2024年本決算で大幅減益見通し、私大の需要減で減損損失17億元弱を計上へ
現地コード | 銘柄名 |
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00839 |
中国教育集団 (チャイナ・エデュケーション・グループ) |
株価 | 情報種類 |
3.92HKD |
株価 企業情報 チャート |
私立高等教育機関の経営会社である中国教育集団は、2024年8月通期決算の純利益が4億2,000万-5億9,000万元にとどまり、前年同期比72.7-61.7%の大幅減益となる見通しを発表した。学校3校の買収に絡むのれん代および無形資産関連の減損損失16億8,000万元の計上が業績悪化の主因。資産償却費がもともとの買収価格の約50%に上る運びとなった。BOCIは所得の減少や消費のダウングレードを背景に、高額な私立大学の授業料支払いに各家庭が消極的となっている可能性を指摘し、私大・職業高等教育ビジネスの先行きに対して慎重。2024年度(2024年8月期)、2025年度の予想純利益を減額修正した上で、2024年度予想PER(株価収益率)7.5倍を当てはめ、目標株価を引き下げた。同社株価の先行きに対しては、引き続き強気見通しを付与している。
資産償却の対象は、四川省のJincheng College(高等職業訓練学校)、陝西省のXi’an School(職業訓練高校)、オーストラリアの大学。同社によれば、総額16億8,000万元の減損損失や為替差損益などを除外した2024年度の調整後純利益は、前年比5.4-10.3%増になる見通しという。
うち職業校2校の償却は、私立の職業学校に対する需要の落ち込みが背景。過去3年で、公立の職業訓練校が急増し、私立校の需要減を招いた。さらに、世帯所得の先行き見通しが後退していることで、費用対効果が低い職業学校への進学を保護者が望まなくなっている現状があるという。
資産償却の対象となる3校のうち、オーストラリアの大学に絡む減損損失は1億-2億元。オーストラリア政府が世界的に、学生ビザの発給規定を厳格化したことにより、計画通りに学生を入学させることが困難となった。現地当局の政策次第では、さらに2億元の追加計上が必要となる見込み。同時に、この大学の減収と利益率の悪化に直面する可能性がある。
中国国内では、世帯所得の減少圧力が私営高等教育機関の苦境につながっている。これまでは子供のキャリア形成に向け、親が積極的に学費を支払ってきたが、私大を卒業しても就職機会や収入が思わしくなくないために意識が変化。中国経済が回復するまで、業況の低迷が続く可能性が高まっている。
BOCIは2024年度の予想売上高と予想純利益を下方修正。目標算出基準を2024年度予想PER8倍から7.5倍に修正し、目標株価を引き下げた。ただ、それでも目標株価までの大幅な上値余地を指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、のれん代や無形資産に絡む減損損失が今後追加的に発生するか、またその時期がいつになるかが分からないという点を挙げている。
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