7-9月期に33%減益、「広汽三菱」解消で投資収益減も自主ブランドの採算性が改善
現地コード | 銘柄名 |
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02238 |
広州汽車集団 (グァンジョウ・オートモービル) |
株価 | 情報種類 |
3.64HKD |
株価 企業情報 チャート |
広州市政府傘下の自動車メーカー、広州汽車集団の2023年7-9月期決算は、売上高が前年同期比14.5%増の363億元に達する半面、純利益は同33.2%減の15億元だった。自主ブランド「伝棋」(Trumpchi)の高収益モデルの販売比率上昇や、バッテリーコストの低減による新エネルギー車「埃安」(Aion)の利益率改善が寄与し、連結対象事業の赤字は5億1,200万元と、4年ぶりの水準まで縮小した。ただ、BOCIは広汽三菱のリストラに絡む15億元の追加費用の発生を見込み、10-12月期の投資収益がさらに下向く可能性を指摘。2023年、2024年の予想純利益を減額し、目標株価を引き下げた。
7-9月期の売上高は14.5%増と自主ブランド「Trumpchi」と「Aion」の販売台数伸び率41.1%増を下回った。競争激化でAionの販売価格が低下した。ただ、「Trumpchi」の高収益モデルの比重拡大などで粗利益率は10.4%と前四半期の6.3%から上向いた。Aionは黒字化したが、経営陣は価格競争の激化による利益率の低下圧力に言及している。
一方、広汽三菱関連の減損損失6億7,800万元が響き、投資収益は18億元と前年同期の37億元から縮小した。主力の広汽ホンダと広汽トヨタの出荷台数、利益は前四半期で微増。10-12月期には広汽三菱のリストラに絡む追加費用(最大15億元)の発生や、年末に予定される主力の合弁2社の値下げにより、投資収益の下押し圧力が高まる見通しという。
広州汽車集団は10月24日、中国からの撤退を決めた三菱自動車との合弁会社、広汽三菱に関する再編計画を決定した。まずは権益比率に基づく出資で、広汽三菱の債務を解消。その後、三菱自動車と三菱商事の持ち分50%を、広州汽車集団が1元で取得し、完全子会社化する。広汽三菱の生産施設(評価額22億元強)のうち、有効設備はAionに4億4,200万元で譲渡。残りの用地や工場はいったん貸与し、当局の認可が下り次第、17億8,000万元でAionに譲渡する。Aionはその上で最大12億8,000万元を投資して年産20万台の生産ラインを整備し、2024年6月までに量産を開始する。BOCIはこの合弁事業の解消がAionに有利に働くとの見方。広州汽車集団の経営陣によれば、2023年通期純利益はこの要因で約30億元目減りするものの、それ以降、影響を引きずることはないという。
BOCIはTrumpchiとAionの販売上振れを理由に2023-24年の予想売上高を6-7%増額し、1,360億元、1,410億元に設定した。ただ、広汽三菱のリストラ費用を理由に2023年の予想純利益を49億元へ23%減額修正。2024年に関しても50億元へ18%減額修正した。電動化で出遅れた広汽ホンダと広汽トヨタの収益下振れリスクを反映させたという。
同社株価は現在、2023年予想PER(株価収益率)7.3倍と、ヒストリカル平均の8倍を下回る水準にある。BOCIは他の国有メーカーを上回る同社の自主ブランドTrumpchiとAionの健闘を指摘。目標株価(2024年予想PER8倍)を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
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