原子力発電産業向けに精密加工部品とサービスを提供するBWX TECHNOLOGIES INCが99.59%の上昇となりました。

 このファンドは単純な時価総額平均ではなく、総資産に占める売上総利益の割合が高い企業を抽出する「スマートベータ指数」を採用している点が他と一線を画しています。

eMAXIS Neo 宇宙開発

 S&P Kensho Space Index(配当込み、円換算ベース)への連動を目指すインデックスファンドです。運用実績は直近3カ月で8.09%、直近1年で129.99%のプラスとなっており、非常に高いリターンを記録しています。

 構成銘柄数は33銘柄で、地域別では米国が96.1%と極めて高い比率を占めています。業種別では資本財が60.5%と過半数を占めるのが特徴です。

 組入上位10銘柄の中で直近1年の上昇率が高い銘柄として、衛星画像と地理空間ソリューションを提供する商業・専門サービス業種のPLANET LABS PBCが1,023.71%、テクノロジー・ハードウエア・機器業種のTTM TECHNOLOGIESが690.31%、商業・専門サービス業種のBLACKSKY TECHNOLOGY INCが324.4%の上昇を記録しました。

 他のファンドと異なる最大の点は、AIが膨大な文献を自動処理してテーマに沿う銘柄を自動選定する革新的なインデックスを採用している点にあります。

※現在、買付および新規の積立設定のお申込みを停止しております。

欧州防衛・航空宇宙株式インデックスファンド

 MSCI Europe Aerospace and Defense Ex Controversial Weapons Capped Index(配当込み、円換算ベース)への連動を目指すインデックスファンドです。設定から間もないため直近1年の実績はありませんが、設定来リターンは0.7%、直近3カ月ではマイナス8.3%と調整局面にあります。

 組入銘柄数は13銘柄と非常に少なく、国別配分は英国が34.3%、フランスが33.1%、ドイツが17.0%と欧州に特化しています。業種は資本財が96.9%を占めています。直近1年で上昇した上位銘柄は、ROLLS-ROYCE HOLDINGS PLCが56.73%、SAAB AB-Bが25.48%、AIRBUS SEが21.05%の上昇となりました。

 他の多くの宇宙ファンドが米国企業を中心としているのに対し、当ファンドは欧州市場の防衛・航空宇宙関連企業に限定してインデックス投資を行うという明確な差異を持っています。

たわらノーロード フォーカス 防衛・航空宇宙

 アセットマネジメントOneが運用を行うアクティブファンドです。2025年11月の設定からまだ1年が経過していませんが、設定来リターンは3.9%、直近3カ月ではマイナス5.7%と調整局面の中で実力は未知数です。

 組入銘柄数はわずか16銘柄と非常に絞り込まれており、地域配分は米国が45.0%、英国が25.8%、ドイツが9.7%と地域分散が図られています。業種は資本財(航空宇宙・防衛)セクターが96.5%と特化しています。

 直近1年の上昇率が高かった組み入れ銘柄として、ROCKET LAB CORPが278.66%、CURTISS-WRIGHT CORPが109.18%、HOWMET AEROSPACE INCが75.81%と大きく上昇した銘柄が組み入れられています。他のファンドと異なり、防衛関連と航空宇宙に特化して相対的に株価が上昇トレンドにある少数の銘柄に集中投資を行っている点がユニークです。

 宇宙関連株式ファンドは、人類の新たなフロンティアという長期的な成長ロマンに満ちています。選ぶファンドによって、「インデックスかアクティブか」「大型ハイテク株で安定を狙うか、中小型株の発掘で爆発力を狙うか」「米国集中か、グローバル分散か」といった戦略の違いが明確に表れます。

 ご自身の投資スタンスに合わせ、サテライト(攻め)運用の一つとして、夢のある次世代のメガトレンドに注目してみてはいかがでしょうか。