2023年8月中間期は営業効率改善で17%増益、生産性の改善戦略を継続へ
現地コード | 銘柄名 |
---|---|
06110 |
滔搏国際控股 (トップスポーツ・インターナショナル) |
株価 | 情報種類 |
6.06HKD |
株価 企業情報 チャート |
ナイキやアディダスなどの有力ブランドを扱う中国のスポーツウエア販売最大手、滔搏国際の2023年8月中間決算は、売上高が前年同期比7%増、純利益が17%増と、ほぼ市場コンセンサス予想通りの内容だった。BOCIは営業効率の改善により、粗利益率の低下と政府助成金の縮小を十二分にカバーしたと前向きに評価している。在庫の圧縮など運転資本効率の改善が寄与し、営業キャッシュフローは58%の大幅増となる26億元。良好なキャッシュポジションを背景に、年度上期の配当性向を前年同期の70.4%から74.2%に引き上げた。同社は「3+3」(3つの効率化と3つの成長の柱)と名付けた共同開発戦略の下、ユーザー体験の向上、オムニチャネル(各販路を連携させたアプローチ)型のリテールオペレーション、イノベーティブな営業モデルを通じた販売生産性の向上を目指す方針。BOCIは株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
経営陣は6-8月に減速した小売販売額が、9月と国慶節長期連休(10月上旬)には加速に転じたと報告。2024年2月通期の業績目標を据え置いた。具体的な目標は◇業界平均並みの売上高伸び率を確保する、◇小売価格の値引き率の改善と製品構成の高付加価値化でブランド各社からの補助金の縮小をカバーし、粗利益率を改善する、◇売上高販管費率を改善する――の3点。経営陣はまた、市場シェアがここ数年低下していた主力ブランドの一つについて、事業見通しが改善したと報告。今後は拡大しつつあるニッチ分野の消費需要を取り込むためにも、ブランドポートフォリオの充実を図るとしている。
8月中間期の売上高は前年同期比7%増だったが、これは値引き率の縮小と既存店売上伸び率のプラス成長によるもの。一過性要因を抱えた一部ブランドを除外すれば、同期の増収率は業界平均を上回り、全ての販路で売上高がプラス成長を確保。中でもプライベートトラフィック(ECサイトやSNSを通さず、自社が展開しているプラットフォームに顧客を呼び込む手法)を活用したオンライン販売が好調だった。また、売上高販管費率は前年同期比で2.4%ポイント改善し、粗利益率の0.9ポイントの低下などをカバー。営業利益率の0.2ポイントの改善につなげた。なお、同社は年度上期も店舗構成の最適化への努力を継続したが、市場が回復する中で、店舗総数や売り場面積の減少ペースが縮小した。1店舗当たり面積は7.7%拡大している。
BOCIは店舗数や粗利益率に関する想定値の引き下げに伴い、2024-26年の予想純利益を10%、7%、7%減額修正。2025年度予想PER(株価収益率)16倍をあてはめて(2024年度予想PER18倍から更新)、目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、消費心理の悪化やブランド各社のDTC(消費者向け直接販売)志向を受けた「共食い」、店舗生産性の悪化、大株主による大規模な第三者割当増資、政治的緊張などの可能性を挙げている。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。