図:NY金 先物 (期近)日足チャート
単位:ドル / トロイオンス

出所:マーケットスピードより楽天証券作成

イエレン発言により3月利上げ織り込み済み?(2017年3月6日(月)掲載分より)

相次ぐFRB理事による利上げへの発言で、ドル高円安への動きの先週後半となりましたが、金曜日にその本尊であるイエレン議長が、3月の利上げにはっきりと言及したことで、マーケットの3月利上げへの見方はほぼ確定となり(Fed Fund Futuresのmarket based oddsは97%!)、逆にそれが材料として利上げはほぼ織り込み済みとなり、それ以降は逆にドルの売り戻し、メタルの買い戻しとなり、ゴールドは安値からは10ドル以上を戻して終わりました。やっぱり一本調子の下げにはなりませんね。いくらドルが強含もうとも。どのメタルもとりあえず超短期的には底を打った感じです。

FOMCは3/14-15です。その前に今週の金曜日10日米雇用統計があります。

CFTC Commitment of Traders Report as of 28 Feb 2017(2017年3月6日(月)掲載分より)

出所:池水氏のレポートより抜粋

右軸:投資家ポジション(トン)

左軸:ドル建てゴールド価格

450トンから573トン、投資家ロングは大幅増加。ただこれは先週火曜日終わりの数字なので、その後売りが出たことを考えると今週の数字は若干減少か。

3月利上げ大勢となりメタル売られる(2017年3月3日(金)掲載分より)

Silver のチャートが昨日の起こったことを極端に表しています。

とうとう下がりました。ドル高、株高にもかかわらずほとんど下がらなかったメタルですが、昨日は大きく売られました。トランプ大統領の少し「大統領らしい演説」があり、その上にFRBでもハト派(金利上げに慎重)として知られるブレイナード理事が「追加利上げが早期に適切になる」と発言。そしてパウエル理事も「3月利上げ協議対象で年内3回の利上げは適切」という会見を行ったことにより、これまでは3月の利上げは確率が低いとみていた市場も一気に3月利上げに動き、さらなるドル高に拍車、そしてゴールドは利食い売りにより下落となりました。新規失業保険申請件数も44年ぶりの低水準、3月利上げの確率が急上昇です。10年もの米国債の下落は4日連続となっており、金利はもはや2.3%から2.5%まで上昇しています。債券市場ではもう3月の利上げは織り込み済みのようです。まさに米国の政治・経済でマーケットは動いています。ただ少し下げたものの、まだまだゴールドしっかりの感は拭えません。インフレそしてあまりにも上昇している米国株式相場、まだ上昇の余地はあるでしょうが、今年後半から来年にかけての不安を考えるとおそらくゴールドが売られても、そういった不安へのヘッジの投資が相場を支えるのではないでしょうか。円建ては特に今年は大きな下値不安はなさそうに思えます。

しかしながらセッションズ司法長官のロシアとの接触疑惑。そして肝心のNY Dowの下落もあり、まだまだ先が不透明ですね。

シルバー急落(2017年3月3日(金)掲載分より)

ゴールドよりもシルバーが大きく下げました。昨日の下落直前で1:67.5だったゴールドとシルバーの比価は一挙に69.7まで下がりました。(シルバーが割安になりました。)このところシルバーがしっかりだっただけに、下げはシルバーに集中したようです。シルバー独自に大きな投げがあったような感じです。

大統領スピーチとFRBタカ派発言でドル高株高(2017年3月2日(木)掲載分より)

トランプ大統領の楽観的なそれでも今までの中では最も大統領らしい演説(あんまり詳細はなし。)、そして相次ぐタカ派的なFRB理事の発言を受け、NYダウは303ポイントの上昇で、史上初めて21,000ドルを超えての引けとなりました。ドルは昨日はほぼ一直線に上昇。一時114円台までドル高・円安が進みました。

ゴールドはこのドル高株高を受けて一時1,237ドルまで下げましたが、その後は切り替えして1,249ドル。この環境の中でゴールドが上がるということが、今の投資家のマインドを反映していますね。急激な円安とドル建てゴールドの下げ渋りで円建てのゴールドは4,570円と4,600円に近づいています。これは昨年3月以来のレベルです。国内はよりいっそう売り戻しが増えますね。アジアの実需買いも振るわないのが頭の痛いところ。現在ゴールドがこれだけしっかりしてるのはやはり「投資」(主に欧米)の買いであり、それはETFとComexに集中しているということで、実際の現物、特にアジアでの需要がこの値動きに貢献していることは全くないと言ってもいいですね。逆にこの上昇に利食い売りという形がメインな動きになっています。

FED高官の金利上げへの発言相次ぐ(2017年3月1日(水)掲載分より)

アジア・欧州はいつものごとくほとんど動きが感じられないほど静かでした。動きがあるのはやはり米国ニューヨーク。昨日は一昨日とまた似た動きになりました。ゴールドは1,250ドルから1,258ドルまで上昇、しかしその後、ニューヨーク連銀ダドリー総裁とサンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁が、3月の金利上げに積極的な発言をしたことによって、ドル円が111.70レベルから112.80レベルまで1円以上のドル高・円安が進み、(現在はなんと113.00まで)それに応じてゴールドも1,248ドルと高値から一挙に10ドル下げる急落となっています。日本時間今日の午前11時から予定されているトランプ大統領の議会でのスピーチの内容が気になりますが、ここまで一気にもはやドル高が進んでしまったことで、神経質な動きにはなるでしょうが、米国経済へのプラス材料によるドルの上げはある程度織り込まれたかもしれませんね。NY Dowの上昇は12日で終わり。今日は若干の下げで引けました。

FRB理事の発言でドルもゴールドも行って来い(2017年2月28日(火)掲載分より)

NY Dowは12日連続での上昇となり高値を更新しました。ゴールドもまた高値を更新ニューヨークで1,264ドル手前まで上昇しました。しかしその後、米耐久財受注が予想よりよい数字であったことで、ドルが買い戻され、そしてトランプ大統領の国防費の10%増加発表、ダラス連銀総裁の利上げを早めにやるべきというコメントがさらにドル買いに勢いを与えてゴールドはニューヨークの前半の上昇分(1,254ドルから1,264ドル)をそれ以上に削って下落(1,264ドルから1,251ドル)という行って来いのマーケットになりました。円建てのゴールドも一時4,558円まで上昇しましたが、NY引けは東京の引けとほぼ同じレベルの4,540円となり、こちらも行って来いでした。

トランプ大統領の議会でのスピーチが日本時間の3/1 午前11時から。初めての議会演説となり、当然のことながら市場参加者の注目を集めます。イエレン議長も今週会見の予定ありで、米国の政治と金融政策がまた最大の焦点となりますね。