逆風下で1-9月期に3%増益を確保、ファンダメンタルズは堅調
現地コード | 銘柄名 |
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00939 |
中国建設銀行 (チャイナ・コンストラクション・バンク) |
株価 | 情報種類 |
4.53HKD |
株価 企業情報 チャート |
中国4大国有商業銀行の一つ、中国建設銀行の2023年6月中間決算は前年同期比3.4%の増益だったが、続く7-9月期の純利益は同2.6%増。1-9月期では同3.1%増と、ほぼBOCIの予想通りの水準に達した。中国経済が引き続き複雑な情勢と下振れリスクに直面する中、BOCIは大手銀行が3.1%の利益成長を確保できたのは上出来としている。資金利益は上期に前年同期比1.7%減少した後、1-9月期には同3.1%減。半面、投資センチメントが後退する中、役務取引等利益(純手数料収入)は小幅な伸びを確保した。9月末時点の貸出残高、預金残高は前年末比で11.6%増、11.4%増。資産の質は底堅く、不良債権比率は横ばいに推移した。中国の大手行が安定的な業績を発表するのは同行が初めてであり、BOCIは銀行業界全体にとってプラスのシグナルになるとの見方。続く10-12月期も増益と資産の質の堅調が続くとみて、同行の株価の先行きに対して強気見通しを継続した。現在株価のバリュエーションは非常に魅力的な水準にあるとしている。
資産の質は1-9月期も安定的。不良債権比率は9月末時点で1.37%と、6月末比で横ばい。3月末の1.38%から小幅に改善した。また、不良債権引当カバー率(貸倒引当金÷不良債権残高)は1-3月期の241.7%、上期の244.48%に対して、1-9月期も243.31%と堅調。BOCIは続く10-12月期の不良債権比率も1.37%に踏みとどまるとみている。
純金利マージン(NIM)は1-9月期に低下したが、これは政府の方針に沿って実体経済への支援に力を入れたため。NIMは1.75%と、上期比で0.04ポイント、2022年比で0.27ポイント低下した。BOCIは10-12月期に、さらに0.01ポイント低下するとみる。
役務取引等利益は1-9月期も微増を維持した。上期の前年同期比0.5%増に対して、1-9月期には同0.04%増。2023年通期も前年比で小幅なプラス成長を確保する見通しという。
BOCIによれば、同行H株は現在、2023年予想PBR(株価純資産倍率)で0.36倍の水準にある。2023年の予想配当利回りは9.4%の高水準。着実なスケールメリットの拡大や、資産の質の安定感、相対的に高いROE(自己資本利益率)などを理由に、BOCIは同行株の過小評価を指摘している。2023年通期のROAE(平均株主資本利益率)は11.6%に達すると予想。2023年予想PBRで約0.6倍をあてはめ、目標株価を据え置いた。株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。
一方、レーティング面での潜在リスク要因としては、政策要因を指摘。仮に中国経済が大きく減速した場合、銀行各行が実体経済を支援するよう、さらに強い圧力を受ける可能性に言及している。
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