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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「「円は不動の「最弱通貨」。ドル/円下落は買いチャンスか」」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは157.70円
↓下値メドは156.10円
FRB対トランプ:トランプ氏が大統領になればパウエル議長を更迭。利上げ政策に不満
利下げ:今年の利下げは景気刺激ではない。インフレ低下による実質金利上昇を防ぐのが目的
RBA:政策金利4.35%据え置きへ。11月から利下げ開始か
中国:新規融資が急減。経済の弱さ示す。
スイスフラン:SNB:利下げ遅すぎた。すでにインフレが目標値を大きく下回る状態
前日の市況
英国のスナク首相は、7月4日に総選挙を行うことを発表し、30日に議会を解散した。これを受けてBOE(イングランド銀行)は、選挙日までの公式声明や発言の全て中止を決定した。予想されていた6月のBOE利下げが事実上見送りとなったことで、ポンドが対ドルで上昇した。
マーケットは選挙で野党労働党が議席過半数を獲得するのは確実と予想する。EUとの関係改善を公約とする労働党に対する期待もポンド高材料となっている。
円はドル高に調整が入りドルが下落しても円高には動かず、対ドルで高くなったポンドやユーロでクロス円で円安が大幅に進むという状況になっている。ポンドは対円では、リーマンショック直前の2008年8月以来の高値をつけた。ドル高になろうがドル安になろうが、円の最弱通貨のポジションは変わらない。しかしそうなることを望んでいるのは政府日銀なのだ。
5月30日(木曜)のドル/円相場は前日比0.88円の「円高」。
2024年109営業日目は157.55円からスタートして東京時間朝に157.67円まで上げてこの日の高値をつけたが、今月の高値であり、4月29日につけた34年ぶりの高値160.22円から急落後の戻り高値でもある158.00円の手前で折り返した。
夕方に157.00円を下抜けると、夜遅くには米長期金利の低下を背景に156.37円まで下落。今週積積み上げた円安分0.80円をほぼ全て吐き出して、月曜オープンの水準まで押し戻された。終値は156.81円。24時間のレンジ幅は1.30円。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
明日に延ばしてもいいのは、やり残して死んでもかまわないことだけ。- パブロ・ピカソ
I Was Made For Lovin' You
「市場が健全に機能し、投機による過度の変動がなければ介入する必要はない。」などと、神田財務官の円安けん制発言は少しトーンダウンしている。鈴木財務相はもとより、「円安にはプラス面もある」と繰り返す円安擁護派だ。介入の目的はあくまでも円安の速度調整のためのスムージング・オペレーションであり、円安を是正したり相場の方向を変えたりするものではない。ゆっくりと恒常的な円安相場を形成するというのが政府の本当の狙いである。それをわかっている投資家は、押し目買いの絶好のチャンスとなる介入を今か今かと待っている。
植田日銀総裁は、「円安は物価に影響を及ぼしやすくなっている」との見方を示しているが(誰もが知っていることだ)、円安が良くないとは言わない。日銀の政策は、デフレマインドを根絶することで、日本人が節約の美徳を忘れ消費の快楽に耽るようになるまで緩和政策を投与し続ける考えだ。その目標達成までの時間を円安が早めてくれるならば、日銀は歓迎だ。
米国の世論調査によると、バイデン大統領の支持率が下がっている大きな理由は、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げによる金利高よりも、「高インフレ」に対する不満である。
日本の「円買い/ドル売り」介入をイエレン財務長官が認めると、輸入インフレの要因となる「ドル安」を容認したことになるから、米国内の有権者から猛烈な批判を受けるだろう。FRBは、7月に利下げしてインフレが秋に再燃すると、11月の大統領選挙を目前にして困ったことになる。早期利下げは、経済データよりも政治的にリスクが高いということだ。いずれにしても、日本も米国も「ドル高/円安」が望ましいという考えでは一致しているのだ。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
Winners & Losers
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