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著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「令和ブラックマンデーを昭和ブラックマンデー・リーマンショック・コロナショックと比較。日経平均、高値更新はいつ? 」
令和ブラックマンデーを、三大危機と比較
8月5日の日経平均株価は過去最大の下げ幅(下落率では2番目)で、令和のブラックマンデーとも言われます。今日は、令和のブラックマンデーを、過去の三大危機(昭和ブラックマンデー・リーマンショック・コロナショック)と比較し、今回の危機がどれと一番似ているか考えます。
三大危機との比較を踏まえた上で、令和ブラックマンデー後の日経平均が、次に高値更新するのは何カ月後くらいか、考えます。
令和ブラックマンデー後の日経平均を三大危機と比較:危機起点から5カ月の動き
上記グラフで、危機の起点として以下の年月日を設定しました。
◆令和のブラックマンデー:2024年7月11日(下落が始まる前の高値)
◆昭和のブラックマンデー:1987年10月19日(ダウ工業株30種平均暴落の日、日経平均暴落の前日)
◆リーマンショック:2008年9月12日(リーマン破綻が決まった15日の前営業日)
◆コロナショック:2020年2月12日(欧米株式が急落する直前の日経平均高値)
三大危機から5カ月余りの日経平均の動きを比較すると、以下のことが分かります。
昭和のブラックマンデー、コロナショックでは、半年くらいで日経平均は高値を更新しました。株価暴落によって一時危機的状況におちいったものの、半年くらいで景気はしっかり回復していったため、株価の回復も早かったと言えます。
一方、リーマンショックでは、半年たっても、まだ株価回復は始まっていませんでした。リーマンショックは、金融危機を伴う世界的な景気後退であったため、回復に時間がかかりました。
(参考)日経平均の1日の下落率ランキング(1987年以降)
令和ブラックマンデーは、昭和ブラックマンデーと似たところもある
令和ブラックマンデーがどういう暴落か、まだ完了していないので結論を出すことはできません。ただ、これまでに見えたことから判断する限り、昭和ブラックマンデーと共通点があります。
【1】先物主導で歴史的な下落率となった
昭和ブラックマンデーは、NYダウが先物主導で暴落したことを受けて、日本に暴落が波及したものでした。令和ブラックマンデーも、昨日のレポートで解説した通り、海外投機筋による先物・オプション売買の影響で起こった暴落でした。
【2】株価が歴史的下落率となったものの経済危機にはならなかった
昭和ブラックマンデーは、NYの暴落から始まりました。NYダウが歴史的下落率となったことを受け、世界恐慌の前兆かと不安視する声が広がりました。1929年にNYダウが暴落した後、世界恐慌が始まったことが、引き合いに出されました。
ところが、1987年のブラックマンデーは、世界恐慌の前兆ではありませんでした。1988年には日本の景気も世界の景気も回復に向かいました。ブラックマンデーの株価暴落は、先物が引き起こした過剰反応であって、世界恐慌の前兆ではありませんでした。
令和ブラックマンデーについて、結論を出すのは時期尚早です。ただ、現時点では、世界的な危機の兆しは現れていません。昭和ブラックマンデーと似ていると考えられます。
令和ブラックマンデーは、高値からまだ1カ月半しかたっていませんが、ここまでの株価の軌跡は、昭和ブラックマンデーと似ています。
日経平均が次に高値を取るのはいつか?
これまでの経緯から見ると、令和ブラックマンデーは昭和ブラックマンデーと似ています。2025年にかけて米景気がソフトランディングし、日本の景気は緩やかに回復が続くとすると、今後の日経平均の動きも、昭和ブラックマンデーと似たものになる可能性があります。
米景気ソフトランディングを前提とすると、日経平均が次に高値を取るのは、半年後くらいと考えられます。
ただし、米景気がハードランディングとなると、話は変わります。株価低迷がもっと長引くことになります。
私は、米景気はソフトランディングに向かうと予想していますので、日経平均が半年くらいで高値を取ることは十分あり得ると考えています。
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