製品構成の優良化などで利益率の改善が顕著、7-9月期に好決算見通し

現地コード 銘柄名
03606

福耀玻璃工業集団

(フーヤオ・ガラス・インダストリー・グループ)

株価 情報種類

49.00HKD
(9/26現在)

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 BOCIは自動車用ガラスの中国最大手、福耀ガラスの2024年7-9月期の売上高について、前四半期比でプラス成長を維持し、100億元の大台に乗せるとみている。コア純利益(為替要因を除く)も前四半期を上回り、四半期別で過去最高の21億元に達するとの見方。炭酸ナトリウム価格の軟化や製品構成の優良化、設備稼働率の上昇を背景に、粗利益率が38%強に上向き、コア増益を支える見通しを示した。利益率に関する想定値の引き上げに伴い、2024-25年の予想純利益を4-6%上方修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中国の乗用車販売は前年同期実績の高さというベース効果で7-9月期に減速したが、BOCIは同社の売上高が前四半期を上回るとの見方。国内需要回復と海外需要の好調を背景に出荷量と平均販売価格がそろって上向き、売上高が100億元を超えると見込む。

 粗利益率は7-9月期に前四半期で改善し、38%超に達する見込み。新エネルギー車(NEV)の普及による高付加価値製品の販売比率の拡大や稼働率の改善、炭酸ナトリウム価格の軟化が背景。上期の段階では輸送コストの高騰が粗利益率を0.5ポイント押し下げ、7月、8月もこの傾向が続いたが、9月以降、輸送コストは軟化しており、これで上昇局面が収束する可能性がある。また、同社の粗利益率は年初から、市場予想を上回る水準で推移しているが、BOCIは2021-22年の高インフレ下での新規受注と、その後の原材料費の軟化というタイムラグの恩恵を指摘している。この点で、コスト変動分を直接、取引先に転嫁するその他の多くの自動車部品サプライヤーとは異なるという。

 一方、同社の米国事業の純利益は2024年上期に3億8,700万元と、前年同期比で倍増以上の伸びを記録し、同期の増収率を大幅に上回った。米国の第1期工場では稼働率の向上と高付加価値製品の比重拡大で、利益率が持続的に改善する見込み。続いて2025年には第2期工場が稼働を開始する予定。積層強化ガラスサイドウィンドウが年産100万セット、コーティングガラスが同50万セットの規模となる。

 為替要因を除く7-9月期の予想コア利益は21億元と、前四半期の20億元を上回る見込み。為替に関する影響はプラス、マイナスまちまちで、対米ドルの元高による為替差損を、対ユーロの元安による差益が一部相殺する見通しという。

 BOCIは2024-25年の予想売上高を398億元、460億元に据え置いた上で、予想純利益を4-6%上方修正し、73億元、80億元に設定した。継続的な製品のアップグレードや世界市場でのリーダーシップの強化を通じた長期の成長見通しを高く評価し、2024年予想PER(株価収益率)で15.9倍相当の現在株価(H株)は相対的に割安水準にあるとの見方。目標算出基準を2024年予想PER20倍から2025年予想PER20倍にシフトしたのに伴い、目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続している。