2024年中間決算は予想下押し、今後はNEVやAIサーバー用製品が成長けん引へ
現地コード | 銘柄名 |
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00285 |
比亜迪電子国際 (BYDエレクトロニック) |
株価 | 情報種類 |
27.65HKD |
株価 企業情報 チャート |
スマートフォンなどのEMS(電子機器受託製造)を手掛けるBYDエレクトロニックの2024年6月中間決算は、粗利益率の低下などが響き、市場予想を下回った。買収した米電子製造受託大手ジェイビルの中国製造部門の連結化で、売上高は前年同期比40%増加したものの、蓄電システム(ESS)の不振が響き、純利益は前年同期並みの15億元にとどまった。続く下期は家電製品のピーク期であり、ジェイビルとの統合の進展や生産能力の増強、AI対応スマートフォンのブーム到来、新エネルギー車(NEV)最大手である親会社BYDの新型モデル投入などが注目ポイント。BOCIは新たな成長けん引役として、サスペンション、コントローラー、センサー、ADAS(先進運転支援システム)などのNEV部品に加え、「Nvidia GB200」などAIサーバー用の液冷および関連部品を列挙。こうした製品が売上高の伸びと利益率の改善を支える見通しを示した。
上期の売上高(前年同期比40%増の790億元)はBOCIと市場の予想を各5%、4%上回ったが、粗利益率が6.8%へ1ポイント悪化し、予想を1.8ポイント、0.8ポイント下回った。主にESSの不振が響いた形。また、ジェイビル買収に伴う顧客資源償却費(最大4億5,000万元)の発生で、販売費が211%増加したことも響き、純利益は前年並みの15億元。BOCIと市場の予想を17%、15%下振れた。
部門別に見ると、アセンブリおよび部品の売上高はそれぞれ前年同期比33%増の480億元、206%増の150億元。前者に関しては旺盛なアンドロイド需要やiPadの受託製造(EMS)業務がけん引。後者はジェイビルとの統合が寄与した。同社は引き続き、米主要顧客との一段の取引拡大を目指す方針を示している。
NEV関連部門は上期に前年同期比26%の増収。親会社BYDのEV販売の好調に加え、インテリジェントコックピット、ADAS、サーマルマネージメントなどの分野に浸透したことが寄与した。経営陣は通期の部門売上高が200億元に達するとみる。一方、新インテリジェント製品(NIP)部門の売上高は16%減の75億元。ESSの不振で、BOCIの予想を20%下回った。ただ、NIP部門はGB200サーバーを巡って米エヌビディアと協業しており、まずは9月に液冷、10-12月にはラックシステム/CDUの量産化を目指す。
BOCIはスマホ市場の好調を受けたアセンブリ収入の増加見通しを反映し、2024年の予想売上高を2%増額した。半面、ESSの低迷でNIP部門の粗利益率が悪化する中、ドローンやロボットなど新製品の開拓に時間がかかると予想。2024-26年のNIP部門の予想粗利益率を1.7-4.1ポイント引き下げた。米ドル建てから元建てへの借り換えに伴う金融費用の低減も加味した上で2024-26年の予想EPS(1株当たり利益)を7%、10%、9%減額修正し、1.92元、2.41元、2.90元に設定。2025年予想PER(株価収益率)14倍を当てはめ(2024年予想PER17倍から変更)、目標株価を引き下げつつ株価の先行きに強気見通しを継続した。
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