昨日(2015年10月7日)の動向

昨日の金融政策決定会合で、日銀は金融政策の現状維持を決定しました。発表前から神経質な動きとなった米ドル/円は、一時119.70円台まで売られましたが、ほどなく120円台を回復、黒田総裁の会見を待つことになりました。黒田総裁は、「物価が2%程度に達するのは2016年度前半頃」、「量的質的金融緩和は効果を発揮している」などと、従来からの見解を繰り返すにとどまり、次回10月末日銀会合における追加緩和の確信を得るには至りませんでした。海外時間も120円を挟んだ動きが続き、終値は前日比マイナス0.204円の119.994円でした。

ユーロ/円は下落。欧州時間にM&Aの案件に絡んだユーロ売り/ポンド買いのフローが出るとの憶測で、一時134.616円まで値を下げました。一方ポンド/円は、8月英鉱工業生産が予想を上回ったことも支援材料となって9月25日以来の高値となる184.05円まで上昇しました。

豪ドル/円は上昇。米利上げ時期の後退観測で商品価格相場は下げ止まり傾向にあり、これが資源通貨の買い材料になりました。豪ドル/円は終値ベースで6日連続のプラスで、前日比プラス0.356円の86.473円で引けています。

2015年10月7日のBID値 始値 高値 安値 終値
米ドル/円 120.197 120.357 119.717 119.994
ユーロ/円 135.503 135.626 134.616 134.830
豪ドル/円 86.106 86.883 85.874 86.473

米ドル/円 1時間チャート

米ドル/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

本日(2015年10月8日)の展望

【米ドル/円】

本日深夜(東京時間9日午前3時)にFOMC議事録が公表されます。議事録では、FOMCがなぜ9月利上げを見送ったか、その詳細な理由が示されることと思います。その理由が現在解消しているのか、あるいは深刻になっているかで利上げ時期に対する見方も分かれることになるでしょう。
雇用統計が予想を大きく下回ったことで、年内利上げを疑問視する声も出始めています。FOMCの利上げに対する強い姿勢を議事録で確認して、安心したいとの気持ちが市場には強いのではないでしょうか。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
米ドル/円 121.35 122.00 119.70 118.50

米ドル/円 5分足チャート

米ドル/円 5分足チャート

【ユーロ/円】

本日はECB理事会議事要旨が発表されます。ECBの経済見通しは、3月に量的緩和を開始した時よりも下方修正されました。ECBの政策効果が十分に上がっていないことになります。このため、ECBが近い将来の追加緩和を検討しているのかどうかが議事録のポイントになりそうです。ただし、タカ派で知られるクノット・オランダ中銀総裁は、理事会で追加緩和について討議はしていないと発言しています。

また本日はBOEが政策金利を発表しますが、現行の0.50%に据え置きとみられます。市場はBOEの利上げを来年第1四半期と予想していますが、対外情勢の悪化が時期を後退させる可能性も十分にあります。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
ユーロ/円 135.70 136.15 134.40 133.40

ユーロ/円 5分足チャート

ユーロ/円 5分足チャート

【豪ドル/円】

上値のターゲットは9月17日高値圏の87.55円近辺、一方、下値のターゲットは10月6日安値圏の85.00円近辺になると考えます。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
豪ドル/円 87.00 87.55 85.00 83.25

豪ドル/円 5分足チャート

豪ドル/円 5分足チャート

  • 上記各5分足チャートは、当日 2015年10月8日 現在のものです。
  • コメント欄の語句について R=上値抵抗線 S=下値支持線

本日(2015年10月8日)の主な指標

注目度 発表時間 指標 予想 前回
★★★ 20:00 (英)BOE政策金利発表 0.5% 0.5%
★★★ 20:00 (英)MPC議事要旨
★★★ 20:30 (欧)ECB理事会議事要旨
★★ 21:30 (米)前週分新規失業保険申請件数 27.5万件 27.7万件
★★★ 3:00 (米)FOMC議事要旨
  • 発表時間はいずれも東京時間
  • 注目度は★低~★★★高で示します