今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは148.20

 ↓下値メドは147.10 

インフレ:世界のインフレ率、新型コロナ前の平均を下回る。  
コストコ:来年夏に年会費値上げへ。インフレ落ち着き消費者に余裕 
FOMC:パウエル議長「利上げの可能性が完全に消えたわけではない」 
日銀:日銀が資本不足に陥っても恐れる理由がないことを説明する文書を発表。しかし日銀が問題を数字で示すことや、損失がどの程度になるかのシナリオ分析は非公開 
NZドル:RBNZ:マンデートから雇用の安定外れる。インフレに専心 

前日の市況

 2024年21営業日目、1月29日(月曜)のドル/円は、前日比0.63円の「円高」。

 ドル/円は東京時間昼前に、先週末高値148.20円を抜き148.34円まで上昇してこの日の高値をつけたが、その後は輸出実需のドル売りに押し戻された。上値は徐々に重くなり、先週の高値148.70円には接近できなかった。

 海外市場では、米長期金利が4.05%台まで低下したことでさらにドル売りが強まり、 クロス円の売りもあって147円台まで円高になると明け方には147.25円まで下落してこの日の安値をつけた。終値は147.51円。24時間のレンジ幅は1.09円。

今週の注目点

 今週は、S&P500の時価総額の約38%に相当する108社が、決算発表を行う。注目は、AMD、アマゾン、メタ、マイクロソフトなどの人気の高い企業の決算に注目が集まる。

 先週のECB(欧州中央銀行)会合後からECBの早期利下げ観測が急速にひろがっているが、欧州市場では、30日にドイツとユーロ圏の10-12月GDP(国内総生産)速報値、31日にドイツとフランスの1月CPI(消費者物価指数)速報値が発表される。ECBの利下げ時期を予想する重要なヒントとなる。

 1日の日本時間早朝にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が政策金利を発表した後、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が記者会見を行う。FOMCは今回の会合で政策金利を据え置くが、果たして3月利下げの可能性はどうか。パウエル議長の発言に関心が集まる。

 1日の海外時間にはBOE(イングランド銀行)の政策発表と欧州のHICP(消費者物価指数)。そして2日金曜は米1月雇用統計が控えている。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
148.34(01/29)
148.38(01/24)
148.70(01/23)
148.81(01/19)

サポート:
147.25(01/29)
147.08(01/25)
146.64(01/25)
145.58(01/16)

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

「神が何であるか」を言い表すことはできないが、「神が何でないか」は明確にできる

Isn't She Lovely

 現在の米国の雇用市場は、今や完全に家計の支出に頼りきっている。米国の消費者の多くは、生活費とは別に、外食費、交際費やレジャー費などの、いわゆる変動費の支出を維持するために多額のカードローンをしている。2022年の米国のクレジットカード残高は、1年間で1,750億ドル増加した。コロナ前には、同じ増加を達成するのに2016年から2019年まで4年間かかっていた。

 この急拡大を可能にしたのが、コロナ禍緊急対策として実施されたFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げを含む大規模緩和政策である。そのつけとして米国は深刻なインフレに悩まされることになった。FRBは、消費行動を鈍化させさらには逆転させるために、今度は大幅な利上げをしなければならなかった。しかし、これからはFRBだけではなく、銀行の信用引締めも考慮に入れる必要がある。

 H&L(ホスピタリティ・レジャー)部門の雇用増加は、米国の雇用全体の1割にすぎないが、毎月のNFP(非農業部門雇用者数)の3割から4割を占める。金融機関によるクレジットローン審査の厳格化は、米国人の外食や旅行を減らすことになり、H&L部門の雇用ペースを鈍化させる。その結果、雇用統計のNFPを大幅に減少させると考えられる。

 雇用は「派生需要」である。つまり、モノやサービスの需要が最初にあって、それに伴い雇用の需要が発生するのだ。製品需要の期待値と雇用可能な労働者の期待値のどちらかが逆回転を始めたら、雇用市場は一気に悪化することになるだろう。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今週の重要ブレークアウトレベル

出所:楽天証券作成

タイムゾーン 分析

出所:楽天証券作成