2023年に業績底打ちへ、2024年以降の安定成長と海外事業の進展に期待
現地コード | 銘柄名 |
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06699 |
時代天使科技 (エンジェルアライン・テクノロジー) |
株価 | 情報種類 |
63.50HKD |
株価 企業情報 チャート |
マウスピースタイプの歯列矯正(クリアアライナー)ソリューションを手掛ける時代天使科技の2023年下期の売上高および粗利益について、BOCIは上期比で小幅改善を見込み、それぞれ前年同期比13%、8.3%増加するとみている。半面、下期の純利益は同79.8%減少すると予想。政府主導の集中調達制度による影響は限られるものの、国際業務の拡充に向けた初期投資が響く見通しを示した。また、この先の収益については、2023年実績の低さなどを理由に、安定成長を予想。目標株価を引き下げながらも、同社利益は2023年に底を打ったとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
同社が2023年3月に、収益見通しを下方修正してからちょうど1年。上期の段階では、歯列矯正の施術件数が前年同期比23.6%増える半面、売上高はわずか8%の伸びにとどまった。上級プランの「Pro」と標準版「Classic」から、低価格版「COMFOS」と子供向け「Kid」シリーズにシフトするという製品構成の変化を受け、平均販売価格が12.6%低下したため。「COMFOS」の販促で、小都市部の需要を取り込んだ経緯があった。同一プランが値下がりしたわけではなく、比重の変化が平均価格の低下を招いたことになる。また、上期には粗利益率が小幅に上昇する半面、販売費と一般管理費が前年同期比60%増、44%増。海外での1,200万米ドルの損失を含め、同57%の減益だった。BOCIは同社株価がすでに、2023年通期の減益見通しを織り込み済みだとしている。
2023年下期も前年同期の実績が低く、BOCIは「COMFOS」「Kid」の貢献で、売上高が前年同期比13%増加すると予想。粗利益率は62.3%と、上期比で小幅に改善するとみる。小都市での販売費の増大や海外事業への投資により、販管費は高止まりするとの見方。2023年下期に前年同期比79.8%の大幅減益を見込む。
一方、クリアアライナーを対象とした集中調達は2022年末に1度実施されたが、今のところ第2弾が行われる兆しはない。しかも、中国では国公立病院の歯科医療のキャパシティは限られ、この制度の対象外となる民営クリニックからの調達が大半を占めることから、仮に第2弾が実施されても影響は限定的。海外事業の進展がこの先、利益トレンドを好転させる要因になり得るという。
BOCIは2024年予想PER(株価収益率)63倍をあてはめ、目標株価を引き下げた。新たな目標値は2024年予想PSR(株価売上高倍率)で6.9倍に当たる水準。同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続した。2023年の段階では新規の施術数の伸びと増収率が乖離(かいり)するものの、コロナ禍の影響が消える2024年以降は、両者が一致し始めるとの見方だ。
レーティング面の潜在リスク要因としては、海外事業の黒字化時期に関する不透明感に加え、集中調達制度に関する新たな情報が浮上する可能性を挙げている。業績への実際の影響は軽微であるものの、投資心理にマイナスに作用する可能性があるとしている。
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