2024年のゲーム・広告収入を約10%増と予想、ネットイースやテンセントが焦点に
現在のマクロ経済環境の下で、ユーザーのマインドシェア(心の中にある特定ブランドの占有率)獲得に向けたネットサービス各社の競争が続く中、BOCIはより重要度が高いKPI(重要業績評価指標)として、リソースの利用効率とROI(投資収益率)を挙げている。中核事業に経営資源を振り向け、マネタイズ力を強化することが、合理的な競争環境の維持と「マシュー効果」(有力企業がさらに強くなる現象)の拡大を通じた業界の持続的成長につながるとの見方。中国国内の2024年のオンラインゲーム、オンライン広告の総売上規模については、それぞれ前年比9%増、10%増との予測を示した。トップピック銘柄はゲーム業界2位のネットイース(09999)と最大手のテンセント(00700)。豊富な経営資源やブランド知名度の高さ、循環型エコシステムを有する競争力の高さ、利益再投資を可能とする優れた中核事業の存在、成功期待の高い投資、確実な履行、前向きな株主還元方針などをその理由に挙げている。
BOCIはうちオンラインゲーム・セクターについて、2024年に前年比9%の増収を見込む(スマホゲーム12%増、PCゲーム2%増)。配信認可を含む国内の規制環境は安定すると予想。ほかに競争の激化や「マシュー効果」の拡大、ミニゲーム市場の成長などを予想している。2023年後半にバイトダンス社(TikTokと中国版の抖音を運営)がゲーム事業からの撤退を決めたことで、2024年には国内ゲーム開発市場の上位3社(テンセント、ネットイース、miHoYo)のシェアが計79%に達するとみる。
ゲーム銘柄の中では、BOCIはネットイースとテンセントを選好している。ネットイースに関しては新作の投入に伴い、市場の最大のけん引役になると予想。テンセントについては、旗艦タイトルのマネタイズ戦略や国内の新作ゲーム、グローバルスタジオへの投資を通じた海外での新作ゲームのリリースなどが追い風になるとみている。
一方、中国の2024年のオンライン広告市場では、広告主が引き続き、高ROI、かつ統合型ECインフラとデータ分析力を備えたプラットフォームに予算を振り向けるとの見方。広告の総売上規模は前年比10%増の1兆2,100億元に上ると予想し、中でもメディアプラットフォームが同14%増の6,170億元と、相対的に高い伸びを達成するとみる。個別ではバイトダンスが約30%のトップシェアを握る見通し。広告セクターではテンセントと快手科技(01024)を選好し、両社には明確な広告収入の押し上げ要因があるとしている。
このほか、ライブストリーミング市場に関しては2023年の業況悪化を受けた機能面の調整を理由に、2024年には前年比1桁台の落ち込みを示すとの見方。有望銘柄としては快手科技やビリビリ(09626)を挙げた。音楽配信サービス市場に関しては安定推移を予想。コンテンツや機能、製品、特典など各方面の優位性を理由に、最大手のテンセント・ミュージック(01698)を有力視している。
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