2025年にボトルウオーターの販売回復へ、茶飲料の高い伸びにも期待
| 現地コード | 銘柄名 |
|---|---|
| 09633 |
農夫山泉 (ノンフー・スプリング) |
| 株価 | 情報種類 |
|
35.25HKD |
株価 企業情報 チャート |
景気低迷期にあった1990年代の日本のRTD(Ready to Drink)ソフトドリンク市場では無糖の茶飲料が人気を博したが、BOCIは中国でも同様に、過去3年間にわたって無糖の茶飲料カテゴリーが爆発的成長を遂げたと指摘。2025-26年も2桁成長を維持する見通しを示した。これはボトルウオーターの中国最大手、農夫山泉の主力事業の一つである茶飲料ビジネスの追い風となる。一方の飲料水事業においては、同社は実質的な値引き率を抑え、より合理的な価格戦略に切り替えたと指摘。2025年も市場シェアの拡大を優先させることで、飲料水販売量の前年比7.0%増の伸びが見込めるとした。市場競争の激化による平均販売価格への影響を反映させる形で、2024-26年の予想売上高を4-6%減額修正しながらも、PET価格の軟化などから、収益性は予想以上に高水準にある可能性を指摘。目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに強気見通しを継続している。
農夫山泉はオフシーズンを迎えた2024年10月以降、販促費の削減(20本購入で8本無料→4本無料など)に動くなど、ボトルウオーターの価格戦略を調整した。BOCIは10-12月期の段階では在庫の過剰感から、主力の飲料水の出荷は引き続き低迷するとの見方。ただ、2025年には市場シェア拡大を最優先課題とする中で、価格が安定的に推移する可能性があるとした。2025年には販売量が10%台前半の伸びを示す半面、平均販売価格が1桁台半ばのペースで下落し、部門売上高を7%増と予想。また、販路リサーチの結果、国内ボトルウオーター市場における同社のシェアが、2025年に33-34%(前年は29-30%)に上向く見通しを示している。
中国のRTDソフトドリンク市場は長期的に、エネルギー飲料・機能性飲料、茶飲料、ボトルウオーターがけん引する見込み。企業別に見ると、強力なブランド力や製品構成の多様性、高いチャネル管理力を誇る農夫山泉が圧倒的な業界リーダーとなっている。
BOCIは過去の日本の事例から、特にRTD茶飲料市場の先行きを楽観し、2025-26年に2桁台の売り上げ増を見込む。また、ソフトドリンク事業にとっては、コンビニエンスストアと自動販売機の増加がプラス。製品の露出や消費者・ブランド間の交流において、最も費用対効果の高いソリューションになるとしている。
BOCIは競争激化を理由に、2024-26年の予想売上高を4-6%減額修正したが、PET価格の下落やコスト管理の強化が利益率を支えるとみて、予想純利益を微調整。2024-25年の予想を1.3%、2.3%減額する半面、2026年については0.2%上方修正した。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
レーティング面の潜在リスク要因としては、中国における予想以上の消費マインドの低迷、市場競争環境の変化、PET価格の上昇、風評リスクなどの可能性を挙げている。
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