継続保有優待の獲得を目指して長期保有すれば値上がり益にも期待できる!

 株主優待制度の本来の趣旨は、応援したい企業の株主になることでお礼の優待品や株主配当をもらいながら株を長期保有すること。

 その結果、投資した企業の業績が成長・拡大して、優待品、株主配当、そして株の値上がり益という三つのおいしい果実を獲得するのが、株主優待株投資の最も理想的なハッピーエンドといえるでしょう。

 企業側からしても、優待目的で自社株を長期保有してくれる安定株主を増やすことが株主優待制度を導入した本来の目的。

 そのため最近は、優待取得に半年~数年といった継続保有条件が付いていたり、長期継続保有すると優待内容がグレードアップする優待株も増えています。

 ただ、投資家サイドからすると、長期保有で優待優遇があるからといって、株主配当も株価もずっと横ばいのままでは、あまり、うま味がありません。

 やはり、優待品をグレードアップする目的で長期保有していたら、年間の株主配当金や株価もぐんぐん上昇して、増配や値上がり益でも大きな利益が得られた、というのが優待企業と優待投資家のWin-Winの関係といえます。

 そこで、まずは楽天証券の「株主優待検索」の「優待内容」欄で3月優待株の検索条件に「継続保有特典」を加えてアラ選び。すると、778銘柄中、継続保有特典のある優待株は315銘柄に達しました。
楽天証券「株主優待検索」より

 それらを「人気順」に並べ替え、継続保有の優待特典が魅力的で、なおかつ今後、値上がり益や安定した株主配当にも期待できそうな長期投資向きの銘柄を独自の観点で厳選しました。

 

長期保有してお得な優待をゲットしたい株で人気No.1はNTT(9432)

 2024年現在、3月優待株全体でも人気No.1銘柄に急浮上しているのが国内最大の携帯キャリア「NTTドコモ」で安定収益を稼ぐ超優良企業のNTT(9432)です。

 2023年7月1日(土)に1株を25株に大型分割したため、100株・約1万8,060円の少額資金で購入できるようになり、個人投資家の保有株数が大きく増えたことが人気急上昇の理由です。
※投資金額や今期予想配当利回りの計算に用いる株価は2024年2月22日(木)の終値。以下同

 NTTは優待制度も実施していますが、その優待内容はかなり特殊で、優待権利が発生するのは保有後2回だけ。いずれも長期保有が大前提になっています。

 優待発生の基準日は3月末で、それまで2年以上3年未満、100株以上保有し続けると、NTTドコモが運営する電子マネー「dポイント」1,500ポイントを贈呈。さらに5年以上6年未満保有すると3,000ポイントが贈られ、優待はそれで終了というもの。

 今回2024年3月27日(水)の権利付き最終日までに100株以上購入した場合、2年後の2026年3月末にまず1,500円分のdポイントが贈呈され、5年後の2029年3月末に3,000円分のポイントが贈呈されます。

 優待発生が2回限りなのは残念ですが、株式分割後もdポイント進呈条件に変更がないため、5年以上6年未満、長期保有すれば、現状約1万8,000円前後の投資金額で4,500円分のdポイントがゆくゆくはもらえます。

 しかも、NTTはスマートフォンや光回線の通信料という、景気に左右されにくい安定収益源を持ち、今期2024年3月期も来期2025年3月期も最高益更新が予想されています。

 株主配当も毎年0.2~0.4円の増配が続き、今期の1株当たり予想配当額は5円。

 株価が急上昇していることもあって、予想配当利回りは3%に届かない2.77%ですが、少額資金で投資できる手軽さも考えると、ぜひ優待のdポイント4,500円分が獲得できる5年以上長期保有して、同時に大きな値上がり益と高額の株主配当収入も狙いたい銘柄候補の筆頭株といえるでしょう。


 

2.オリエンタルランド(4661)

 東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランド(4661)はここ10年、毎年のように上場来高値を更新するなど一貫して株価が右肩上がりで推移している株価10倍高(テンバガー)達成済みの大型成長株です。

 2024年6月からは東京ディズニーシーに新たなアトラクションエリア「ファンタジースプリングス」も本格オープンし、今後もインバウント(訪日外国人)客を含めた客数や客単価の増加で安定成長が続きそうです。

 同社の株は株価上昇にともなって100株購入するのに200万円近い投資金額が必要な高額な値がさ株でした。しかし、2023年4月1日(土)に1株を5株に株式分割したことで現在は100株を約53万7,000円で購入できるようになり、以前に比べると投資のハードルもぐっと下がりました。

 株式分割にともない、これまで3月末に100株保有で1枚贈呈された東京ディズニーランドもしくは東京ディズニーシーの1デーパスポートの獲得条件が500株保有(投資金額約268万5,000円)に引き上げ。

 100株の場合は3年以上継続保有で、9月末を基準日として1デーパスポートが1枚贈呈されるように長期保有株主優待制度が変更されました。

 今回2024年3月27日(水)の権利付き最終日までに100株購入した株主は、2027年9月末に長期保有株主優待の権利が発生し、2027年12月に1デーパスポート1枚が送付される予定です。

 9月末が基準日のため3月末までの購入の場合、およそ3年半以上もかかりますが、それ以降は毎年1枚の1デーパスポートが長期保有株主優待として贈呈されます。

 3年半という長期間にわたって投資し続ければ、過去のオリエンタルランドの株価の推移を考えると、かなり大きな値上がり益が得られるかもしれません。長期保有優待が長期投資のモチベーションとなり、結果的に魅力的な優待と値上がり益の両方を獲得できそうな投資対象といえるでしょう。


 

3.トリドールホールディングス(3397)

 優待株の主役といえる外食企業の業績は昨年2023年5月に新型コロナウイルス感染症の隔離措置が終了し、外出・就業制限が撤廃されたことで劇的に回復。物価高を反映した値上げ効果もあって、株価も大きく回復しました。

 そんな中でも2023年半ば以降、何度も上場来高値を更新した「丸亀製麺」運営のトリドールホールディングス(3397)は海外進出に成功中ということもあり、外食系優待株の勝ち組として今後も企業成長に期待できそうです。

 そんなトリドールHDの優待は、3月・9月末に100株保有で3,000円分の優待食事券が贈呈されるというもの。同社は継続保有株主優遇制度も導入しており、200株(投資金額約83万9,600円)を1年以上継続保有すると、3月・9月末に3,000円分の優待食事券が追加贈呈されます。

 200株を1年以上継続保有で、200株の通常優待4,000円分に加え、継続保有優待3,000円分、合計7,000円分の優待券を年2回ももらえます。

 年間合計1万4,000円の優待券は「丸亀製麺」だけでなく、系列の居酒屋「立呑み晩杯屋」、スパイスヌードル「譚仔三哥(タムジャイサムゴー)」、ハワイアンカフェ「コナズ珈琲」などの店舗で利用可能です。

 ただでさえ年2回優待で外食費の節約に役立つだけでなく、長期保有していたら食事券が追加贈呈され、しかも株価の値上がり益も見込めるのはうれしい限り。トリドールHDの株を長期保有する大きなモチベーションになるはずです。


 

 4.上新電機(8173)

 家電量販店の買い物券優待も外食産業の食事券優待と並んで人気が高い優待です。

 関西圏で家電量販店を展開する上新電機(8173)は100保有で3月末に買い物券2,200円分(200円券11枚)、9月末に5,000円分(同25枚)と、通常優待でもらえる買い物券の金額も非常に高額です。

 1株以上保有で9月末に5,000円分の優待券が贈呈されるなど、単元未満株投資でも優待がもらえるのも貴重。

 長期保有株主向け優待は500株(投資金額約119万6,500円)以上が条件ですが、500株を2年以上継続保有すると、3月末に6,000円分の買い物券が追加贈呈されます。

 買い物券は「Joshin web」でも利用可能ですので、近くに店舗がない人でも使えます。

 同社の今期2024年3月期は同社が長年スポンサーを務めるプロ野球球団「阪神タイガース」の日本一特需もあって増収増益予想。来期2025年3月期は業績横ばいの見込みですが、阪神タイガースの連覇特需の発生やネット通販事業の拡大に期待がかかります。

 今期予想配当利回りも3.13%と高く、株価も底ばいから回復基調のため、500株・2年以上の長期保有優待だけでなく、100株の通常優待でも十分魅力的な高配当優待株といえるでしょう。


 

5.エディオン(2730)

 家電量販店の中で100株保有でも、長期保有優遇で買い物券を追加でもらえるのが中部・西日本が地盤のエディオン(2730)

 3月末に100株保有で自社店舗や100円ショップ「100満ボルト」「エディオンネットショップ」で利用できるギフトカード3,000円分が贈呈されますが、1年以上継続保有するとさらに1,000円分が追加進呈されます。

 同社は2023年の猛暑でエアコン販売が好調で今期2024年3月期はわずかながら増収増益を達成し、株価も復調中。

 今期の株主配当利回りも2.91%となかなかの高水準に達しています。PBR(株価純資産倍率)が0.72倍と割安なため、ここ数年、1株当たり44円に据え置かれた株主配当の増額にも期待したいところ。

 頻繁にエディオンを利用する人なら長期保有して、優遇優待を狙いたいところでしょう。


 

通常の優待もあって、何年後かにグレードアップする長期継続優待がお得

 株主優待株には一定期間以上、株を長期継続保有しないと、そもそも優待権利が発生しない銘柄も増えています。

 ここまで紹介したものでは3年以上継続保有が必要なNTT、100株保有だと同じく3年以上保有して長期保有株主優待制度を利用しないと1デーパスポートがもらえないオリエンタルランドなどがその例です。

 そういった銘柄は長期保有で株価の値上がり益も狙えたり、優待内容がかなり豪華でお得なもの以外、優待株としての魅力は低くなります。

 やはり、権利付き最終日に株を購入して翌営業日の権利落ち日まで最短2日間保有しただけで通常の優待をもらえる上に、長期継続保有するとさらに優待内容がグレードアップするトリドールHDのような優待株のほうが魅力的でしょう。

 そこで通常の優待も外食・買い物費用や旅行費の節約に役立ち、なおかつ長期保有するとさらに追加で優待特典が獲得できるお得度の高い優待株をピックアップしました。
 

長期継続保有すると優待内容がますます魅力的になる3月優待株!

銘柄名 購入金額
(100株)
配当利回り
(2024年3月期の予想値)
優待内容
JR東日本(9020) 90万
2,000円
1.39% 首都圏、関東、東北にJR東日本を展開。インバウンド需要で鉄道事業、コロナ明けの人出回復で駅ナカ商業施設が好調で、来期2025年3月期も増収増益が続きそう。3月末に100株保有で同社営業路線内の運賃・料金が4割引になる優待券1枚贈呈。その他、同社グループ施設やネット通販サイト「JRE MALL」などで利用できる各種サービス券も多数贈呈。3年以上継続保有すると運賃などの割引券がもう1枚、追加贈呈される
ヤクルト本社(2267) 31万
5,200円
1.76% 国内で睡眠の質向上の「ヤクルト1000」が成長中。ただ中国など海外事業が停滞し、増収増益率の低下で株価は2023年後半に5,000円台から3,000円台まで急落。そろそろ下げ止まりか。通常優待は3月末に100株で自社飲料、食品など自社商品詰め合わせ。3年以上長期保有で、自社化粧品を追加贈呈(2023年3月末は薬用スキンクリーム)。その他、9月末株主にプロ野球球団「東京ヤクルトスワローズ」のファンクラブ無料入会特典も
全国保証(7164) 55万
3,100円
3.07% 住宅ローン保証の国内最大手。地価高騰で1件当たりの保証債務残高が上昇し増収増益が続く。株価も史上最高値圏で推移。3月末に100株以上で一律、3,000円分のクオカード贈呈。1年以上継続保有すると5,000円分のクオカードか5,000円相当のカタログギフトにグレードアップ。お得度が高く、条件となる継続保有期間が比較的短い、魅力的な追加優待といえる
ケーズ
ホールディングス(8282)
12万
3,900円
3.55% 猛暑によるエアコン販売など、採算のいい家電販売が上向きだが、人件費増で今期2024年3月期は増収減益予想。来期2025年3月期の持ち直しに期待したい。株価は1,200円を底に下げ止まりの兆しか。3月・9月末に100株で買い物優待券1,000円分贈呈。1年以上継続保有でもう1,000円分を追加贈呈。利用は店舗のみ可
商船三井(9104) 53万
7,800円
※株主優待は300株以上を2年以上継続
3.72% 海運会社大手。コンテナ船の運賃急騰一服も、中東の地政学的リスク台頭で船賃高止まり期待もあり、株価は上昇継続中。今回の3月末優待から、2年以上、300株(投資金額約161万3,400円)以上を継続保有すると、3,000円相当の地方名産品などが贈呈されるカタログギフト優待を新設。通常優待は100株で3月・9月末にクルーズ船旅行代金10%割引券2枚、9月末にフェリーサービス運賃片道5,000円割引券1枚
※最低購入金額は2024年2月22日(木)の終値で計算