短期的な急騰後は大きく反落することが多い

 株式投資を長年行っていると、保有していて安心な銘柄は、あまり急速ではなく、じわじわと株価が上昇していく状況です。株価の上昇があまり急速でない方が、上昇の期間も長く継続するように思います。

 ただ、これは私たちにはコントロールできないことであり、時に株価が短期間に急騰することもあります。

 株価が急騰した後は、その反動で大きく反落することも多く、あまり急騰してほしくないというのが正直なところです。

 とはいえ、急騰した場合にどのような対応をしたらよいのか、あらかじめ考えておいた方がよいでしょう。

急騰による過熱感を知ることができる指標とは?

 株価が短期的に急騰したことによる過熱感の高低を知るにはどうしたらよいでしょうか。そのための一つの指標として「移動平均線からの乖離率」があります。

 筆者が普段使用しているのは*25日移動平均線ですが、株価が上昇トレンドのときは25日移動平均線を株価が上回って推移します。

▼25日移動平均線とは

 25日移動平均線とは、過去25日間の終値の平均値をグラフ化したもののことです。中期のトレンド指標としてよく用いられ、右肩上がりなら「上昇トレンド」、右肩下がりなら「下降トレンド」と捉えられます。また、株価が25日移動平均線より上にある場合は、その25日の間に購入した投資家は利益を出せていると考えられます。

 代表的な移動平均線には、5日、25日、75日、200日などがあり、現在の株価やそれぞれの移動平均線を合わせて見ることで、その銘柄のトレンドを読むのに役立ちます。

 上昇スピードがなだらかであれば、株価と25日移動平均線とはそれほど離れずに上昇を続けます。おおむね10%以内、ちょっと一時的に上昇スピードが上がっても、20%以内というイメージです。

 これが、株価が短期間に急騰すると、30%、50%、時には100%といったように株価の移動平均線からの乖離率が拡大していきます。この乖離率が拡大すればするほど、株価急騰により短期的な過熱感が高まっていることが分かります。

短期的な急騰をした銘柄を買っても大丈夫?

 では、株価が短期的な急騰をした場合、その銘柄を買っても大丈夫でしょうか? 一般的に、株価が短期的に急騰したときは、その反動で株価が大きく下がることが多いです。これを無視して飛びついて買うと、いわゆる「高値づかみ」となってしまいます。

 このときに注目したいのが移動平均線からの乖離率なのです。筆者であれば、25日移動平均線からのプラス乖離が10%を超えたら、手を出さないようにしています。

 もしくはどうしても欲しい株の場合は、損切りの場合の損失が大きくなることを覚悟の上、買うこともあります。

 なお、決算発表での好決算だったり、業績予想の上方修正などの理由で株価が急騰することもよくあります。この場合、急騰した後もさらに株価が上昇することも少なくありません。

 株価反落により損失が大きくなるリスクを踏まえた上、業績の伸びに伴う株価上昇がまだ見込めると判断するのであれば買い向かうというのも一法です。

保有株が短期的な急騰をした場合はどうすべきか?

 もし保有している銘柄が短期的な急騰をした場合は、どうすべきでしょうか?

 長期保有を貫くのであれば、株価が急騰したとしてもそのまま保有するという選択になるでしょう。ただ、長期保有した結果、それが報われず株価が大きく下落してしまう可能性もあります。

 それを避けつつ、ある程度の利益確定をするというのが一つの方策となります。その際に移動平均線が活用できます。

 大型株か小型株かによっても異なりますが、筆者であれば25日移動平均線からのプラス乖離率が30%を超えたら一部利食い(値上がりした株式などを売却して利益を確定させること)の検討を行い、50%を超えたら実際に利食いを行うことが多いです。

 利食いのタイミングとしては、単純に株価が25日移動平均線から50%超のプラス乖離となったら、株価のトレンドに関係なく上昇途中で利食いするか、もしくは5日移動平均線割れとなったら利食いする、というようにしています。

 この両方を併用すると良い理由は次の通りです。

  • 株価が勢いのあるうちは保有していた方が良いので5日移動平均線割れまでは粘る
  • 勢いのある株価が突然急落してしまうこともあるので株価の上昇途中で一部は売るべき

 売却のルールは、これが唯一の正解というものはなく、ルールを決めてもうまくいくケースとそうでないケースがどうしても生じてしまいます。

 短期間で株価が急騰した場合も、今回のコラムでご紹介したのは一例ですので、ご自身で納得できる、しっくりくるルールを見つけ、それを採用するようにしてください。