今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは157.10

下値メドは155.80 

米株価:インフレで家を買う見込みのないZ世代は、低リスク投資を放棄してギャンブルに走る。
米大統領選:9月から12月のVIX先物が早くも上昇 
暗号資産:ビットコインの本質的価値は「ゼロ」
米中半導体戦争:エヌビディア:最大の競争相手はファーウェイ
米利下げ:FRB「米経済と労働市場に再過熱の兆候ある。金利変更する緊急性ない」

前日の市況

 5月14日(火曜)のドル/円相場は前日比0.24円の「円安」だった。

 NY連銀調査による米消費者の1年先インフレ期待が、昨年11月以来の高さとなる3.3%に上昇した。インフレ再燃が懸念されるなかで、FRB(米連邦準備制度理事会)高官からは利下げに慎重な意見が相次いでいる。

 パウエルFRB議長はこの日、「インフレ率の低下が第一四半期には進展が見られなかったことは明らかだった」と述べ、「目標値まで引き下げるために、想定よりも長く引締め状態を続ける必要があるだろう」と、利下げ開始時期が不透明になっていることを示唆した。

 パウエル議長が指摘した通り1-3月期の米国のインフレ率は下げ止まっているが、今夜発表される4月のCPI(消費者物価指数)は下落すると期待する為替トレーダーは多い。指標発表を控えてドル買い持ちポジションを軽くする動きが目立つなかで、ドル/円だけは例外だ。イエレン財務長官が「為替レートは市場に委ねられるべき」と発言したことで、為替介入はもうできないとの見方が広がっているからだ。円売りに対する安心感というより、待っていては150円台さえ逃してしまうとの焦りの方が強くなっているようだ。

 通貨安が輸入インフレを悪化させるという意味では、米国はドル安を招く介入を歓迎しない。利上げという痛みに耐えながらインフレと戦っている米国の立場からすると、ゼロ金利政策を続けながら、インフレには介入で軽減しようとする日本の政策には賛同できないのだろう。

出所:楽天証券作成

 2024年97営業日目のドル/円は、156.18円からスタート。介入リスクの後退は、投資家にとってはドル/円を安く買うチャンスが少なくなったことを意味する。最初に少し下げてから大きく上昇するというドル/円に良く見られる行動パターンはこの日も表れた。

 東京時間朝にこの日の安値となる156.13円をつけたあと夜遅くには米インフレ指標の4月PPI(卸売物価指数)の強い結果を受けて156.77円まで上昇した。157円に届く前に失速して終値は156.46円。24時間のレンジ幅は0.63円。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

今の時代、評価がすぐに出ないものは見向きされない傾向があるが、商売には『機』というものがあり、願いが正しければ、時至ればかならず成就する

Right Here Waiting

 ダイエットを始めて多くの人が経験するのが、最初の3キロは簡単なのに、目標体重までの最後の500グラムがなかなか減らないことだ。気を抜いた途端にリバウンドして、前より体重が増えてしまうこともある。

 FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレ率をわずか1年で9%から3%に下げることに成功した。しかしここからの「ラストマイル」がきついのだ。FRB目標とする2%まで下げるのは、今までの倍の時間がかかるだろうといわれている。一方で、インフレのラストマイルはとぼとぼ歩きではなく「全力疾走」になるというデータもある。例えば欧米の耐久財インフレはわずか9カ月間でデフレに切り替わっている。

 インフレは、先月どうだったかよりも、半年後にどうなっているのかというのがより重要だ。FRBは第1四半期のインフレ率の下げ止まりを理由に、なかなか利下げに踏み切れずにいる。途中で引締め状態をやめてしまうと、インフレがリバウンドすることを非常に懸念しているからだ。しかし、これ以上実質金利を引き上げていることが、果たして政策として正解なのかとパウエル議長は自問している。2年前インフレが急騰した時に中央銀行の対応が遅れてしまったのと逆のことが起きるリスクもあるのだ。

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今週の注目経済指標

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今日の重要ブレークアウトレベル

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コーンチャート分析

出所:楽天証券作成
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