2023年本決算は大幅増益、世界航空市況の回復とロシアからの代金一部回収が寄与
現地コード | 銘柄名 |
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02588 |
中銀航空租賃 (ビーオーシー・アビエーション) |
株価 | 情報種類 |
57.15HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国銀行(03988)傘下の航空機リース大手、中銀航空租賃の2023年下期の純利益は5億200万米ドルに達し、上期の2億6,200万米ドル、前年同期の3億3,300万米ドルを上回った。世界の航空市況の回復に加え、ロシアにとどまっているリース機の代金の回収が背景。これにより、2023年12月通期の純利益は前年実績の38倍に当たる7億6,400万米ドルと、BOCIの予想から上振れた。通期の経常収益(総収入とその他収益)は前年比6.7%増の24億6,100万米ドル。ロシア問題による影響を除く通期のコア純利益は4%増の5億4,700万米ドルだった。BOCIは2024年も世界の航空旅客市場が上向くと予想。中国政府による対外開放政策も追い風になるとみて、同社株価の先行きに強気見通しを継続している。
ウクライナ侵攻後にロシアに留め置かれたリース機をめぐり、同社はロシア側の保険会社と和解し、2億1,700万米ドルの正味回収額(税引き後)を計上した。これはこの先一段の機材価値の回収という面でも歓迎すべき一歩。2022年7月の段階で、同社はロシアの航空会社にリースしていた17機の正味帳簿価額をゼロに減額。現金担保2億2,290万米ドルを引いた正味評価損は5億8,070万米ドルとなり、2022年上期には赤字に転落した。
一方、同社は世界航空業界の回復による代表的な恩恵銘柄の1社。国際航空運送協会(IATA)によれば、業界全体の旅客輸送指標であるRPK(有償旅客キロ:旅客輸送実績を示す指標)とASK(有効座席キロ:旅客輸送力の規模を示す指標)は2024年1月に、コロナ禍前の2019年同月実績の99.6%、99.5%まで回復した。業界全体の損益は2022年の推定36億米ドルの赤字から、2023年には233億米ドルの黒字に転じる見通しであり、2024年にはさらに上向く見込み。中国の一段の対外開放政策に伴う相互ビザ免除措置の拡大も、国際旅行市場の拡大につながる可能性が高い。
2023年通期の業務指標を見ると、リース利回りは10%(前年9.2%)。債務コストの増大が影響し、純リース利回りは7.1%(同7.0%)だった。また、リース契約数は142件(同78件)。新規の引き渡し機材数は65機(同34機)。保有機材の稼働率は期末に99%(同96%)に達した。顧客基盤は45カ国・地域の91社(上期は42カ国91社)。平均機齢は4.6年で、平均リース残存期間は8.1年。上期の段階では4.7年、8.0年だった。
BOCIによれば、同社のビジネスモデルは堅実で、2023年の配当利回りは5.3%に達する可能性がある。2024年には、世界航空業況のさらなる改善が見込める上に、米利下げが始まる可能性があり、引き続き同社のコア利益の伸びが期待できるという。BOCIは2024年予想PBR(株価純資産倍率)1.1倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。
レーティング面の潜在リスク要因としては米金利がさらに上昇する可能性と、世界経済の減速により、航空業界がマイナス影響を受ける可能性を挙げている。
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