2024年7-9月期は予想上振れ、「RC18」の大幅増収で赤字縮小

現地コード 銘柄名
09995

栄昌生物製薬

(レメジェン)

株価 情報種類

16.48HKD
(10/31現在)

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 山東省のバイオ医薬品開発会社、栄昌生物製薬の2024年7-9月期決算は、売上高が前年同期比35%増、前四半期比14%増の4億6,700万元に達した。純損失は前年同期比11%減、前四半期比33%減の2億9,100万元に縮小し、BOCIの予想から上振れた。主力製品の一つ、「RC18」(telitacicept)は大手病院への浸透や腎臓内科への適応拡大により、7-9月期の売上高が前年同期比43%増と、急成長の勢いを維持。「RC48」(disitamab vedotin)も25%増収と、着実に成長した。BOCIは目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 7-9月期の売上高は前年同期比35%増の4億6,700万元。RC18とRC48の売上高がそれぞれ43%増の2億7,000万元、25%増の約2億元だった。この2製品の営業スタッフ数は前四半期と同様に約800人、約580人。認定病院数は各70カ所、60カ所増加し、1,000カ所、800カ所に達した。全体の粗利益率は5.9ポイント改善して82.1%。販売費は15%増の2億3,300万元。売上高販売費率は前四半期(49%)からほぼ横ばいの50%だった。人員削減とパイプライン(製品候補群)の最適化を通じた効果的な抑制で、研究開発(R&D)費は前四半期比27%減の3億4,700万元。対売上高比率は74%と、41ポイントの低下となった。売上高の伸びと効率的なコスト管理により、純損失は前四半期の4億3,200万元から2億9,100万元に縮小している。

 また、9月末現在、同社の手元現金と運用資産は9億2,500万元。一方、借入金は前年末の11億2,000万元から23億6,000万元に増加。経営陣によると、銀行借り入れの未払い残高は28億元となる。

 経営陣は引き続き、2024年の医薬品売上高が前年同期比50%増加するとみて、2025年もこの勢いが続く見通しを示した。自社製品の適応症の拡大などがその理由。営業費用に関しては、2024年の販売・マーケティング費の対売上高比率が50%をやや上回る水準に落ち着き、2025年も低下傾向が続くとした。R&D費用は2024年に15億元になるとし、長期的に14億-15億元での推移を見込む。

 BOCIは決算発表後、2024-26年の予想売上高を3-4%上方修正した。主に患者への浸透と適応症の拡大を受けたRC18の販売収入に関する楽観見通しを反映させたため。また、コスト管理の強化を反映し、R&D費用に関する想定値を引き下げた。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく12カ月目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIはRC18とRC48の販売伸び率が予想を下回る可能性や、重要な臨床試験が遅れる、あるいは失敗する可能性、主要経営メンバーが交代する可能性を挙げている。