今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは150.11

 ↓下値メドは149.50円 

FRB政策:今後の引き締めは、名目金利から期待インフレと実質金利の調整へ
利上げ終了:イングランド銀行とスイス中銀が利上げサイクル終了へ。
ポンド:BOE「英国のインフレは2年以内に2%まで低下する」
スイスのインフレ:SNB総裁「スイスのインフレは落ち着いてきた」
中銀インフレ政策:コントロールできる経済部分を弱め、影響力の及ばない経済部分のインフレを補う

市況

 今月のドル/円の高値は、3日のNY市場でつけた年初来高値となる150.16円で、その直後に「介入的」な動きで急落してつけた147.29円が安値。レンジの中心値は148.725円。現在のレートは中心値より円安水準。150.16円を目前にして足踏み状態が続いている。

 2023年209営業日目のドル/円は、前日比0.13円の「円高」。24時間のレンジは0.30円。
10月18日(木曜)は149.85円でオープン。東京時間朝に149.66円まで下落したあと未明に149.96円まで上昇した。終値は149.81円。

 米長期金利が4.99%と、2007年以来16年ぶりの高水準まで強含むなかで、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)はこの日講演を行い、「ここ数カ月で米国の金融情勢は大幅に引き締まり、長期債利回りの上昇がその重要な原動力となっている」との認識を示した。

 パウエル議長は、今後の利上げに関して、それを支持するような「追加」データがあれば、FRBは行動すると述べた。ただし、雇用統計とCPI(消費者物価指数)の次回発表日はいずれも11月FOMC(米連邦公開市場委員会)の後であり、来週の第3四半期GDP(国内総生産;)は(先行きではなく)後ろ向きのデータである。したがってこの発言は「11月は利上げをしない」ことを意味し、「ややハト派的」との印象を与えた。

 政治的にも、中東地政学リスクの高まりや、米下院議長不在で来月中旬の米政府機関の閉鎖が現実味を帯びるなかでの利上げは難しいという判断もある。

 その一方で、パウエル議長は、この高金利水準でも米国経済が強さを失わずにいるのは、現在のFRBの政策が「引締めすぎではない」ということであり、場合によってはより長期間の引締め期間を必要する可能性があるとも述べている。これは逆に「ややタカ派的」メッセージである。そのためドル/円は上下どちらにもブレークすることができなかった。

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主要指標 終値

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今日の為替ウォーキング

今日の一言

人生において、多くの人が何をすべきかを知っているが、それを実際に行う人はほとんどいない

Doing All Right

 9月の政策会合では、中央銀行が2つのグループにはっきりと分かれた。

 インフレ抑制を何よりも最優先する中央銀行と、インフレ抑制と経済成長のどちらも重視する中央銀行である。(インフレ亢進と経済成長を目指す日銀は、どちらのグループにも属さない一匹オオカミである)

 FRBは後者で、米国のインフレ率は依然として目標の3倍近くの水準で、経済再加熱の兆しがあるにもかかわらず、パウエル議長は「相対的な引締め」にとどめている。

 BOE(イングランド銀行)とSNB(スイス中央銀行)も共に、経済成長に対する考慮が政策金利据え置きの重要な理由となった。特にBOEの場合は、インフレよりも成長を重視する考えに転換したようだ。

 ECB(欧州中央銀行)とスウェーデン中銀は前者のグループで、輸入インフレの影響が大きいこともあって、利上げに踏み切った。ところが利上げしたにもかかわらず、ユーロもクローナも下落に見舞われた。対照的に、ポンドとスイスフランは利上げ終了が好感されて下落は限定的だった。

 

今週の注目経済指標

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今日の注目テクニカルレベル

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ヒートマップ分析(円ベース、ドルベース)

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