図:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス
雇用統計のさらなる良化も材料出尽くし感で戻し(2017年3月13日(月)掲載分より)
大きくゴールドが売られ、ドルが買われた一週間でしたが、その最後に注目の雇用統計の発表でした。金曜日夜に発表されたNon-farm payroll(非農業部門雇用者数)は23万5,000人の増加。週中のADPの数字が19万0,000人増から29万8,000人増という大幅な上ぶれだったことから、こちらの予想も19万人増から23万人に上方修正されましたが、それよりもさらによい数字でした。これで、二ヶ月連続で市場予想を上回るよい数字が出たことになり、3月の利上げはほぼ確実になりました。これで注目点は3月の利上げの有無ではなく、今後はその幅と頻度ということになりそうです。
トランプ大統領の当選から、経済の数字がよくなったことは否定のしようがなく、マーケット参加者は少なくとも米経済に対してbullishになっているということがいえます。
ドルおよびゴールドはこの雇用統計のよい数字を受けて、逆にドル売り、ゴールド買いとなり、週の終わりは少し戻して終わりました。プチ材料出尽くしと、やはり1,200ドルというサポートが意識されていると思います。今週は1,200ドルを底値として安定するのか、それとも1,200ドルを本格的に割り込むような動きになるのか注目です。
CFTC Commitment of Traders Report as of 07 Mar 2017(2017年3月13日(月)掲載分より)
右軸:投資家ポジション(トン)
左軸:ドル建てゴールド価格
573トンから472トン、投資家ロングは100トンの大幅減少。
Gold 1,200ドル割れ(2017年3月10日(金)掲載分より)
昨日は全体的に狭いレンジでしたが、ドル高、メタル安の流れは変わらず。ゴールドは1,200ドルをという心理的な抵抗線でサポートされていますが、ぎりぎりのところにきています。と買いていたら(現在6:26)目の前で1,200ドルブレイク。Globexの終わりまではまだ1時間あります。結果的に1,200ドル割れは10分もなく、僕がスイムに行く前には1,201ドルに戻しました。マーケット薄いですが、とりあえず大きなストップは1,200にはなかったようです。
(これを送る時点でまた1,200ドル割り込みました。)
原油がこの二日間で4ドル以上の急落、そもそも史上最大のロングがかさんでいたという内部要因があり、米国のシェール増産も加わってロングの整理が出たようです。これだけの急落、さすがに最近あまり相関に見られない貴金属も影響を受けるところです。
そして今日は米雇用統計。先日のADP雇用統計が驚きのよい数字でしたが、本ちゃんの雇用統計も予想を19万人から3万人引き上げ22万人のNon-farm payroll(非農業部門雇用者数)増加。もしこれ以上の数字が出るようであれば、さらなる下押しは必至でしょうね。そして来週はFOMC。そこで金利が上がって材料出尽くしで底値、っていう予想をしてしまいますが。はてさて。
シルバーの下げがゴールドよりもきついですね。まあ上げるときもそうですが、やはり動く率は大きいです。金銀比価も一週間前は67.5:1だったのものが、現在70.8にまで拡大しています。ゴールドよりもシルバーの下げがきついことがここに現れています。
ADP雇用統計予想を大きく上回りさらなるAu売り(2017年3月9日(木)掲載分より)
相変わらず同じパターンで、アジアは静か欧米、特にニューヨークでドルが強含み、ゴールドが売られるという日々が続いています。昨日は民間の米ADP雇用統計の2月の数字が29万8,000人増とマーケット予想の19万人を10万人も上回ったことで、ゴールドは昨日の安値である1,207ドルを割り込んだレベルまで下げ、ドルインデックスは102を超えました。WTI原油も大きく下げ、ゴールドにとっては弱材料がずらりと並びました。ほぼ一週間で高値の1,264ドルから1,206ドルまで60ドル近く下がったことになります。明日の雇用統計で1,200ドルトライがありえるかもしれませんね。僕は1,200ドル割り込むことはないだろうと思ってましたが、ここまでくるとまだ下押しがあってもおかしくないですね。1,200ドル割れた場面は拾いどころとみている投資家は多いと思います。
ゴールド、シルバー、プラチナのチャートの形がほぼ同じ(今週は下げ一方向)なのに対してパラジウムだけは全く違う狭いレンジでの動きです。おそらく今貴金属の中で唯一実需理由でしっかりしているのはパラジウム。そしてちょっと四品には含まれませんが、ロジウム。この二つのPGMは自動車触媒需要に支えられています。ロジウムは昨年7月に625ドルという最安値をつけて以来ほぼ一本調子にあがっており、上場商品の中で年初からの最大の上げ幅の商品はパラジウムの13%なのですが、ロジウムはなんと19%も上がっています。
Bitcoin今度は急落、またゴールドと逆転(2017年3月9日(木)掲載分より)
先日史上初めてBitcoinがゴールドを価格で追い越したと書いたのですが、一週間もしないうちまたゴールドを下回りました。先週金曜日には1,292ドルまで上昇していたのですが、現在1,150ドルまで下げています。なんたるボラティリティ!山っ気ある投資家にはおそらく今はBitcoinが一番面白いのではないでしょうか?
ゴールド続落(2017年3月8日(水)掲載分より)
ゴールド続落。一昨日とまるで同じような値動きとなりました。アジアでは相変わらずほとんど動きなし。そして欧米で大きく下げました。昨日書いたとおり、特に材料はないものの、まさに下げが余計にロングのliquidationを呼んでるといった感じのマーケットです。ちょっと弱そうですね。やはりドルが強いのがゴールドをとりあえず売る材料になっているようです。ドルインデックスはふたたび102を目指す勢いで上昇しています。金曜日雇用統計までずるずるといきそうですが、下値の目処は1,200ドルでしょうか。
CME&Thomson Reuters、LBMA Silver Priceから撤退(2017年3月8日(水)掲載分より)
もう先週のニュースになってしまいましたが、London Fixingのシステム化で、シルバーはCMEとReutersのシステムによって2014年から値決めがなされるようになっていましたが、今回この2社が値決めから撤退を表明。あらたなsystem provider が見つかるまでのオペレーションとなるようです。
撤退する理由は語られていませんが、こういったBenchmarkに対する規制が欧州でより厳しくなること、そのためコストと労力がこれまで以上に増える上に、これまでもこれからも法的な訴訟リスクとreputation riskが常に存在し、実際に得られる利益はそれを決してカバーできるようなものではないことが、その理由だと思われます。
Financial Benchmark settingにかかわることを銀行は以上の理由からみんなやりたがらないでしょう。しかしBenchmarkはビジネスにとって必要不可欠なものなのです。
規制がそれを殺してしまうという状況。古い友人でもあるSharpsPixleyのRoss Normanは以下のように言っています。まさにそのとおりの状況です。行き過ぎた規制が、ビジネスを殺す、心配です。
. “This is where regulation and compliance collides heavily with market practice?put another way: ‘the operation was a complete success, unfortunately, the patient died’.”
静かな中ゴールド続落(2017年3月7日(火)掲載分より)
アジアは相変わらずの静かなマーケットで目立った動きはなし。ニューヨークも目立ったニュースのようなものはありませんでしたが、ゴールドはじわじわと売られ、約10ドルさげました。今週金曜日の雇用統計までは静かだと思いますが、下げることによってテクニカルの売りが出てきて下値を試すということはありそうですね。ちょっと要注意。ずっと増え続けていたGold ETFも先週からちょっと風向きが変わり、減少へと転じています。
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