2024年の生産量見通しは亜鉛と銅が明暗、赤字継続も採算性改善へ
現地コード | 銘柄名 |
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01208 |
五鉱資源 (エムエムジー) |
株価 | 情報種類 |
1.99HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国政府系の非鉄鉱山会社、五鉱資源が保有する大型鉱山2カ所の2023年12月通期の金属生産量は、経営陣が事前に示したガイダンスの上限か、それ以上の水準に達した。ただ、続く2024年に関するガイダンスでは、拡張作業が進む2つの銅鉱山の生産量見通しがBOCIの予想を下回り、亜鉛鉱山2カ所の生産量の増加見通しを打ち消した。BOCIは2023-25年の利益見通しを減額修正しながらも、同社の採算性が今後段階的に改善すると予想。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
南米ペルーのラスバンバス銅鉱山の2023年の銅生産量は前年比19%増の30万2,000トン。抗議活動など生産の阻害要因が消え、ガイダンスの上限の30万5,000トンに近い数字を達成した。一方、豪デュガルド川鉱山の亜鉛生産量は1-3月期の操業停止による影響で、前年比12%減の15万2,000トン。それでもガイダンスの上限である15万トンを上回った。
ラスバンバスでは、同社はすでにチャルコバンバ(Chalcobamba)坑の開発に着手し、地元コミュニティーとの間で5つの契約を交わした。ただ、同社が示したラスバンバスの2024年の銅生産量見通しは28万-32万トンと、ほぼ前年並みの水準。BOCIは作業に遅れが出ている可能性を指摘している。さらに、基本的な操業費用であるC1コスト(正味直接キャッシュコスト)について、経営陣は1ポンド当たり1.6-1.8米ドルを予想しており、これは2024年に入ってから記録した1.6米ドルをさらに上回る数字となる。
コンゴ民主共和国のキンセビア銅鉱山では、水酸化コバルトの形態で、コバルト生産が始まった。同社は2024年下期に、酸化銅鉱から硫化鉱への転換を完了するとの目標を掲げるが、2024年の銅生産量に関するガイダンスは3万7,000-4万4,000トン。仮に上限を達成しても、前年実績の4万4,000トン並みとなる。
一方、同社傘下の亜鉛鉱山は、2024年に相対的に好成績を達成する見込み。ガイダンスに示された生産量の予想レンジの中央値は、豪州のデュガルド川、ローズベリーがそれぞれ前年比20%増、7%増。うちデュガルド川はもはや操業停止による影響を受けない。
BOCIは同社の2023年の予想純損失を20%増額し、7,100万米ドルに設定した。2024年については銅販売量の低迷やC1コストの上昇、コバルト平均価格の下方修正を理由に、7,200万米ドルの黒字予想を1,900万米ドルの赤字予想に変更した。2025年に関しては、金属価格の下落見通しやラスバンバスの副産物販売量の減少を見込み、予想純利益を28%減額した。BOCIはそれでも、今後2年にわたって同社の採算性が改善すると予想。WACC(加重平均資本コスト)の引き下げに伴い、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続している。
レーティング面の潜在リスク要因としては予想を下回る金属価格や操業・物流面で何らかの障害が生じる可能性を挙げている。
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