6月中間期は25%増益、原油軟化見通しも生産量の伸びと低コストが強み
現地コード | 銘柄名 |
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00883 |
中国海洋石油 (CNOOC) |
株価 | 情報種類 |
21.20HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国最大のオフショア石油開発会社、CNOOCの2024年6月中間期の純利益は前年同期比25%増の797億元と、BOCIの予想(796億元)通りの水準に達した。生産量の力強い伸びや石油実勢価格の上昇、単位当たりコストの低減が好決算に寄与した。続く下期に関しては探鉱費など、より多くの費用計上が見込まれることから、BOCIは上期比で20%の減益を予想している。また、向こう2年は原油価格の軟化が見込まれるとしながらも、低コストと生産量の伸びを支えに、同社の利益はほぼ横ばいで推移するとの見方。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
上期の石油・ガス総生産量は前年同期比9%増の3億6,260万BOE(石油換算バレル)と、経営陣が事前に示した通期ガイダンスの50.4%に達した。石油実勢価格は同9%高の1バレル当たり80.3米ドルと、ブレント原油価格の上昇率(同4%)を上回った。また、その税項目などの増大にもかかわらず、オールインコスト(費用総額)は1バレル当たり27.75米ドルと、同1%縮小。こうした要因が全て、25%の増益を後押しした。
同社は中国オフショアにおいて、埋蔵量1億トン級の油ガス田7件を発見した。特に注目されるのは、中国初となる超深海超浅層のガス田「陵水(Lingshui)36-1」の発見。これにより、同社が南シナ海で発見したガス資源量は計1兆立方メートルに達している。
BOCIの予測では、下期の純利益は上期を20%下回る見通しだが、これは同社が例年、一部費用を下期に計上する傾向が強いため。例えば2023年の探鉱費のうち、上期計上分はわずか28%だった。ほかに、過去2-3年を参考に、通期の法人税率を高めに設定(上期の24.6%に対し、通期では28.2%を想定)。石油実勢価格に関する予想値もやや下方修正した。
同社は7月下旬に1株当たり平均20.2HKドルで、1,640万株の自社株買いを実施した。これは事業の先行きに対する経営陣の信任状に当たるという。
BOCIは中間決算を受け、2024-26年の予想純利益を1%小幅に減額しながらも、最近の人民元高(対香港ドル)を理由に、香港ドルベースの目標株価を上方修正した。配当性向を前年並み(44.5%)と仮定した場合、新たな目標株価に基づく2024-26年の予想配当利回りは、依然として平均5.5%の水準にある。
一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは急激な原油安の可能性、予想以上のコスト増の可能性を挙げている。
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