上期の物件成約額は17%減も業界上位、下期以降に業績改善へ

現地コード 銘柄名
00688

中国海外発展

(チャイナ・オーバーシーズ・ランド)

株価 情報種類

13.44HKD
(7/17現在)

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 中国政府系の不動産デベロッパー、中国海外発展の2024年上期の物件成約額は前年同期比17.6%減。同業銘柄の中ではトップクラスの成績ながらも、不動産市況の予想以上の低迷が響き、引き続き大幅に落ち込む結果となった。BOCIは6月中間期の売上高について、前年同期比約10%の減少を予想。粗利益率は2023年下期の18.5%とほぼ同水準ながらも、前年同期の22.6%を下回るとみて、純利益が約20%減少する見通しを示している。ただ、下期には前年同期実績の高さというベース効果が薄れることから、12月通期の減益率は上期より小幅にとどまるとの見方。2024-26年の予想コアEPS(1株当たり利益)を14.5-14.6%減額修正した上で、目標株価を12.6%引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。同業銘柄に比べて堅調な物件成約状況や、ネットギアリング比率(純負債比率)の低さ、現在株価の低バリュエーションをその理由としている。

 上期の成約額(1,480億元)は前年同期比17.6%減と、BOCIが集計したデベロッパー銘柄の中では2番目に底堅い数字。深セン、上海、北京など大都市部での主要プロジェクトの寄与で、6月単月では前年同月比40.6%増を記録し、同業銘柄を大きくアウトパフォームした。BOCIの試算によれば、これら主要プロジェクトにおける分譲対象物件は下期も300億元を超える見込み。引き続き物件成約状況で同業銘柄を上回る可能性が高く、前年同期比の減少率もこの先さらに縮小する見通しという。

 2023年には土地取得額で業界トップに立ち、うち約6割を1線都市(4大都市)に振り向けた。続く2024年上期には土地取得ペースが減速したが、これはすでに優良な開発用地を十分確保したため。上期の土地投資は120億元で、うち65%が1線都市の北京市だった。BOCIは堅実な土地投資戦略を理由に、純負債比率が40%未満の水準を維持するとの見方。また、同社が例年、土地市場が落ち着く下期に投資を加速させる傾向にあると付け加えている。

 2024年上期の粗利益率は2023年下期並みの18-19%となる見込み。不動産市況の低迷を受けた予想以上の物件価格の下落を受け、20%から下方修正した。ただ今後は、2021年下期に低コストで取得した開発プロジェクトの分譲が始まることで、価格の安定化に伴う粗利益率の改善が期待できるという。

 BOCIは予想粗利益率の引き下げを理由に、1株当たり予想NAV(純資産価値)を21.49HKドルへ7.1%下方修正。さらに不動産市況の回復の鈍さを理由に、目標株価の算出基準となる対予想NAVのディスカウント率を15%から20%に変更した。現在株価は2024年予想PBR(株価純資産倍率)で0.4倍に当たり、対予想NAVでは38%のディスカウント水準。BOCIは優良な保有用地と堅調な物件成約、財務の健全性を考えれば、現在株価は魅力的な水準にあるとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。