今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは159.00

下値メドは157.80 

米中関係:米政府はロシアを支援する中国の銀行に対してドルのアクセス制限などの制裁準備  
米小売実店舗:店舗過剰で、今後5年間のうちに全米で45,000店閉鎖も 
米経済:過去2年のFRB利上げを完全に消化
中央銀行:バランスシート縮小の代替として準備率引き上げを検討
景気指標:現実経済の改善をセンチメントが反映したというより、現実経済にセンチメントが追いついた

前日の市況

 7月16日(火曜)のドル/円相場は、前日比0.27円の「円安」。だった。

出所:楽天証券作成

 2024年142営業日目は157.93円からスタート。

 157円台は実需のドル買い需要が強く、この日の安値は始値と同じ水準の157.93円でまったく下がらなかった。この日発表された米国の6月小売売上高が予想を上回ったことで東京時間夜遅くには158.88円まで円安に動いてこの日の高値をつけた。ただ159円台に届く前に押し戻されて終値は158.39円。24時間のレンジ幅は0.27円。

出所:楽天証券作成

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、利下げの可能性について「今すぐに利下げのシグナルを送る意図はない」と時期についての明言を避けている。一方でマーケットの利下げ期待を否定することもなかった。

 パウエル議長によるとFRBは今、「インフレ再加速」と「米経済の減速」という二面性のリスクに直面している。早急に利下げに踏み切ればインフレが再加速する可能性がある一方で、利下げが遅すぎると経済に悪影響を与えかねないため、慎重な姿勢を保っている状況だ。

 パウエル議長は、インフレ率の低下が続く場合「利下げを行う準備がある」との見解を示している。6月のCPI(消費者物価指数)は、広範囲に鈍化した。前年比で3.0%上昇、前月比では0.1%下落となり、いずれも予想を下回った。またエネルギーや食品を除いたコアCPIの前年比は+3.3%で、3年余りで最も低い伸びにおさまった。この結果を受けて、米連邦準備制度理事会が9月に利下げを開始する可能性が高まっている。

今週後半までの「円安・円高のメド」

 円安のメドは、158.88円、159.00円、159.50円、160.00円、160.50円
 円高のメドは、157.93円、157.50円、157.35円、157.15円、157.00円

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

短期:円高に転換

 7月のドル/円のレンジは、157.15円から161.95円。
 高値と安値の50%(中間点)は、159.55円。
 中立点から見て現在の水準は、「円高」。

中期:まだ円安

 5月から7月までのドル/円のレンジは151.85円から161.95円。
 高値と安値の50%(中間点)は、156.90円。
 中立点から見て現在の水準は、「円安」。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

損失に罰を与えてはいけない。相場で損失を出したことであなたはもう、十分な「痛み」を受けたのだ。これ以上何を、自分を痛めつける必要があるのか?

Telephone Line

 6月にECB(欧州中央銀行)が利下げを行った背景には、経済状態よりもECB内の政治が理由だったとの見方が多い。会合前にECB理事がフォワードガイダンスとして利下げを強くアピールし続けたために、欧州の経済データは金利据え置きを示唆していたのに、引き下がることができなかったようだ。

 利下げはしたものの、欧州のインフレ率には上昇シグナルが出始めているため、7月の利下げは見送ることになりそうだ。利下げをしてすぐにECBが利上げをしなければならない状況になれば、責任者のラガルド総裁に対する信頼は大きく損なわれることになる。

 中央銀行総裁が経済の専門家ではないことに問題があると指摘するエコノミストもいる。ラガルドECB総裁やパウエルFRB議長(二人とも法律家)は、経済的イデオロギー(信念)を持っていないから、不正確なスタッフの予測に頼ったり、独自の解釈や思惑を持つ委員からの意見に簡単に影響されたりしてしまうというのだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の重要ブレークアウトレベル

出所:楽天証券作成

ヒートマップ分析

出所:楽天証券作成
出所:楽天証券作成