皆さまこんにちは、投資YouTuberのぽんちよです。
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)や投資信託を使って資産づくりを進めていく中で、全世界株や米国株へ投資している人も多いはず。
特に、いまSNS(交流サイト)やYouTubeで投資の勉強をしている人の中には、「米国株、S&P500種指数がいい!」と思って投資をしている人は多いですよね。
でも、「米国株なら、S&P500がベスト!」と思いこんで、投資をするのは本当に正しいのでしょうか。米国の株価指数には、S&P500以外にもいろいろあって、S&P500が常に最適解じゃない場合もありそうです。
ということで、今回はS&P500のリターンの真実や、S&P500を上回ることを目指す運用について、三井住友DSアセットマネジメントのファンドマネージャーである、畠山大樹さんにお話を伺ってきました。
【動画版はこちら】
米国株式はS&P500だけじゃない、ほかにも指数がある!
ぽんちよ そもそも米国株投資をしている人の投資先として、S&P500が選ばれるケースが多いと思っているのですが、この認識はあっていますか?
畠山 S&P500に連動を目指すインデックスファンドは、投資信託の買付の動向を見ていると人気ですね。
ぽんちよ やっぱりそうなんですね。YouTubeやSNSでも言及が多いですし、初心者の方には特に人気の印象です。ただ、ひと口に米国株に投資するといっても、実際にはいろんな株価指数がありますし、本当にS&P500でいいの?という問題提起も少なくありません。今日はこの点についてぜひ教えていただきたいです。
畠山 はい、分かりました。まず、米国株の投資対象となる指数としては、S&P500の他にもダウ工業株30種平均やナスダック100などが有名ですが、それぞれ特徴があります。構成されている銘柄の数も違えば、銘柄の採用基準も違います。
ぽんちよ それぞれの指数の業種別構成比率を見ると、S&P500やナスダック100がいかに情報技術、例えば、ハイテク株やIT関連株が多いのかがよく分かりますね。ちなみにNYダウについてはどんなことが言えますか?
畠山 NYダウは金融、資本財・サービスが多く含まれています。金融は銀行や保険など、資本財・サービスは例えば工場で機械を造る銘柄や、飛行機を造っている銘柄などが組み入れられています。
S&P500がベストなのか!?過去リターンの比較
ぽんちよ 指数ごとに特徴はかなりありそうですね。ここでやっぱり気になるのは、「結局どれがいいの?」というところだと思いますが、いかがでしょう?
畠山 この3つの指数の過去のリターンを見てみましょう。1999年3月末から2023年12月末までの期間で比較すると、上から順にナスダック100、NYダウ、S&P500となります。
ぽんちよ おお、どれも右肩上がりで上昇していますけど、ナスダック100とS&P500では、だいぶ差がありますね。
畠山 そうですね。ただ、細かく見ていくと、指数ごとに強い時期と、弱い時期があります。つまり、常にどの指数が良いとは一概には言えないですね。
ぽんちよ なるほど、1999年3月末以降でみるとトータルでは、ナスダック100だけど、タイミングによって強い指数は異なるということですね。
畠山 そうなんです。こちらの図表は2000年からの3指数の年間リターン順位をまとめたものです。その年によって優位な指数は違い、これまで常に優位な指数は存在しないといえます。
ぽんちよ S&P500が1位の回数が少ないのは結構意外でしたね。最近かなり人気が出てきたナスダック100は、1位は多い一方で、3位もそれなりにありますね。リターンが大きい半面、リスクも相応にあるということを改めて実感できるデータですね。ちなみに年度ごとのリターンはどうなのでしょうか?
畠山 例えば、2023年はナスダック100がとても強かったものの、その前年の2022年を見てみるとナスダック100が大きくマイナスとなっています。もっと前にさかのぼってみると2000年代はNYダウが1位が多いなど、順位の入れ替わりが結構あります。
ぽんちよ 最近、米国株が強かったこともあるのでしょうけど、米国株のインデックス投資を預貯金と同じ感覚で考えている方もいらっしゃると思うんです。でも、それはやっぱり違うし、気を付けたいなあ。
例えば、2008年のデータを見ると、下がるときはどの指数も下がるのだなと改めて思います。
後、個人的に2022年は思い入れが深いのですが、ハイテク銘柄が好きで持っていて、ナスダック100が下がっていくとともに僕のハイテク株も下がってきたってこともあったのですが、この図表を見ると、ナスダック100が良い年もあれば悪い年もあるのだなというのがすごくよく分かりますね。
S&P500を超えるためにはどのような投資戦略が必要か?
ぽんちよ S&P500も、そのほかの株価指数も、常に万能じゃないことが分かりました。では、次にどの指数はどういう時期に好調になりやすい、といった傾向はありますか?
畠山 私は景気・業績・金利の流れに沿って、相性や戦略を考えられると思っています。
まず景気が底打ちしてきて業績が上がるかもしれないという時には、『NYダウ』が強くなる傾向があります。
続いて企業の投資意欲が湧いてくるとか、人々の消費行動が活発化してくると、成長株への投資が選好されます。こんなタイミングは『ナスダック100』。
ところが、どんどん景気が良くなって物価が上がりすぎてくると、景気の過熱を抑えるために中央銀行が金利を上げ始めます。
そうすると、「今後の景気がどうなってしまうの?」という懸念が出てきますよね。
こんなときは、安定成長の魅力がある株が多い『NYダウ』や、分散が効いている『S&P500』に少しずつ移る、こういった流れをうまく捉えることが大事だと考えています。
ほったらかしポートフォリオ戦略のためのおすすめ!
ぽんちよ なるほど。でも、正直、一般の個人投資家には判断が難しそうだなって印象があります。その上でNYダウやナスダック100がそれぞれ強い年にうまく投資できたらいいんですけど、いい方法はありますか?
畠山 米国株式3指数に投資する投資信託があります。「米国株式これ1本(S&P500・NYダウ・ナスダック100)」という商品ですが、こちらは名前の通り、3つの指数を投資対象として、S&P500インデックスを上回る投資成果を目指すものです。
ポイントは景気や市場の動向に応じて、指数の組み合わせを毎月選定するところ。まさに、先ほどの考え方に沿ったものですね。
ぽんちよ S&P500とNYダウとナスダック100を3分の1ずつ保有するのとは違うんですか?
畠山 基本的な考え方としては、S&P500をベースとして3分の1持ち、2つのアプローチにより、それぞれ3分の1ずつ機動的に投資配分を変更していきます。
下の図はバックテストを行った際の投資配分の推移を示したものです。赤色がS&P500で、ベースとして3分の1保有し続けています。残りの3分の2は、S&P500を含め、緑色のNYダウと黄色のナスダック100を機動的に切り替えています。ある月はNYダウのウェートが高かったが、翌月にはナスダック100が高いということもあります。結構な頻度で投資配分は変わることになると思います。
ぽんちよ ところでS&P500のインデックスファンドなど、手数料が安いファンドがある中で、手数料負けするのではないかと思うのですが、どうでしょう?
畠山 おっしゃる通り、インデックスファンドに比べ、運用コストなどがかかるため、信託報酬が高くなってしまうのは確かです。
しかしながら、1999年3月末から2023年12月末の期間で行ったバックテストでは、当ファンドの信託報酬および投資対象ETF(上場投資信託)の経費率、売買コストを差し引いた上で、S&P500のリターンを年率3%程度上回る結果となりました。
ぽんちよ このファンドのデメリットはなんでしょう?
畠山 ナスダック100とNYダウがともにS&P500より弱い場面では、ベンチマークであるS&P500のリターンを上回ることは難しくなります。
ただ、S&P500が一番強かった年は、2000年以降でみると、2004年、2005年、2021年と3年間のみでした。
ぽんちよ なるほど。ありがとうございました。S&P500だけでいいのか?という疑問への答えとして、指数ごとに良いときと、悪いときがある。それをうまく組み合わせることで、より効率的な運用ができるかもしれない、というのが今日の学びですね。
私自身も投資初心者の方へ「長期で淡々と投資をしていきましょう」と発信しているので、まさにそれにも沿ったファンドと理解してもよいかもしれません。
また、今回の投資信託のポートフォリオを参考に、自分でも割合を考えてみることで、投資知識や経験が身に付くと思います。もっと今回の商品について詳しく知りたいということは商品ページをチェックしてみてください。
畠山さん、今日はありがとうございました!
畠山 こちらこそ、ありがとうございました。
【プロフィール】
ぽんちよ
投資YouTuber
サラリーマン時代にFIREにあこがれ、節約やせどりで資金をためつつ、資産運用を開始。自身の体験談や工夫をまとめたYouTube「目指せ!FIRE 投資・節約・副業 初心者の背中を押すチャンネル」が大人気に。いまや登録者数43万人を超える人気YouTuber。
畠山大樹
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
シニアファンドマネージャー
大和住銀投信投資顧問(現 三井住友DSアセットマネジメント)入社。
国内・海外株式の市場分析を行うストラテジストを経て、2015年よりグローバル株式運用に携わる。トップダウン運用を一貫して担当しており、マクロ環境の分析の経験を生かし、セクター・ファクター・国地域などのセミマクロベースとした株式内のアセットアロケーションを担当。
【今回ご紹介したファンドの詳細はこちら】
※当ファンドの最新の基準価額、「リスク・手数料など」につきましては、こちらをご確認ください。
【本WEBページに関するご留意事項等】
本WEBページでご紹介するファンドやファンドの選び方は、一例であり、すべてのお客さまに当てはまるものではありません。また、必ずしも当社の考えではありません。投資信託による投資はリスクを負うものであり、投資元本を割り込み、損失を被る可能性があります。投資に関する最終決定はお客さま自身のご判断でお願いします。
本WEBページにおけるデータ等は、過去の実績・状況または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。
本WEBページは、三井住友DSアセットマネジメントおよび楽天証券が作成した情報提供資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。投資信託をご購入の場合は、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
本WEBページの内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
本WEBページは信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するものではありません。
設定・運用…
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会
Sponsored 三井住友DSアセットマネジメント
(広告)
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。