日経平均が史上最高値更新
本日2024年2月22日、日経平均株価は一時3万9,000円台に乗せて、1989年12月29日に記録した3万8,957円を上回った。海外投資家のマネー流入が続いている。
日経平均(週足)
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2024年の日本の株高+不動産高というのは「円安によるバーゲンセール」であって、日本経済とはあまり関係がない。1989年当時のバブル時は「円高+金利安+原油安」というトリプルメリット相場であったが、2024年相場は日本経済がすでに景気後退に入っていることからも明らかなように、日本経済の実質的な成長はなく、通貨の切り下げがあるだけだ。
分かりやすく言うと、大不況のアルゼンチンのメルバル指数は過去5年間、ペソ(自国通貨)建てでは大きく上昇している。
ドル/円(月足)1978~2024年
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日本の異常低金利と円安が継続するかぎり、日本株や日本の不動産は上昇するだろう。1980年代後半のような資産バブルが起きつつある。海外勢は円安が続く限り日本株を買ってくる。中国勢の日本株買いもまだ続いている。
ファーストリテイリングやソフトバンクグループのような日経平均の寄与度が高い銘柄は浮動株がほとんどなく、海外勢の爆買いによってミーム銘柄のような動きとなっている。
しかし、この物語には、「低金利と円安によって日本の資産バブルがこのまま進めば、貧富の差が社会問題となり、日本銀行が想定外の利上げに追い込まれる」という落とし穴がある。
ダウ工業株30種平均と日経平均の1980年からの対数チャートを見てみよう。われわれは今、「1989年の相場」をやっているのである。1990年以降のNYダウの爆上げに比べれば、日経平均は「値ごろ感」からは割安に映る。
従って、海外の投資家からは、「比較感の問題ではあるが、米国株より日本株の方がよい」との声も聞かれる。そうかもしれないが、日本株がここから大きな上昇軌道に乗れるかどうかは、結局は米国株次第となるのではないだろうか?
NYダウと日経平均の対数チャート(1980~2024年)
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いつ投資を始めたか?
投資において、長期的な成功を果たしたのかそうでなかったのかを分けたのは、いつ投資を始めたかということに尽きる。
日経平均は高値を抜くのに34年かかったが、今をときめくナスダック100指数でさえ、2000年のドットコムバブルのピークに付けた高値を抜くのに17年もかかっているのである。
ナスダック100(週足)1995~2024年
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現在の市場が長期的な成長トレンドから乖離(かいり)していることを考えれば、株式が経済成長を上回る成長を続けることはより困難になるだろう。
S&P500種指数実質価格とゼロの収益率の長期化
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出所:リアルインベストメントアドバイス
投資のサイコロジカルサイクル
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出所:Hofstra University
S&P500実質価格(黒)とサイコロジカルサイクル(赤)1980年~現在
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現在の高いバリュエーションを合理化することは、将来的に失望を招く可能性が高いと考える。しかし、短期的には強気心理が伝染し、「史上最高値更新」が続く可能性が高くなっている。
株式市場が上昇し続ける不労所得の栄光の日々に慣れ親しんだ人々は、手遅れになるまで下げ相場に抵抗し、相場観を変更できないだろう。
S&P500実質価格と強気相場
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バブルは崩壊し、破産が行き過ぎを清算する。相場から早めに脱出した人々は、早急に行動したことを喜ぶだろうし、下降や衰退に巻き込まれた人々は、もはや手の届くものでも持続可能なものでもない高コストのシステムを信じていたことを後悔するだろう。
株式市場では本質的に、大きな強気相場の後には必然的に大きな弱気相場がやってくる。これは過去の例から明らかだ。市場サイクルの前半でもうけるのは簡単だ。後半にそれを維持するのが難しい。
2月21日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」
2月21日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、荒地潤さん(楽天証券FXアナリスト)をゲストにお招きして、「日銀は市場の予想に反して利上げサイクルを開始するのか?」というテーマで話をしてみた。ぜひ、ご覧ください。
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ラジオNIKKEIの番組ホームページから出演者の資料がダウンロードできるので、投資の参考にしていただきたい。
2月21日:楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー
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