今日のクイズ
以下、予想配当利回りの高い6社で、トランプ関税の影響が相対的に小さいのはどれでしょう? 3社、選んでください。
なお、トランプ関税の影響がまったくない企業はありません。あくまでも相対比較です。相対的に影響が小さい3社を選んでください。
読者の皆さまがご存じない銘柄もあるかもしれません。事業内容についても簡単に説明をつけています。
<予想配当利回りの高い6社の株価指標:2025年7月8日時点>
| No | コード | 銘柄名 | 株価:円 7月8日 |
配当 利回り |
PER:倍 | PBR:倍 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 【1】 | 3281 | GLP投資法人 | 129,600 | 5.5% | 19.7 | 1.4 |
| 【2】 | 5108 | ブリヂストン | 5,982 | 3.8% | 15.5 | 1.1 |
| 【3】 | 6301 | コマツ(小松製作所) | 4,774 | 4.0% | 14.3 | 1.4 |
| 【4】 | 7267 | ホンダ(本田技研工業) | 1,433 | 4.9% | 22.8 | 0.5 |
| 【5】 | 8511 | 日本証券金融 | 1,726 | 4.6% | 15.1 | 1.1 |
| 【6】 | 8864 | 空港施設 | 819 | 4.5% | 13.5 | 0.7 |
| 出所:QUICKより筆者作成。配当利回りは今期1株当たり利益(会社予想)を7月8日株価で割って算出、GLP投資法人(国内の不動産投資信託:J-REIT)は半期の1株当たり分配金(会社予想)を株価で割って年率換算。今期とは、ブリヂストンは2025年12月期(通期)、GLP投資法人は2025年8月期(半期)、他は2026年3月期(通期)。1株当たり配当金(会社予想)は、GLP3,583円、ブリヂストン230円、コマツ190円、ホンダ70円、日証金80円、空港施設37円 | ||||||
<上記6社の会社概要>
ご参考まで、今年に入ってからの上記6社の株価推移を比較した以下チャートもご覧ください。
<上記6社2025年の株価推移:2024年末を100として指数化、2025年7月8日まで>
今日のクイズに、絶対の正解はありません。トランプ関税によって起こることを正確に予測することはできないからです。
「トランプ関税によって起こること」をどう予測するかによって、正解は変わります。この後、正解が示されますが、それはあくまでも、私がアナリストとして予測することに基づいて導かれる答えです。
私の考える正解と、皆さまが考える正解が異なっても問題ありません。皆さまそれぞれの考えに基づいて正解を選んでください。
正解
私は、内需企業はトランプ関税の影響が相対的に小さく、外需企業(輸出企業)は影響が大きいという、教科書的な解釈によって、正解を決めました。
その考え方に基づくと、【1】GLP投資法人、【5】日本証券金融、【6】空港施設が、正解(トランプ関税の影響が小さい企業)となります。トランプ関税の影響が気になる中、高配当利回り株として投資していくならば、まず3社を選ぶべきと考えます。
米国での売上高が大きい【2】ブリヂストン、【3】コマツ(小松製作所)、【4】ホンダ(本田技研工業)は、トランプ関税によるダメージが大きくなる可能性があります。
ただし、違った見方もあります。もう一度、2025年の株価比較チャートをご覧ください。トランプ関税の逆風が吹く中、年初来、株価が上昇しているのは、上昇率が高い順に、空港施設→ブリヂストン→コマツ→GLPの4社です。市場の反応だけ見ると、この4社が相対的に優位と見られていることになります。
2025年の年初来パフォーマンスがダントツなのは、空港施設です。外国人観光客の増加で空港ビジネスが拡大して、業績好調が続くとの見方が背景となっています。
以下、市場の反応も考慮しつつ、正解とは異なる解釈についてコメントします。
【2】ブリヂストンは米国生産比率が高くダメージは小さいとの見方も
ブリヂストンは、現地生産・現地販売を原則としてグローバル展開してきました。米国での現地生産比率は推定8割以上で、トランプ関税の影響は大きくない可能性があります。2~3年かけて米国生産をさらに拡大すれば米国生産比率100%を実現できるかもしれません。
米国では、中国製の輸入タイヤが価格破壊を起こしてきました。中国製タイヤがトランプ関税によって抑制されると、ブリヂストンにとってメリットとなる可能性もあります。
ただし、そのように楽観ばかりはできません。トランプ関税によって、米景気が悪化し、米国自動車販売が落ち込むと、ブリヂストンの米国売上がダメージを受ける可能性もあります。
【3】コマツもグローバル競争力は高い
コマツは明らかにトランプ関税でマイナス影響を受けます。ただし、建設機械・鉱山機械などで、米国のキャタピラーと並んで高い競争力を有するので、関税コストのかなりの部分を値上げで回収できると、解釈されている可能性もあります。
コマツは2026年3月期の営業利益が前期比27%減の4,780億円と予想していますが、市場予想(QUICKコンセンサス予想)では、同14%減の5,623億円となっています。
【4】ホンダは米国生産比率が高いが関税ダメージ大きい
ホンダも米国生産比率が推定7割以上と高く、ダメージが相対的に小さくなる可能性があります。ただし、日本から調達している部品などあり、またカナダやメキシコで生産して米国に持ち込んでいる自動車もあることから、短期的にはトランプ関税のダメージが大きくなります。
ホンダは、トランプ関税によって、2026年3月期に営業利益で6,500億円のマイナス影響があると試算しています。
ホンダは数年かけて米国生産比率を9割まで高めていく計画があり、長い目で見てトランプ関税のダメージを小さくしていくポテンシャルがあります。それでも短期的なマイナス影響は大きくなる見通しです。
以上の考察に基づき、私は、ブリヂストン・コマツ・ホンダも、長期投資で買っていって良いと考えています。ただし、トランプ関税ショックが続く間、下値リスクがついて回るので、1株単位で売買できる楽天証券の「かぶミニ®」を使って、少しずつ時間分散しながら投資していくべきと考えています。
最後に、日証金についてコメントします。日証金は内需企業なので、トランプ関税による直接の影響は受けません。ただし、トランプ関税によって世界不況が起こり、日本株が暴落すると、証券金融の残高が減少して、収益にマイナス影響が及ぶ可能性もあります。
以上、考え方次第で、今日のクイズの正解は変わるということを、改めてお伝えします。
テクニカル・ファンダメンタルズ分析を詳しく勉強したい方へ
最後に、株式投資を書籍でしっかり勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「株トレ」(黄色の本)と、決算書の見方などを学ぶ「株トレ ファンダメンタルズ編」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。
「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ」
「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編」
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