今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは150.50

 ↓下値メドは149.45 

生成AI:今後10年間で米経済を1兆ドル拡大させる
米インフレ:米政府の巨額な赤字支出と過去の刺激策のつけでインフレは下がらない
ECB:ブイチッチ・クロアチア中銀総裁「利下げを早める可能性もある」
米経済予想:ハード?ソフト? 最も可能性高いのは「ノー・ランディング」 - サマーズ前財務長官
指標:利上げサイクルにおいては、インフレ指標が重要だが、利下げサイクルにおいては成長と雇用データがより重要になる

今日の見通し

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「利下げを確信するレベルに達していない」とFOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見で述べた。これは言い換えるならば、米国経済が弱くなったというデータが出てくるまでは利下げしないという意味だ。

 今月発表された米国の指標はおしなべて強く、FRBの利下げ時期をどんどん遠くへ押しやることに貢献した。1月の雇用統計は就業者の増加数が同月比として過去17年間で2番目の大きさで、平均賃金はFRBのインフレ目標2%を困難させる高いペースで伸びていた。また1月のCPI(消費者物価指数)も予想を上回る伸びとなり、インフレ率の下げ渋りが明らかになった。

 ところが、この日発表された1月の米小売売上高は、前月比マイナス0.8%と約1年ぶりの大幅減となった。12月の売上高も下方修正されて、個人消費に一服感が出ていることを示した。「久しぶりの弱い指標」に反応したドル/円は149.50円まで円高に動いた。

 ドル/円の2024年の高値は150.88円。安値は140.79円。レンジの中心値は145.84円。

 2月の高値は150.88円。安値は145.90円。レンジの中心値は、148.39円。

 今週の高値は150.88円。安値は148.92円。レンジの中心値は、149.90円。

 現在のドル/円レートは、今週のこれまでの高値と安値のほぼ50%の「中立」水準に位置している。150円台に再び戻ることができるか、それとも2月の50%の148.39円を試しにいくかに注目。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
150.57(02/15)
150.78(02/14)
150.88(02/13)
151.43円(23/11/16)

サポート:
149.52(02/15)
149.15(02/13)
148.92(02/12)
147.93(02/08)

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

謀多きは勝ち、少なきは負ける - 毛利元就

Killer Queen

 FRBは、1970年代に金融引き締めを途中であきらめてしまったためにインフレの再暴走を許したというトラウマを持っている。そのためFRBは、経済成長率が顕著に鈍化したと確認できないかぎり金融緩和に踏み切れないでいるのだ。

 米国経済は、経済データから明らかなように、FRBの金融引き締めにもかかわらず、予想よりはるかに好調だ。この背景には、米個人消費の予想以上の強さがある。これは、失業の不安が少なく給料が順調に増えているからで、将来に備えてコツコツ貯金するより、今パーッと買い物をして楽もうとすることが消費拡大につながっている。

 しかし、それはあくまでも表面のことで、実際は支出が前倒しされているだけのことだ。2024年には、これまでの反動で急速な消費の落ち込みが発生するリスクが高まっている。来年第1四半期には、雇用市場も悪化して就業者数がマイナスになる可能性が高いといわれている。積極的な消費行動は2023年が最後かもしれない。

 米国の経済データが強ければ強いほど、皮肉なことにマーケットはハードランディングの確率を高める。FRBが景気抑制のためにさらに強い手段に訴えることで、米経済の墜落事故の可能性が高まるからだ。FRBは来年3月の0.25%を皮切りに利下げサイクルに入り、2024年末には政策金利を2.75%まで引き下げる(現在5.50%)と金利市場は読んでいる。これほどまでに積極的に利下げを織り込んでいるのは、米国のリセッションを予想しているからだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

ヒートマップ分析

出所:楽天証券作成
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