「独身の日」セールの販売成績振るわず、通期の収益見通しを下方修正

現地コード 銘柄名
01368

特歩国際

(エックステップ・インターナショナル)

株価 情報種類

6.43HKD
(11/14現在)

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「独身の日」(11月11日)に合わせて10月末から続いていたネット通販の一大セールイベント「ダブルイレブン」で、スポーツ用品メーカー、特歩国際の中核ブランドの売上高は前年同期比1桁台後半の伸びにとどまった。自社予想の20-30%増から下振れた形。経営陣はこれを受け、2023年通期の売り上げ目標を前年比「15-20%増」から「10%強の伸び」に下方修正し、利益率についても「拡大」から「横ばい」に引き下げた。ただ、オフラインでは、中核ブランドの小売売上高が予想を上回るペースにあるとして、通期の小売目標を「20%強の伸び」に維持。また、在庫の健全化を理由に、2024年に関しては2桁増収見通しを示した。BOCIは「ダブルイレブン」における同社の新規ブランドの売れ行き好調を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

「ダブルイレブン」での販売伸び率の低迷を受け、経営陣は中核ブランドの2023年通期の売り上げ目標を1桁台後半に下方修正。これに伴い全体の増収目標を10%強に引き下げた。また、小売価格の値引き率拡大やネット販売の返品増加に伴う物流費の増大、販促コストの拡大を理由に、利益率の改善余地は限定的との見方。通期の利益率が前年同期の実績並みで推移する見通しを示した。小売価格の値引き率は7-9月期に25-30%だったが、ダブルイレブンでの値下げが響き、10-12月には約30%に悪化する見込み。経営陣はまた、年末までに販路上の在庫を4-4.5カ月に縮小させる意向を示したが、これも4カ月未満という従来目標からの下方修正を意味する。BOCIは景気の停滞に伴う消費者心理の悪化を理由に、販売店向けの卸売ビジネスにも圧力がかかるとみている。

 中核ブランドの低成長とは裏腹に、同社傘下の新規ブランドは好調、米国発の「Saucony(サッカニー)」「Merrell(メレル)」の小売販売額は、ダブルイレブン期間中に前年同期比98%増、101%増と、自社の予想通りの水準に達した。経営陣は両ブランドを含むプロフェッショナルブランド全体の通期の売上高について、前年比80-100%増を予想し、「サッカニー」の黒字化を見込む。「メレル」も中国でのアウトドアスポーツ人気を背景に、ハイキングシューズの売り上げが150%増ペースにあるという。一方、「K-Swiss」「Palladium(パラディウム)」というアスレジャーブランドは海外市場で苦戦しているものの、中国では好調。ダブルイレブン期間中の小売販売額が2増以上の伸びを示したこともあり、経営陣は前年比10%台半ばの伸びを予想している。

 BOCIは粗利益率の想定値引き下げと売上高販管費率の引き上げに伴い、2023-25年の予想純利益を12%、15%、15%減額修正した。引き続き2024年予想PER(株価収益率)20倍をあてはめ、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。レーティング面の潜在リスク要因としては、マルチブランド戦略の不成功や中核ブランドの小売販売状況の後退、ブランド価値の後退などの可能性を挙げている。