NEV販売業務へのシフトを加速、ブランドの選択と集中戦略で株価修復に期待

現地コード 銘柄名
03669

中国永達汽車服務

(チャイナ・ヨンダー・オートモービル・サービス)

株価 情報種類

1.82HKD
(11/14現在)

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 高級車主体のディーラー、中国永達汽車服務は13日、2024年末までに新エネルギー車(NEV)用の店舗網を全体の20%に当たる40店舗に拡大し、2025年にはこの割合を30-35%に引き上げる方針だ。有力ハイテク企業ファーウェイが技術支援する各ブランドのアライアンス「鴻蒙智行(HIMA)」を最優先で扱う方針であり、年末までにHIMA専門店を15店舗以上出店。2025年3月末までには30店舗以上(承認済みの未稼働店舗を含む)とする計画を明らかにした。BOCIは予想PBR(株価純資産倍率)や時価総額を考慮すれば、同社株価は過度に低水準にあるとの見方。2025年予想PER(株価収益率)12倍を当てはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続した。

 同社が現在運営するNEVディーラーは約30店舗。NEV業務へのシフトを加速させる方針の下、2025年にはNEV店舗の割合を30-35%に引き上げる。その大半は採算性・競争力の低いプレミアムブランドを扱う既存店の改装・再編を通じた新装店舗となる。BOCIによれば、こうした方針は過去3年の試行錯誤を経て、全面的にNEVビジネスに軸足を移すという同社の強い姿勢の表れ。先ごろNEVへのシフトを宣言したディーラー大手、中升集団(00881)に続く動きとなる。

 同社は現時点で、「問界(AITO)」「智界(Luxeed)」「享界(Stelato)」を含む「HIMA」モデル専門の販売店4店舗を展開しており、2025年3月末までに30店舗以上に増やす計画。多様なブランドを扱うガソリン車と対照的にNEVでは集中戦略を採る。BOCIは同社がこの先、高い成長性と収益性が見込めるNEVブランドに特化するとの見方。HIMAに加え、吉利汽車(00175)の「ZEEKR」も優先的な選択肢になるとみている。

 同社がHIMA専門の店舗を最初に上海市に開業したのは2021年だが、この店舗の2024年1-10月の販売台数は約4,200台。通期では5,000-6,000台を見込む。同社側の取り分は新車1台を販売するごとに4.5%。さらに取引価格の3-4%に当たる追加のクロスセル収益を受け取る。アフターセールス業務を合わせたHIMA専門店1店舗当たりの通期純利益について、BOCIは平均2,000万元以上との推定値を示している。

「ポルシェ」「BMW」の需要低迷を反映し、BOCIは2024年通期の予想純利益を6.1%減額修正しながらも、今後のNEV業務の成長を見込み、2025年、2026年については10-18%増額修正。それぞれ3億2,900万元、4億8,800万元に設定した。

 現在株価は2025年予想PERで10倍と、ヒストリカル平均の8倍を上回るものの、PBRは0.2倍と過去最低水準。時価総額は34億HKドルと、在庫評価額(6月末に約40億元)と手元資金(3億700万元)の合計額を大きく下回り、BOCIは過度に低水準にあるとの見解。2025年予想PER12倍を当てはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。