2024年度は予想下振れ、消費低迷で苦戦見通しも高配当維持に期待

現地コード 銘柄名
00590

六福集団国際

(ルック・フック・ホールディングス)

株価 情報種類

16.62HKD
(7/2現在)

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 香港系の宝飾品製販大手、六福集団の2024年3月本決算は、純利益が前年比38%増の17億7,000万HKドルに達したものの、BOCIの予想を7%下回った。年度後半に見られたペントアップ需要の消失が背景。こうした傾向は4-6月期(2025年度第1四半期)も続き、6月21日までの既存店売上高は香港・マカオ、中国本土でそれぞれ前年同期比35%、20%減少した。BOCIは各国の利下げに伴う金相場の一段の高騰を見込み、7-9月期には状況がある程度改善するとしながらも、マクロ経済面の逆風を理由に中国人消費者の購入意欲が回復するまでに一定の時間がかかるとみている。それでも、同業の「金至尊(3D Gold)」ブランドの買収後も、約7%の高配当利回りを維持することは可能との見方だ。

 2024年3月期の純利益は前年比38%増。香港・マカオ、中国本土で1-3月期(年度第4四半期)の既存店売上高が減少したが、金価格上昇で通期の粗利益率は27.2%と前年の27.0%から上向き、BOCIの予想を上回る水準。一方、香港・マカオの小売販売額は前年比68%増と力強い伸びを示したが、本土の卸売販売額は21%減と予想に届かなかった。

 続く4月1日-6月21日に見られた既存店売上高の大幅減は前年同期実績の高さが一因だが、同社によれば、すでに高水準にある金価格も影響したという。BOCIは年度下期(2024年10月-2025年3月期)には欧米の利下げが金価格の一段の上昇を後押しすることで、既存店売上高が底入れするとみている。それでも2025年度はかなり厳しい年になるとし、香港・マカオの通期の既存店売上高は、前年比10%台前半の落ち込みを示すとの見方。ただ、香港の商用物件市場の低迷を受けた一部店舗の賃料の値下がりが、利益率の悪化圧力を一部カバーする可能性があるとしている。

 店舗数は2024年度に478店舗の純増(店舗総数は前年比15%増)となったが、うち218店舗は「金至尊」を展開する香港資源(02882)の買収効果によるもの。自前の店舗の増加ペースは、BOCIの予想より鈍かった。同社経営陣は2025年度について、香港・マカオや中国本土に関する目標を示していないが、海外では15店舗の純増を目指す方針。この数字自体は小さいものの、BOCIは同業銘柄と比べたブランド知名度の高さを反映しているとの見方。長期的には海外展開の強化が、中国圏における長期の低迷を多少なりとも相殺する可能性があるとしている。

 BOCIは香港・マカオ、本土の小売事業に関する見通しを引き下げ、2025-26年度の予想EPS(1株当たり利益)を25%減額修正した。2025年度は厳しい年になるとはいえ、コロナ禍前も同様の状況にあったとし、2026年度には回復見通しがより鮮明となる可能性を指摘した。引き続き2025年度予想PER(株価収益率)で9倍をあてはめ、目標株価を引き下げながらも、現在株価の低バリュエーションと高配当利回りを指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。配当性向は2024年度に47%。この先一段の上振れもあるとしている。