昨日(7月10日)の動向

7月10日の外為市場は、アジア時間早朝にユーロ圏財務相会談で、スペイン銀行セクター支援を7月20日に最終合意を目指すことが再確認され、300億ユーロの融資実行、ユーロ圏銀行監督の統一を9月にも各国銀行へ直接資本注入が合意され、ユーロ上昇につながりました。しかし、英中銀総裁による「ポンド高による輸出の先行き懸念」とのコメントで、英ポンド/米ドルが下落すると、ユーロ/米ドルもファンド勢が売りに転じ1.2235レベルまで下落しました。米ドル円も79.30のストップをつけに行き、79.208まで下落後、政府が日銀への金融緩和要請や為替介入を示唆する報道で持ち直し79.40-50レベルでもみ合いとなりました。

東京時間は、中国の貿易終始が発表され市場予想を大幅に下回る結果に、豪ドルは売り圧力を受けましたが、ユーロ圏財務会談での結果を好感し、大きな下落にはつながりませんでした。

欧米時間では、英国の製造業生産高が発表され市場予想を上回ったことで、英ポンド買いとなり、このことをきっかけに、ユーロ、豪ドル、欧州株も上昇、スペイン、イタリア債も買われ、マーケットはリスクオンの展開となりました。しかし英中銀総裁の発言や、米企業決算の懸念から、米株が下落し、一転してリスクオフとなり、ユーロ、豪ドルは軟調に推移しました。

7月10日のBID値 始値 高値 安値 終値
米ドル/円 79.571 79.591 79.208 79.412
ユーロ/円 98.013 98.047 97.210 97.291
豪ドル/円 81.253 81.389 80.660 80.935

米ドル/円 1時間チャート

米ドル/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

ユーロ/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

豪ドル/円 1時間チャート

本日(7月11日)の展望

【米ドル/円】

本日は日本時間7月12日午前3時頃に米FOMC議事要旨の発言があります。
FOMC議事要旨では今後の追加金融緩和の可能性およびその形態ついての議論が注目され、追加緩和の可能性を強く示唆する場合、追加緩和の形態として連邦準備制度理事会(Fed)のバランスシートの拡大を伴い、購入対象資産に国債が含まれ国債の割合が大きくなる可能性が示唆される場合にはドル/円は売り圧力が強くなりそうです。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
米ドル/円 79.60 79.80 79.00 79.20

米ドル/円 5分足チャート

米ドル/円 5分足チャート

【ユーロ/円】

欧州連合(EU)がスペインの赤字削減目標の1年先送りを正式に承認し、さらにモンティ伊首相が「欧州安定メカニズム(ESM)の活用を排除しない 」と発言したこともあり、ユーロ/円、ユーロ/ドルはリスク回避傾向が引き続き継続する可能性がありそうです。
また先月の安値95.492を目指す展開となりそうです。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
ユーロ/円 98.00 98.50 96.50 97.00

ユーロ/円 5分足チャート

ユーロ/円 5分足チャート

【豪ドル/円】

先月の安値(6月1日)から先週の木曜日高値でフィボナッチリトレースメントを引いてみると79.30円付近が38.2%戻しとなっており、現在上値も重いことから79.30円付近を目指す展開となりそうです。
また明日の10:30より豪州の失業率の発表があるため、豪ドル/円は方向感ないレンジ相場が続きそうです。

  レジスタンス R1 レジスタンス R2 サポート S1 サポート S2
豪ドル/円 81.20 81.50 80.00 80.60

豪ドル/円 5分足チャート

豪ドル/円 5分足チャート

  • 上記各5分足チャートは、当日 10:00 現在のものです。
  • コメント欄の語句について R=上値抵抗線 S=下値支持線

本日(7月11日)の主な指標

注目度 発表時間 指標 予想 前回
20:00 (米)MBA住宅ローン申請指数 -6.7%
21:30 (加)貿易収支 -4億 -4億
★★★ 3:00 (米)FOMC議事録
  • 発表時間はいずれも東京時間
  • 注目度は★低~★★★高で示します