自社AIモデルのアップデート発表、企業のデジタル化支援が新たな成長要因に
現地コード | 銘柄名 |
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00700 |
騰訊控股 (テンセント) |
株価 | 情報種類 |
373.40HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国の有力ネット企業、テンセントは9月5-6日に開催した「グローバルデジタルエコシステムサミット」の場で、企業のデジタル効率化支援につながる自社AIモデルのアップグレードを発表した。BOCIはこれがビジネスサービス事業にプラスとなるだけでなく、付加価値サービス(VAS)事業やオンライン広告事業の新たな機会にもつながるとの見方。マクロ経済面の逆風にもかかわらず、同社の売上高に対して楽観見通しを示した。また、収益構成の優良化や効率化による粗利益率の改善が、今後も利益成長を支えると予想。同社を中国インターネットプラットフォームのトップピックとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
テンセントが今回発表した新たなAIアップグレードは、強力なクラウド機能をバックに、デジタル主導の効率化やグローバル化において取引先企業を支援するもの。そのうちの一つ、MoE(混合専門家モデル)アーキテクチャに基づく「テンセント混元(Hunyuan)ターボ」はトレーニング効率を2倍に高めると同時に、推論コストの5割削減につながるモデルサービス。「混元基盤モデル」を搭載したテンセントのAIコーディングアシスタントは生産性を40%向上させるという。また、同時に発表した「AI Infra(騰訊雲智算)」は大規模モデルの開発およびトレーニング用に最適化したコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングソリューションを提供するプラットフォームサービス。さらに、月間1,500万人超のユーザーを抱える「テンセントミーティング」には、インテリジェント録音や多言語翻訳など、新たな機能を付け加えた。
同社のクラウド事業部門であるテンセント・クラウドは国際市場において、3年連続で2桁成長を遂げたが、グローバル投資をさらに拡大する中で、今後も成長を維持する見込み。現時点ですでに80超の市場の30業種に属する1万社以上と提携している。
一方、同社は有力ECプラットフォームのアリババ集団(09988)と提携した。アリババ側が9月12日、半年間の試験運用を経て、自社のECプラットフォーム「淘宝(タオバオ)」上に、テンセントのネット決済サービス「微信支付(WeChat Pay)」を正式導入すると発表した。BOCIは国内の規制をきっかけに、EC大手同士の協力関係が進みつつあることを示唆するとの見方。ピン多多(PDD)やJDドットコム(09618)に続くアリババ集団との提携は、テンセントの決済ビジネスだけでなく、広告事業にもプラスになるとみる。
BOCIはSOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を据え置き、株価の先行きに強気見通しを継続した。レーティング面の潜在リスク要因としては、国内の規制強化、各事業における市場競争の激化、マクロ経済の下振れ、一部アプリストアとの利害対立による売り上げ損失、主要株主による持ち株売却の加速などの可能性を挙げている。
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