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著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「Jリート」と「不動産株」 どう違う?投資するならどっちが良い?【クイズでわかる!資産形成】

今日のクイズ

 国内の不動産投資信託(J-REIT)とは、投資家から投資資金を集めてオフィスビルやマンション、物流施設、商業施設、ホテルなどの不動産に投資する「投資法人」です。東京証券取引所に上場しており、株と同じように東証の取引時間中に売買できます。

 東京証券取引所には、J-REITとは別に、三井不動産(8801)三菱地所(8802)住友不動産(8830)などの不動産株が上場しています。

 どちらも不動産事業を営む投資主体ですが、いくつか重要な相違点があります。

 それでは、J-REITと上場不動産企業の違いについてクイズを3問出します。

【第1問】以下【A】【B】は、J-REITと上場不動産会社のビジネスを説明するものです。J-REITの説明は、どちらでしょう?

【A】賃貸不動産への投資だけ行う。不動産開発は行わない。
【B】不動産開発、賃貸不動産への投資など、不動産関連のビジネスを総合的に行う。

【第2問】以下【C】【D】の図は、J-REIT投資法人の仕組みと、一般の上場企業の仕組みを表しています。

 J-REITの仕組みを表しているのは、以下の【C】と【D】の、どちらでしょう?

J-REIT投資法人の仕組みと、一般の上場企業の仕組みを表した図
出所:筆者作成

【第3問】2025年10月末時点で、平均配当利回り(時価加重平均)が4.6%と高いのは、J-REIT、東証上場不動産株のどちらでしょうか?

不動産への小口投資を可能にしたREIT(リート)

 不動産投資信託(REIT)とは、不動産への小口投資を可能にした「上場投資信託」です。

 個人投資家が不動産に投資する場合、ワンルームマンションからアパート1棟までさまざまな投資対象がありますが、購入するためには多額の資金が必要です。

 一方、J-REITを活用すれば、個人投資家は都心一等地のオフィスビルを含めたさまざまな不動産に小口資金で投資できます。

<参考>J-REITを通じて大型物件に投資

J-REITを通じて大型物件に投資
注・筆者作成

 東京証券取引所に上場されているREITを、J-REITと呼びます。REITは日本だけでなく、海外にもあります。

正解

【第1問】【A】

【A】J-REIT投資法人=賃貸不動産への投資だけ行う。不動産開発は行わない。
【B】上場不動産会社=不動産開発や賃貸不動産への投資など、不動産に関連するビジネスを総合的に行う。

 上場不動産会社は、開発投資を行いますが、J-REIT投資法人は行いません。そのため、上場不動産会社の方が業績の波が大きくなります。

 大規模開発だと着工してから完工まで5年かかることもあります。開発中に不動産市況が上向けば、開発が完成した時に、莫大(ばくだい)な利益がもたらされます。ところが、開発中に不動産市況が悪化すると、開発が完成した時に、減損が必要になることもあります。

【第2問】【D】

【D】はJ-REIT「投資法人」から分配金が支払われる仕組みを示しています。【C】は、一般の上場企業「株式会社」から配当金が支払われる仕組みを説明しています。

J-REIT「投資法人」から分配金が支払われる仕組みと一般の上場企業「株式会社」から配当金が支払われる仕組みを説明した図
出所:筆者作成

【第3問】 J-REIT

 J-REITは東証上場不動産株よりも配当利回りが高くなる仕組みです。

 J-REITの平均分配金利回り(加重平均)は、10月末時点で4.6%です。一方、東証プライム市場に上場する企業の平均配当利回り(加重平均)は2.2%です。J-REITの方が、利回りがかなり高くなっています。

 J-REITは、株の一種ですが、債券的な価値の高い株といわれます。開発投資をしないので成長性が限定的な代わりに分配金利回りが高くなっています。

 一般の上場企業(株式会社)の場合、利益からまず法人税(近年は連結税前利益の約30%程度)が差し引かれます。そこから内部留保等(近年は連結税引後利益の約70%程度)が差し引かれて、残った分が配当金として株主に支払われます。

 一方、J-REIT投資法人では、原則として利益の90%超の法人税が課されずに投資主(投資法人の投資家)に支払われます。内部留保もほとんど無いため、利益の大半を投資主が受け取ることができます。

 ただし、分配金を受け取った個人投資家は、分配金に対して所得税(源泉徴収が多い)を支払う必要があります。これは上場株式からの配当金に所得税がかかるのと同様です。

J-REITと不動産株、どちらに投資したら良いか?

 建設資材価格や人件費の上昇によって、不動産価格に上昇圧力がかかり始めています。特に、三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の不動産価格は、年率4~5%のピッチで急上昇しています。

 J-REITの成長性は限られているものの、業績好調で分配金利回りが高いことから、安定的に高収益が期待できる投資対象として魅力的です。

 三井不動産、三菱地所、住友不動産などの上場不動産株も、賃貸不動産の含み益を勘案して実質株価純資産倍率(PBR)で割安であり、投資していく価値があるといえるでしょう。

 ただし、日経平均株価には過熱シグナルが出始めており、今は不動産株よりもディフェンシブなJ-REITの方が魅力的だと考えられます。

<J-REIT代表銘柄(投資の参考銘柄):分配金利回りは11月4日時点予想>

J-REIT代表銘柄(投資の参考銘柄):分配金利回りは11月4日時点予想
出所:分配金利回りは11月4日時点の1口当たり分配金(会社予想)を同日のリート価格で割り、年率換算して計算

 上記に挙げたように、J-REITにはさまざまな種類があります。

【1】オフィス・リート(主にオフィスビルに投資)
【2】レジデンシャル・リート(主に住宅・マンションに投資)
【3】物流リート(主に物流施設に投資)
【4】リテール・リート(主に商業施設に投資)
【5】ホテル・リート(主にホテル・リゾート施設に投資)

 J-REIT投資に興味があっても、「銘柄の選び方が分からない」という方には、投資信託の「東証リート指数インデックスファンド」に投資するのも良い選択肢となるでしょう。これは小口資金で、多様なJ-REITに分散投資ができる商品です。