低価格NEV「銀河」で爆発的成長へ、継続的な株価の再評価に期待
現地コード | 銘柄名 |
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00175 |
吉利汽車 (ジーリー・オートモービル) |
株価 | 情報種類 |
12.88HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の民営自動車メーカー大手、吉利汽車について、BOCIは電気自動車(EV)へのシフトが初期的な成功を収めたと指摘している。年初からの新エネルギー車(NEV)の販売台数伸び率が業界平均を大きく上回り、自社のNEVの販売比率が業界平均並みに接近。出遅れ感のあった数年前から状況が一変したことが背景。今後は自前のGEAプラットフォーム(NEV開発用のAIベースの新世代アーキテクチャ)と、これまでに蓄積したノウハウを生かした強力な製品サイクルを強みに、「銀河(Galaxy)」が急成長するとみる。一方、従来型の自動車メーカーである同社は、ICE(ガソリン車などのエンジン搭載車)部門でも存在感を強めている。中国のエンジン車市場は縮小傾向にあるが、同社は海外売り上げの寄与や製品構成の最適化により、健全な売上高と収益性を維持する見込み。BOCIは「銀河」の爆発的成長と利益貢献を理由に2025年の業績を楽観し、この点がまだ現在株価に十分に反映されていないと指摘。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
吉利汽車は「銀河」「Zeekr」「Lynk&Co」の3ブランドでNEV事業を展開する。異なる価格帯で多くの新型モデルを投入し、NEVの販売台数を急速に拡大してきたが、BOCIはこの先、「銀河」のけん引によるNEV事業の爆発的成長を見込む。GEAプラットフォームをベースとするNEVの製品サイクルは、「銀河E5」「幾何星願(Geome Xingyuan)」の投入により幕を開けたが、「銀河」シリーズ(「幾何」を含む)の出荷台数が2025年に90万台へ倍増すると予想し、さらに上振れの可能性もあるとした。相対的に高い収益性も期待され、同社にとって大きな利益源になるとしている。また、現在、BYD(01211)が圧倒的トップの座にある比較的低価格のNEVカテゴリーで、同社は十分、戦えるだけの能力があると指摘している。
一方、逆風下にある中国のエンジン車市場では、競合他社が撤退する中で存在感を拡大している。1-8月の販売台数はほぼ前年同期並みで、市場シェアは7.6%に上昇。国産ブランドでは首位だった。同社のエンジン車事業を支えている一因は輸出の好調。1-9月の輸出は前年同期比68.4%増の31万4,038台に上り、エンジン車が大半を占めた。
同社は9月20日、新たな経営指針「台州宣言」で戦略的統合と内部のシナジーに重点を移す方針を示した。最近発表された「幾何」と「銀河」の統合が新たな統合戦略の第1弾。ブランド同士の共食いを排除することが、まずは最優先課題になる見通しという。
同社の現在株価は2025年予想PER(株価収益率)で約10倍。BOCIは「銀河」の高成長見通しと利益貢献が十分反映されていないと指摘。SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を引き上げた。「銀河」の収益化や戦略的統合を受けたコスト削減を理由に同社株の再評価が続くとみて、株価の先行きに強気見通しを継続している。
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