最悪期脱却へ、バランスシート改善で配当性向の引き上げ期待も
現地コード | 銘柄名 |
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00257 |
中国光大環境 (チャイナ・エバーブライト・エンバイロンメント・グループ) |
株価 | 情報種類 |
3.62HKD |
株価 企業情報 チャート |
廃棄物発電(WTE)や排水処理(WWT)を手掛ける中国政府系の環境事業者、中国光大環境の株価は、補助金の未収問題や地方当局の財政難への懸念を背景に、過去2年にわたって低調に推移してきた。ただ、新規プロジェクトの建設が減速する中、サービス譲与契約に関する会計処理規定「IFRIC 12号」の影響によるブレが薄れ、同社の収益性は実際の決算数字に近づきつつある。BOCIは2024年に初めてフリーキャッシュフローのプラス化を達成し、バランスシートの強化と配当性向の引き上げが実現する可能性を指摘。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する従来の中立見通しを強気にアップグレードしている。
経営陣によれば、2022-23年の最悪期はすでに過ぎ去り、年初からの廃棄物処理料金の売掛金回収日数は許容範囲内にある。2024年の目標は、WTEプロジェクト、WWTプロジェクトをそれぞれ日量3,000トン、225キロトン規模で上乗せすること。前年比では2.2%増、4.6%増となる。設備拡張ペースが減速する中で、2024年の設備投資予算は約60億HKドルにとどまる見込み。調整後の営業キャッシュフローは80億HKドルを超えるとみられ、創業以来初めて、フリーキャッシュフローのプラス化を達成する可能性が高まった(2023年は2億8,000万HKドルのマイナス)。バランスシートの補強も進む見通し(2023年末の調整後純負債比率は140%)。新たに大型買収を実施しない限り、少なくとも現在の配当性向30-32%を維持することは容易とみられる。
金融費用は過去2年間、ピーク水準にあったが、今後は数年にわたって減少していく可能性が高い。設備投資の減速に加え、積極的に借り換えを実施したことが背景。経営陣によれば、オフショアの外貨建て借入(HKドル、米ドル)の大半をオンショアまたはオフショア人民元建て融資に借り換えた。オンショア借入の金利コストは一般に年率2.7-2.8%であり、今後の管理状況次第では2024年に一段のコスト削減が期待できる。
中核事業のWTEとWWTは環境分野の中でも安定感が強く、バランスシート外のリスクや営業状況の振れ幅は限定的。「IFRIC 12号」を適用した建設事業の収益が縮小する中、同社の収益見通しは明確化しており、配当の予見可能性を含め、イールドギャップ(株式益利回りと金利との差)重視の投資家に歓迎される可能性が高いという。
BOCIは収益予想をほぼ据え置きながらも、金融費用の縮小見通しを反映させる形で、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き上げた。新たな目標株価は2024年予想利回りで5.4%に相当するが、同社の安定的な事業環境を考慮すれば、この利回りは妥当だとしている。一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは営業利益率が予想を下回る可能性と、買収が価値の劣化につながる可能性を挙げている。
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