注目の「高配当の中央企業」銘柄、国内外の受注増で収益成長持続へ
現地コード | 銘柄名 |
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02386 |
中石化煉化工程 (シノペック・エンジニアリング) |
株価 | 情報種類 |
5.28HKD |
株価 企業情報 チャート |
石油化学プラント建設の国内最大手、シノペック煉化工程について、BOCIは長期の受注残を理由に、向こう数年にわたる安定成長を予想している。石化プラントの新設やグリーンエネルギー転換を背景に、国内の業務需要は旺盛。海外での新規受注は2023年に約3倍に増えたが、今後はさらに開拓が進む見通しという。また、多額の手元現金から得られる金利収入が収益の変動リスクを低減させ、高配当の維持を後押しするとの見方。同社株の先行きに対して強気見通しを付与し、新規のカバレッジを開始した。
2023年の新規受注額は前年比11%増の803億元と、過去10年で最高を記録した。受注残高の対売上高比率は2023年末に2.4倍(前年末は2.1倍)に上昇。今後数年の収益成長が確実となった。同社が示した2024年の新規受注見通しは前年比2%増と控えめだが、1-3月期には前年同期比80%増の3,387億元を記録。早くも通期目標の41%を消化している。
中国国内を見ると、石油精製プラントの新規建設需要には限界があるものの、石油化学プラントの新設余地は依然大きい。エチレン換算の自給率が2023年時点で67.4%にとどまることが理由。現時点で、エチレン年産能力にして1,820万トン規模の石化プラントの建設が進行中。同社はこうしたプロジェクトから、さらなる受注獲得が可能とみている。
グリーンエネルギーへのシフトも同社のビジネスチャンス。同社は国内最大のグリーン水素製造ラインを建設したが、シノペック・グループから、さらに大規模なプラント2カ所を受注する可能性がある。また、海洋燃料のグリーン転換の分野でも、グリーンメタノールのプラント建設プロジェクトを新たに受注した。
一方、海外での新規受注は、2023年に前年比約3倍の29億8,000億米ドル(サウジアラビアを中心に計5カ国で受注)。BOCIは海外ビジネスの一段の発展を見込む。
同社の2024-26年の予想配当利回りは7.9-9.3%の高水準。中央政府傘下の国有企業(中央企業)の子会社であることも大きな魅力となっている。
BOCIは受注残高の対売上高比率の上昇を理由に、2024年に前年比12%の増収を予想(前年実績は同6%増収)。その後2年間は受注残比率の小幅な低下から、増収率が各8%に減速するとみる。粗利益率に関しては、向こう3年にわたって2023年の水準で推移するとの見方。2024-26年の予想純利益を前年比13.1%増の26億4,200万元、7.7%増の28億4,600万元、同8.3%増の30億8,100万元に設定した。自社株買いの影響を考慮した場合、EPS(1株当たり利益)の伸び率は13.5%、7.9%、8.3%となる。
BOCIは2024-26年の平均予想配当利回り6.5%をベースに目標株価を設定。株価の先行きに対して強気見通しを付与した。目標株価は2024年の予想PER(株価収益率)では10.9倍の水準に当たる。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、粗利益率が低下する可能性、研究開発費が急増する可能性を挙げている。
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