テーマ型ファンドは買っちゃだめ?
新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の成長投資枠のラインアップの中には、特定のテーマや業種に特化した、テーマ型ファンド(投資信託)も多数含まれています。テーマ型ファンドは集中投資のリスクを負うため、ネガティブなイメージを持つ人がいるかもしれません。しかし、特徴をしっかり理解すれば、有効な商品といえます。
テーマ型ファンドの中には、銘柄を選定して投資を行うアクティブ型のほか、ETF(上場投資信託)を中心に、関連インデックスに連動するよう設計されたインデックス型もあります。
テーマ型ファンドの利点の1つは、テーマに沿った銘柄群にまとめて投資できるという点にあります。また、「投資先として関心はあるけど、どのような企業があるか分からない」という場合も、テーマ型ファンドは有効です。
生成AIに投資したい場合:テーマ型ファンド活用のポイント
例えば、文章や画像を自然な形で生み出すことができる、生成AI(人工知能)の技術に興味を持ったとしましょう。この技術を支えるのは、データ処理能力に優れた高性能半導体です。米国のエヌビディア(NVDA)を筆頭に、世界の株式市場では、関連銘柄の上昇が際立っています。
しかし、一口に「半導体関連」といっても、画像処理、検査装置、メモリーなど、各社で強みを持つ分野は異なります。よほどこの分野に明るくない限り、企業概要をパッと見ただけでは何をやっている会社なのか、投資初心者が具体的なイメージを持つことは難しいでしょう。
こうしたケースで活用したいのが、ETFを含むテーマ型ファンドです。
月次報告書に記載されている組入れ上位銘柄を通じて、どのような企業が含まれているのか、各企業の特徴は何かを把握し、個別株投資へのステップアップを目指してもよいでしょう。長期資産形成でテーマ型を活用するなら、最低限、組入れ上位銘柄に関心を持つことが重要です。
具体的な銘柄の例としては、米国上場の主要な半導体関連30銘柄で構成される、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)への連動を目指す「<購入・換金手数料なし>ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)」 のほか、国内のテクノロジー関連企業を厳選して投資する「フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド(愛称:Jテック+)」 が、日本の半導体関連銘柄を全体の3割程度組み入れています。
またETFでも、先述のSOX指数への連動を目指す「グローバルX 半導体 ETF(2243)」 が、今年4月、東証に上場しています。運用を担うのは、テーマ型ETFのパイオニアであるGlobal X Japanで、同社は、2021年9月東証上場の「グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF(2644)」 も展開しています。
取れる時にリスクを取る
広く分散された株式インデックスファンドでコツコツと積み立てを行うことが長期資産形成の基本であることに変わりはありませんが、NISA制度が恒久化される中、「取れるときにリスクを取っておく」ことも重要です。また、新NISAの成長投資枠では、個別株投資も認められるようになります。
テーマ型ファンドは、効率よく特定のテーマや業種に投資できるだけでなく、個別株投資のヒントも隠れています。今のうちに活用方法も含め、幅広く引き出しを増やしておくことをお勧めします。
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