2023年に特別配当実施のサプライズ、配当性向で同業銘柄に匹敵

現地コード 銘柄名
01898

中国中煤能源

(チャイナ・コール・エナジー)

株価 情報種類

9.37HKD
(5/30現在)

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 中国2位の石炭大手、中国中煤能源は、すでに発表した2023年12月本決算の1株当たり0.442元の期末配当に加え、同0.113元の特別配当を実施することを提案。さらに、2024年には初めて中間配当を実施し、配当性向を30%以上とする方針を明らかにした。2023年通期の配当性向は、特別配当込みで37.7%。BOCIは健全なキャッシュフローとバランスシートの改善を理由に、今後も、少なくともこの水準の配当性向を維持すると予想。配当利回りで同業他社にほぼ並ぶとした。同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する従来の弱気見通しを中立的に引き上げている。

 1株当たり0.113元の特別配当を含む2023年通期の年間配当は、1株当たり0.555元。CAS(中国会計基準)に基づく配当性向は30%から37.7%に上昇する。同社はIFRS(国際会計基準)とCASベースの利益のいずれか低い方を基準に、配当額を決定している。

 BOCIは投資家の利便性を理由に、新たな中間配当の実施案を前向きに受け止めている。中間配当の配当性向は少なくとも30%。年間の配当性向は向こう数年にわたり、最低でも37.7%を維持するとみられる。

 過去3年間の力強い利益成長を受け、2023年末にはネットキャッシュ(手元流動性から有利子負債を差し引いた金額)がプラスとなった。2025年、2026年の設備投資額を2024年並みと仮定しても、2024-26年のフリーキャッシュフローは110億-130億元に達する見込み。配当性向の一段の引き上げ余地がある。

 これまで配当性向の引き上げが難しかった経緯から、同社は今後一定期間、配当性向を据え置き、その後、引き上げに動く見通し。BOCIは実質的な配当性向の引き上げにより、配当利回りが同業銘柄とほぼ同水準に達したと指摘。同社株価の先行きに対する見方を中立に引き上げている。

 BOCIは目標株価の算出ベースを2024年PBR(株価純資産倍率)0.57倍から、2024-26年の平均配当利回り5.5%に変更。PBRと配当利回りベースのいずれか高い方をあてはめた上で、目標株価を引き上げた(配当性向の上昇を受け、配当利回りベースに変更)。レーティング面の潜在リスク要因としては、石炭価格が急落する可能性、石炭化学事業の利益が下押す可能性を挙げている。