2024年上期決算は利益率改善で予想上振れ、AI対応端末が成長エンジンに
現地コード | 銘柄名 |
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02018 |
瑞声科技控股 (AACテクノロジーズ) |
株価 | 情報種類 |
31.25HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国のスマホ部品メーカー、瑞声科技の2024年6月中間決算は、粗利益率の上昇を背景に予想を上回る内容となった。経営陣によれば、全品目の売上高と粗利益率が前の期(2023年下期)を上回ったという。BOCIは「iPhone」などAI対応型端末の相次ぐ登場が高質のマイクや冷却装置の需要増につながるとみて、下期も同社に対する楽観的なセンチメントが続くとみる。また、歩留まり率の改善を受け、光学部品のハイブリッドレンズの分野では将来的に、WLG(ウエハーレベルガラス)がGMO(ガラスモールド)レンズと肩を並べる選択肢になるとの見方。2025年予想PER(株価収益率)24倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
上期の売上高は前年同期比22%増の112億元。粗利益率は同2.3ポイント高の21.5%と、BOCIの予想と市場予想を2ポイント、2.9ポイント上回った。純利益は257%増の5億3,700万元。研究開発費と金融費用の増大で、BOCIの予想を10%下回ったが、市場コンセンサス予想を9%上回る水準だった。主に、買収した車載用サウンドシステムメーカー、プレミアム・サウンド・ソリューション(PSS)の連結化や、アンドロイド端末の需要回復とスペックの向上、光学部品の粗利益率の好転などが上期の好決算を支えた。
品目別にみると、まず音響部品の売上高は前年同期比4%増の35億元。アンドロイド端末の在庫補充やスペック強化の流れを追い風に、粗利益率は4.4ポイント高の29.9%に達した。経営陣はAI対応式や折り畳み式端末などの相次ぐ発売を受け、2025-26年には音響部品の仕様が大幅にレベルアップするとみている。
連結化したPSSの売上高は上期に15億2,000万元で、粗利益率は25%。経営陣は向こう3-5年で、車載音響部品の売上高を、従来型の音響部品(主にスマホ向け)並みに引き上げるとの目標を掲げる。さらに、PSSの顧客である世界の自動車大手が、瑞声科技の音響・振動部品や精密部品などを採用する可能性にも言及している。
光学部品の売上高は25%増の22億元。粗利益率は4.7%と、BOCIの予想を4ポイント上回った。経営陣によれば、設備稼働率と歩留まり率の向上により、光学部品事業は10-12月期にも損益分岐点に達する見通しという。このほか、電磁駆動・精密機械の売上高は1%増の37億元で、うち放熱部品が1億5,000万元。経営陣はAI対応デバイス向けの需要増を理由に、向こう3-5年で、放熱部品の年商10億元への到達を見込む。
BOCIは全品目の利益率の改善を見込み、2024-26年の予想EPS(1株当たり利益)を3%、7%、5%増額修正。業績の復調を理由に、引き続き2025年予想PER24倍をあてはめ、目標株価を引き上げた。レーティング面の潜在リスク要因としては、スマホの仕様アップグレードや光学部品の需要回復が予想以上にスローペースとなる可能性、マクロ経済環境がデバイス需要にマイナス影響を及ぼす可能性などを挙げている。
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