上がっている株を買うことに抵抗はありませんか?
株式投資をするにあたっては、当然のことながら何かしら銘柄を選んで、実際に買わないことには始まりません。
このとき、さまざまな銘柄の株価チャートを見ると、順調に上がり続けているもの、横ばいのもの、下げ続けているもの、といったように、銘柄によって結構値動きがバラバラであることに気づきます。
では、株価が上昇基調にある銘柄と下落基調にある銘柄、どちらを買うのが望ましいのでしょうか?
これについてはさまざまな考え方がありますが、筆者は下落基調にある銘柄は基本的に手を出さず、上昇基調にある銘柄、言い換えれば上昇トレンドの銘柄を買うようにしています。
でも、個人投資家の方に話を聞くと、株価が上昇している銘柄を買うことに抵抗があり、株価が下がったところを安く買いたい、と思っている方がかなり多いです。
「〇〇円まで下がったら買い!」と思っている個人投資家は多いが…
株式投資のネット掲示板などを見ると、「今はまだ株価が高いから様子見」とか「今の株価だと高いけれど、〇〇円まで下がったら買おう!」といったコメントが書かれているのをよく見かけます。
つまり、買いたい銘柄はあるけれど、株価がある程度安くなってくれないと買いたくない、という個人投資家が多いのです。
確かにこの考え方にも一理あり、例えば配当利回りを重視する株式投資をしているのであれば、今の株価で買うと配当利回りが3%だが、〇〇円まで下がったら配当利回りが4%までアップするのでそこまで下がるのを待とう、という考えの方はかなり多いはずです。
でもその考え方には大きな落とし穴もある、ということはぜひ理解しておいてください。
「上がっている」「下がっている」が意味することとは
多くの個人投資家は、株価が上がれば上がるほど割高だから手を出すべきではない、逆に株価が下がれば下がるほど割安になるから、それを待ってから買うべきだ、と考えています。
しかしこの考え方は正しくありません。もしこれが正しいといえるとしたら、それは各企業の業績が不変で、株価だけ上がった、もしくは下がった場合のみです。
業績が不変なら、株価が今より2倍になれば割高といえるでしょうし、今の2分の1になれば割安といえるでしょう。
しかし得てして個別銘柄の株価が上がっているときは将来の業績の向上が期待されているときですし、株価が下がっているときは将来の業績悪化が懸念されているときです。
ここで株価が「上がっている」「下がっている」が意味することをしっかりと意識していただきたいのですが、「上がっている」ということは、その株を買いたい投資家がたくさんいるという意味です。
そして買いたい投資家がたくさんいるということは、将来の業績向上に期待してその株を買っている投資家が大勢いることを意味しているのです。
逆に株価が下がっているということは、その株を売りたい投資家がたくさんいることを意味するので、それは将来の業績悪化を懸念している投資家が多くいると予想できるのです。
パニック売りによる株価の大きな下落が生じたときは?
筆者がなぜ上昇トレンドの銘柄を買い、下降トレンドの銘柄を買わないかといえば、上で述べた通り、上昇トレンドの銘柄は、将来の業績向上を期待している投資家の買いが実際に入っている可能性が高いからです。
そして、下降トレンドの銘柄は、将来の業績悪化を懸念している投資家からの売りが実際に行われている可能性が高いからです。
ですから、単純に「株価が大きく上がった=割高」とか「株価が大きく下がった=割安」と判断することはできないのです。
筆者の感覚では、株価が大きく上がったとしても、株価上昇が止まるまでは、将来の業績向上を期待した買いが入っているわけですから、保有を継続して利益を伸ばすべき、と考えます。実際に株価が長期的に5年、10年と上昇を続けて、その間の株価が10倍、20倍となることも決して珍しくありません。
一方、株価が大きく下がったということは、将来の業績悪化を懸念している表れなのですから、それを反映した株価下落であり、決して割安になったとは言えないのです。そうした銘柄に安易に手を出すと、決算発表でさえない内容の決算が発表され、さらに大きな下落に巻き込まれる可能性も高いです。
ただ、8月5日にかけての急落のように、好業績であってもマーケット全体がパニックになり一緒くたになって売られることもあります。このようなときは、株価の大きな下落がイレギュラーにより生じていることになり、株価がミスプライスをつけている可能性が高いので、安いところで買うという選択肢は悪くないと思います。
マーケット全体の急落時は優良な企業の株を安く買うことのできる良い機会としてとらえておきましょう。
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