今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは148.05

下値メドは145.20 

ノーモア円安:国内企業64%「収益に悪影響」、35%「売り上げに悪影響」。110-120円が適正 
中国旅行客:ホテルとエアチケット予約が前年比100%超え。アウトバウンド需要の強さ示す。
BOE:政策会合後の記者会見を毎回開く考え。現在は4半期に1回
英減税:IMFが英政府の「見通しに欠けた減税」に警鐘  
ECB:シュナーベル理事「性急な利下げに反対」

前日の市況

 8月19日(月曜)のドル/円相場は前日比0.97円の「円高」だった。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 2024年166営業日目は147.61円からスタート。

 先週金曜日の海外市場で147円台半ばまで下げたドル/円は、週明けの朝は反動で148.05円まで買い戻されたが、勢いは続かなかった。夕方には147円台、146円台を通り抜けて145.19円まで下落してこの日の安値をつけた。その後は次第に値を戻し終値は146.63円。24時間のレンジ幅は2.86円。

 ドル下落の引き金となったのは、米労働省が今週公表する雇用統計の過去改定値において雇用者増加数が大幅に下方修正されるとのニュースだった。

 FRB(米連邦準備制度理事会)高官からは「米労働市場が悪化しすぎている」、「FRBは過剰な引締めを望んでいない」と発言があるなかで、1カ月前には1回(0.25%)程度だったFRB利下げ予想は、3回(0.75%)まで急上昇している。ジャクソンホール会議のパウエルFRB議長の発言に世界のマーケットの関心が高まっている。

出所:楽天証券作成

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は7月の例会合で政策金利(FF金利)を5.25%-5.50%に据え置くことを決定したが、声明文の表現には若干の変化が見られた。これまではインフレのみに焦点を合わせた、「引き続きインフレリスクに高い関心を払っている」という表現だったが、今回は「(インフレと雇用の)デュアル・マンデート(2大責務)の両面リスクに注意を払っている」に変更された。

 労働市場については、「雇用の増加は力強く、失業率は低いままである」という表現から、「雇用の増加は緩やかになり、失業率は低いままであるが上昇した」とやや慎重になった。

 パウエル議長によるとFRBは今、「インフレ再加速」と「米経済の減速」という「二面性のリスク」に直面しているという。早急な利下げに踏み切ればインフレが再加速する可能性がある一方で、利下げが遅すぎると経済に悪影響を与えるおそれがある。そのため慎重な姿勢を保っている状況だ。

 パウエル議長は、今週のジャクソンホール会議で、「9月利下げ」を宣言する考えだ。マーケットは11月、12月も続けて利下げがあると予想している。しかし、FRBはインフレ率が持続的に低下しているという確信を持つには至っていない。FRBとの温度差に注意したい。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま、現在に最善を尽くすことである - 松下幸之助

Every Morning

 FRBは過去30年間に8回、臨時会合での利下げを行ったが、その全てにおいてショックが株式市場にとどまらず広く拡大していた。債券市場では、資金の流れが目詰まりを起こし企業活動に支障をきたすリスクが発生していた。

 今回の状況は、強いて言えば2001年1月と似ているが、当時は、その前年の2000年に2回(6月と10月)に雇用者数がマイナスに落ち込むなど、 経済はかなり弱っていた。現在の米経済に、このような変調は見られない。

 FRBは9月に0.25%%の利下げを実施する可能性が高い。しかし、1回の雇用統計の結果をもとに、FRBが大幅利下げや緊急利下げを実施する可能性は低いだろう。FRBが対応するのはインフレと成長であり、株価の水準や相場のボラティリティではない。FRBが株式市場の下落に対して利下げするのは、相場のボラティリティが金融の安定を脅かす時だけだ。今のところ、そのような状況ではないし、景気後退の兆候を示す証拠もない。

2000年以降のFRBの利下げとその主な理由

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今週の注目経済指標

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今日の重要ブレークアウトレベル

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タイムゾーン 分析

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