※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「「円安どこまで?口先介入だけなら、155円は単なる通過点」FXマーケットライブ」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは154.95円
↓下値メドは154.05円
株価上昇:「持たないことの焦り」が株価をさらに押し上げる
米利下げ:FRBはフォワードガイダンス示す必要がある。政策不透明で不要なボラティリティが発生
ECB:ホルツマンECB理事「6月の後は利下げしない可能性もある」
ECB:レーン主任エコノミスト「ディスインフレが予想より早く進行している」
前日の市況
4月18日(木曜)のドル/円相場は、前日比0.26円の「円安」。
FRB(米連邦準備制度理事会)から利下げに対する慎重意見が相次いだことがドル高材料となった。ウイリアムズ・NY連銀総裁が「利下げの緊急性は感じられない」と発言し、ボスティック・アトランタ連銀総裁は「年末まで利下げすることはできない」との見方を示した。カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は「来年まで後ずれすることもありえる」と述べた。
パウエルFRB議長は、「最近のインフレ率(下落)に進展が見られない」と懸念を示している。CPI(消費者物価指数)の上昇は「単なるバンプ(でこぼこ)に過ぎない」という、これまでの楽観的な見通しに重要な変化があった可能性がある。この日の米国の10年債利回りは4.65%まで強含んだ。
マーケットのドル買いポジションは、FRBの利下げ期待の後退と共に膨らみ、再び飽和状態近くまで積みあがっている。FRBのチョイスは、「予定通り今年3回利下げ」するか、「インフレ警戒で利下げ回数を減らす」か、あるいは「利下げなし」だが、マーケットの中では、すでに3回の見方はほぼ消えて、「2回利下げ」、開始時期は「早くて7月」との予想が主流になっている。
2024年79営業日目のドル/円は、154.31円からスタートした。G7が財務相・中央銀行総裁会議が「過度な為替の変動は経済に悪影響」との認識を再確認するなかで155円台での介入警戒感が強まり、東京時間昼前に154円を割り153.95円まで下落してこの日の安値をつけた。しかし、口先だけの介入は効果が薄れていることも事実。ドル買い需要は依然旺盛なこともあって海外市場では再び154円台に戻した。
FRB高官から利下げに対する慎重意見が相次いだことで米長期金利は4.65%まで上昇。仮に年内「利下げなし」の確率が高まれば5.0%台を超えるとの見方も増えている。ドル/円は未明に154.68円まで上昇してこの日の高値をつけた。終値は154.64円。24時間のレンジ幅は0.72円。イランのイスラエル攻撃を受け、バイデン米大統領がイランに対する経済的圧力を強めることにコミットしていると述べた。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
勝ち残るには、損失の痛みに負けないメンタルを作り上げることが必要である
Under My Thumb
セルフレジとは、自分の買い物を自分でスキャンしてレジに読み取らせて会計をする方式だ。人手不足対策や感染対策として、日本でもコロナ禍でセルフレジが急速に普及した。最近では会計だけではなく、料理まで客がつくるという店まで現れている。
セルフサービスは、労働という観点でいえば、顧客が店の従業員の仕事を「タダで肩代わり」しているのと同じことだ。したがって、客がセルフサービスを利用するほど、従業員の実質平均時給は上がることになる。
雇用とインフレの関係についてFRBが重視するデータのひとつにECI(雇用コスト指数)がある。これは、企業が従業員に支払う雇用関係の費用であり、賃金・給与が約7割を占めている。2023年のECIは1年を通して緩やかな低下傾向を示している。これは賃金インフレが落ち着いてきた兆候であり、この傾向が2024年も続くことが期待される。ただECIは四半期に1回しか発表されない。次の発表は4月30日だ。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
Winners & Losers
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。